FTAとは胎児計測に使う躯幹断面積の略称

通関業務に携わる方の中にはFTAという略語を見て戸惑うことがあるかもしれません。実は医療分野では胎児の体幹断面積を指す用語として使われていることをご存知でしょうか?

FTAとは胎児計測で使う用語

原産地証明を1度でも間違えると追徴課税で数百万円失います。


この記事のポイント
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FTAは胎児体幹断面積

産科超音波検査で測定する胎児のお腹周りの断面積のこと

📊
推定体重算出に使用

BPDやFLと組み合わせて胎児の発育状態を評価する

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貿易分野のFTAとは別物

自由貿易協定(Free Trade Agreement)とは異なる医療用語

FTAとは胎児の体幹断面積を示す医療用語


FTA(Fetal Trunk Area)は、産科超音波検査で使用される胎児計測項目の1つです。具体的には、赤ちゃんのお腹の断面の面積を測定したもので、おへその辺りの断面積と考えてください。妊娠24週以降の胎児推定体重の算出に重要な役割を果たします。


参考)赤ちゃんのFTAについて【お腹の赤ちゃんのこと】|ベビーカレ…


測定値は妊娠週数によって変化します。エコー検査では赤ちゃんの位置や見え方によって誤差が生じるため、FTAだけでなく他の計測値と組み合わせて総合的に評価します。


つまり単独での判断はしないということですね。



通関業務に関わる方がこの用語を目にするのは、医療機器の輸入書類や医療関連の取引で遭遇する場合です。貿易分野で一般的なFTA(自由貿易協定)とは全く異なる概念なので、混同しないよう注意が必要です。


FTA測定と胎児推定体重の算出方法

胎児推定体重(EFBW)の計算には、日本超音波医学会が定めた計算式が使われています。具体的には、BPD(児頭大横径)の3乗×1.07に、AC(腹部周囲長)の2乗×FL(大腿骨長)×0.3を掛けた値で求めます。


参考)妊娠中期の胎児の成長と能力

FTAはこの計算の基礎データとして活用されます。妊娠11週頃まではCRL(頭殿長)、妊娠12週から23週頃まではBPDが中心ですが、妊娠24週以降はBPD、FTA、FLの3つを計測して推定体重を算出します。


参考)上田レディースクリニック/院内ニュース

測定値に2〜3週分の遅れがあっても、推定体重やその他の発育が問題なければ心配不要です。医師から特に指摘がなければ異常はないと判断できますね。

日本産科婦人科学会の胎児発育曲線ガイドライン(推定体重の評価基準について詳しく解説)

貿易分野のFTAと胎児FTAの違い

通関業務で扱うFTA(Free Trade Agreement)は自由貿易協定を指します。これは締約国間で関税を削減・撤廃する国際協定で、原産地規則に基づく特恵関税の適用を受けられる制度です。


参考)https://www.customs.go.jp/roo/origin/gaiyou.htm


一方、医療分野のFTA(Fetal Trunk Area)は胎児の体幹断面積という物理的な測定値です。同じ略語でも適用される分野が全く異なります。


文脈で判断することが基本です。


医療機器や医薬品を扱う通関業務では、両方の意味を理解しておく必要があります。書類上でFTAという記載があれば、それが貿易協定なのか医療用語なのかを確認してください。どちらの意味か不明な場合は、送り主や関係部署に問い合わせるのが確実です。


原産地証明の不備による追徴課税リスク

貿易分野のFTA活用において、原産地証明書の不備は深刻な問題を引き起こします。例えば日EU・EPAで輸入した繊維製品について、原産地声明に必要な定型文言が欠けていたり、日付欄が未記入だったりすると、特恵関税の適用が否認されます。


参考)FTA/EPA活用の実務と原産地証明の落とし穴


実際のケースでは、通常税率10.9%が適用され、加算税付きで追徴課税が行われた事例があります。輸入額が1000万円なら、約109万円の関税に加算税が上乗せされる計算です。


これは決して小さくない金額ですね。



参考)原産地証明書の不備でFTA適用が否認された~形式ミスが命取り…

形式不備は悪意がない場合でも無効とされる可能性が高いです。証明書とインボイスでHSコードや品名が一致しない、原産地基準の記載が間違っている、コピーが不鮮明といった単純ミスでも追徴対象になります。

事前確認が最大の防御策になります。商品と証明書の内容(品名・数量・価格)を照合し記録保存する、不明点があれば税関や専門家へ事前確認を依頼するといった対応を取ってください。

税関の経済連携協定に関する手続き案内(原産地証明書の要件について詳しく記載)

医療機器輸入時の注意点と書類確認

超音波診断装置など胎児計測に使う医療機器を輸入する際は、技術仕様書にFTA測定機能の記載があることが多いです。この場合のFTAは医療用語なので、貿易協定の適用判断とは無関係です。


書類審査では製品カタログや仕様書の内容と、HSコード分類が正しく対応しているか確認します。医療機器は関税分類が複雑で、機能や用途によって税率が大きく変わるためです。誤った分類は過少申告扱いになる恐れがあります。


EPA特恵税率の適用を受けるには、輸入申告時に原産地証明書の提出が原則必要です。課税価格が20万円以下の場合は提出不要ですが、医療機器は高額なケースが大半なので証明書が必須になります。


有効期限は発給日から1年です。



参考)https://www.customs.go.jp/kyotsu/kokusai/seido_tetsuduki/syomeisyo.htm

第三国経由で輸送される場合は、締約国からの通しB/Lなどが必要になります。輸送経路の書類不備も特恵適用が否認される原因になるので、物流ルートの記録を正確に保管してください。




Q&A FTA・EPAハンドブック: 関税節約スキ-ムとしての活用法