OEM車を並行輸入すると通関証明で型式指定が使えず1台ごとの保安基準適合確認が必要になります。
参考)自動車の輸入手続き:日本
OEMは「Original Equipment Manufacturing」の略称です。
参考)OEM車とは何?メーカー別のOEMされている車種を紹介
自動車業界では、他社メーカーが製造した車両に自社ブランド名をつけて販売する方式を指します。例えば、ダイハツが製造するロッキーはトヨタからライズという車名で販売されており、これがOEM車の典型例です。
製造元と販売ブランドが異なる点が最大の特徴です。
エンブレムやブランド名は違っても、車両の基本構造や性能は同一です。通関業務従事者にとっては、輸入申告時に製造元と販売元の情報を正確に把握することが重要になります。HSコードは乗用自動車の場合、排気量によって8703.22から8703.24などに分類されますが、OEM車でも製造元の仕様に基づいて同じコードが適用されます。
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型式指定制度では、OEM元の型式指定が有効です。
OEM車は一方的な製造委託ですが、共同開発車は複数メーカーが協力して車両を設計製造します。
参考)OEMって?メーカー違いで同じ車種はどっちを買った方がお得?…
共同開発では各メーカーが開発費用や技術を分担し、それぞれのブランドで販売できます。トヨタのGR86とスバルのBRZは共同開発の代表例ですが、形式上はスバルからトヨタへのOEM供給として扱われることもあります。
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一方、純粋なOEM車では製造メーカーが単独で設計開発を行います。
販売側は既存の完成品を受け取るだけで、開発プロセスには関与しません。通関実務では、共同開発車もOEM車も輸入申告上の扱いに大きな差はありませんが、製造者情報として正確な企業名を記載する必要があります。
車台番号は製造元が打刻したものが使われます。
参考)https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/pdf/201701/00006373.pdf
トヨタブランドでは、ダイハツ製のライズやピクシスシリーズが代表的なOEM車です。
参考)【自動車】同じ車に見えるけど、名前が違う?【OEM】について…
ライズの製造元はダイハツのロッキーで、ピクシスバンはダイハツのハイゼットカーゴとして製造されています。スズキとマツダの間では、スズキのアルトがマツダのキャロルとしてOEM供給されています。
軽自動車だけでなく普通車にもOEM車は存在します。
日産とスズキの間でも複数のOEM供給関係があり、商用車分野でも広く採用されています。通関業務では、これらのOEM関係を理解しておくことで、輸入申告時の車名や型式の整合性を確認しやすくなります。
特に並行輸入の場合、海外仕様のOEM車が含まれることもあります。
輸入車の型式指定制度を利用する際には、製造元の型式情報が必要です。並行輸入では自動車通関証明書の交付を受け、保税地域から搬出後に1台ごとの保安基準適合確認が求められます。
OEMを委託する販売側メーカーは、開発コストを抑えながら商品ラインナップを拡充できます。
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自社で新規開発すると数年の期間と膨大な投資が必要ですが、OEMなら既存の完成品を調達するだけです。正規ディーラーは特定メーカーとの特約店契約により他社ブランド商品を販売できないため、OEMを通じて実質的に他社の優良車種を扱えます。
製造側メーカーは生産規模を拡大し、設備稼働率を向上させられます。
量産効果でコストダウンも実現でき、収益性が高まります。通関業務においては、OEM供給による輸入量の増加に対応する必要があります。輸入申告書には車台番号などの必要事項を記事欄に記載し、自動車通関証明書の申請に備えます。
参考)OEMの車について - 廃車買取のお役立ちコラム|廃車買取な…
型式指定制度を活用すれば新規検査時に現車提示が省略できます。
OEM車は製造元の車両と比較して中古車市場での査定額が低くなる傾向があります。
知名度や人気が相対的に低いため、下取り価格や買取価格が不利になります。例えば、トヨタの純正部品と同じ仕様のOEM部品でも、「正規純正」として認識されない場合があり、査定で若干の差が出ることがあります。
参考)車を高く売るなら知っておきたい!OEM・ODM部品の価値とは
純正部品が残っている車は査定額が高くなりやすいです。
OEM車のリセールバリューは製造元より低めと考えておくべきです。通関業務従事者が輸入車両を評価する際にも、OEM車であることが市場価値に影響する点を理解しておくと役立ちます。
参考)【誤解と偏見】OEM車は恥ずかしい?メリットや買う人の特徴
カスタマイズの選択肢が少ないこともデメリットです。
メーカーが既存モデルを提供するため、オプション装備の制限が多く、メーカー独自のオプションが少ないケースがほとんどです。色の種類も製造元と若干異なる場合があります。
個性や独自性を求める消費者には向きません。
自動車を輸入する際には、輸入申告書・インボイス・運賃明細書・保険料明細書・船荷証券などが必要です。
自動車通関証明書の申請を予定している場合、通関手続の際に車台番号などの必要事項を輸入申告書の記事欄に記載するか、それらが記載された書類を準備します。OEM車の場合、製造元と販売元の情報を明確にすることが重要です。
車台番号はフレームやカウルトップパネルなどで確認します。
型式指定制度を利用する場合、あらかじめサンプル車と書類を提出して車両審査を受けます。製品均一性が確保できる品質管理体制かどうかも審査対象です。
型式指定を受けた自動車は新規検査時に現車提示が省略されます。
並行輸入の場合、自動車通関証明書の交付を受けて保税地域から搬出し、1台ごとに保安基準への適合確認を受ける必要があります。海外仕様車はヘッドライト光軸、メーター表示、排気ガス対策などで国内仕様と異なるため、日本の保安基準を満たす対策や検査が必須です。
通関業者に依頼することも可能です。
参考)輸入通関手続きを輸入者本人が行う場合と通関業者に委託する場合…
自動車部品を輸入する際には、通常の通関書類に加えて特定の許可証が必要になる場合があります。
参考)自動車部品の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出
中国向け輸出では「自動輸入許可証」の申請・受領が必要な自動車部品があります。ロットごとの許可証は、ロットが異なると通関に使用できません。
同一の輸入契約で複数枚の許可証を申請します。
一部の自動車部品では「入国貨物通関書」の申請・受領が必要です。具体的な通関手続は、事前に実際に輸入する自動車部品のHSコードにより税関の監督管理条件を調べて確定する必要があります。
OEM部品でも同様の手続が適用されます。
欧州からOEM・社外品パーツを輸入する際には、迅速な通関手続のためにインボイス、パッキングリスト、原産地証明書などを準備して提出し、関税や消費税の納付を進めます。
参考)OEM・社外品パーツ輸入
規制には販売免許や検査が必要なものもあります。
OEM車は道路運送車両法、保安基準、型式指定制度などの法令をクリアした正規の取引です。
国土交通省の型式指定を受けた車両が販売されており、ユーザーにとって車検・登録・保安基準が不利になることはありません。「OEM=怪しい」ということは一切ありません。
型式指定は製造元の名義で取得されます。
輸入自動車の場合、型式指定制度を利用すれば新規検査で現車提示が省略でき、大量に販売予定の輸入車の審査に活用されます。共通構造部型式指定制度では、国連の自動車相互認証制度を前提に、共通構造部の検査が合理化されます。
トラックやバス、小型自動二輪でも利用されます。
並行輸入や個人輸入の場合は、輸入通関時に自動車通関証明書の交付を受け、保安基準への適合確認を1台ごとに受ける必要があります。
適合確認には専門的な対策と検査が求められます。
OEM車を選ぶ際には、コストパフォーマンスと納車スピードがメリットになります。
製造元の車両より価格が安く設定されることが多く、お得に購入できる狙い目です。車を乗りつぶす前提であれば、リセールバリューの低さは気にならず、OEM車がおすすめです。
販売店や保証内容で選ぶのも賢い方法です。
ブランドや個性を重視する場合は、製造元の車両を選んだほうが満足度は高いでしょう。カスタマイズの選択肢が限られる点も考慮する必要があります。
中古車市場での評価を気にするなら製造元を選びます。
通関業務従事者としては、輸入車両がOEM車であるかどうかを確認し、製造元と販売元の情報を正確に把握することで、スムーズな通関手続と適切な書類作成が可能になります。
型式指定の有無も事前に確認しておくと良いです。
自動車業界ではOEMメーカーとサプライヤーの関係が複雑化しています。
電気自動車の普及により、サプライチェーンの変革が進み、サプライヤーの役割も変化しています。OEMメーカーは新技術への対応やグローバル市場の変化に直面し、情報通信技術(ICT)が重要な役割を果たしています。
参考)https://www.mdpi.com/2071-1050/16/4/1570/pdf?version=1707958563
供給契約では不確実な需要への対応が課題です。
参考)Redirecting...
パンデミック時には、OEMメーカーよりもサプライヤーが大きな打撃を受けました。2020年の統計では、OEMのEBIT-マージンが-3.49%だったのに対し、サプライヤーは-6.48%でした。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9173836/
ワーキングキャピタルの管理が重要です。
通関業務従事者は、こうしたサプライチェーンの複雑性を理解し、OEM車や部品の輸入時に製造元やサプライヤー情報を正確に把握することで、効率的な通関手続を実現できます。
国際貿易での規制も事前確認が必要です。
税関の自動車輸入通関手続ページ
自動車の輸入通関手続に必要な書類や自動車通関証明書の申請方法について、税関公式サイトで詳細な情報が確認できます。
国土交通省の輸入自動車特別取扱制度
輸入自動車の型式指定や車台番号の打刻に関する規定が記載されており、通関業務での参考資料として有用です。

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