CIF価格算出方法|関税計算の基礎知識と注意点

CIF価格は輸入関税の計算基準となる重要な数値です。商品代金、運賃、保険料を正確に合算しないと追徴課税のリスクも。通関業務に携わるあなたは、正しい算出方法を理解していますか?

CIF価格算出方法と関税計算の基本

送料を除いて申告すると過少申告とみなされる可能性がある

この記事のポイント
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CIF価格の構成要素

商品代金(Cost)、運賃(Freight)、保険料(Insurance)の3要素を合算した価格

🧮
関税計算の基準

CIF価格が課税価格となり、関税率をかけて関税額を算出する

⚠️
申告ミスのリスク

送料や保険料を除いた申告は過少申告となり、追徴税や延滞税が発生する

CIF価格の基本構成要素と定義


CIF価格とは、輸入者が目的地の港で商品を受け取るために支払う総費用を指します。この価格は国際貿易におけるインコタームズのひとつで、Cost(商品代金)、Insurance(保険料)、Freight(運賃)の3つの頭文字から名付けられています。


参考)CIFとは何か、CIFコストの計算方法:初心者のための完全ガ…


具体的には、商品代金に輸送費と保険料を加えた金額です。


つまりCIF価格が基準です。



参考)輸入通関の適正申告とは?申告ミス・修正申告・税関調査対策

輸入申告の際、税関が課税価格を判断する基準はこのCIF価格となります。日本の輸入税と関税の計算では、一般的な事業者が海外から商品を輸入する場合、仕入れ価格に加え、輸送費や保険料などを含めたCIF価格をベースに計算されます。商品が本船に積み込まれた港から輸入者の港までにかかる費用を含んだ価格を意味し、原則としてこのCIF価格に基づいて関税が算定されます。


CIF価格の算出方法と計算式

CIF価格の計算式は非常にシンプルです。


基本的な計算式は次のとおりです。



CIF価格 = 商品代金(Cost)+ 保険料(Insurance)+ 運賃(Freight)
具体例を見てみましょう。

  • 商品価格:1,000,000円
  • 運賃:100,000円
  • 保険料:10,000円

この場合、CIF価格は1,000,000円 + 100,000円 + 10,000円 = 1,110,000円となります。

別の計算例も確認しておきましょう。商品原価が10,000ドル、保険が1,000ドル、運賃が2,500ドルの場合、CIF価格は10,000ドル + 1,000ドル + 2,500ドル = 13,500ドルです。これを日本円に換算する際は、輸入申告日の週の前々週における外国為替相場の当該週間の平均値で、税関長により毎週公示される外国為替相場を使用します。


FOB価格からCIF価格を算出する場合も同様の考え方です。FOB価格が9,000ドル、保険が1,000ドル、運賃が2,500ドルの場合、CIF価格は9,000ドル + 1,000ドル + 2,500ドル = 12,500ドルとなります。

CIF価格をベースにした関税計算の流れ

関税計算はCIF価格を起点に段階的に進みます。まず、CIF価格を算出した後、1,000円未満を切り捨てて課税価格を確定します。


参考)https://www.dhl.com/discover/ja-jp/logistics-advice/essential-guides/what-is-import-duty


たとえば、商品価格100,000円、保険料2,000円、運賃3,000円の場合、合計105,000円がCIF価格です。


この金額に関税率をかけて関税を計算します。



参考)輸入消費税とは?関税との違いや計算方法、免税・非課税措置も解…

関税は商品分類ごとに定められた税率表に基づき計算されます。従価税の場合、「CIF価格 × 関税率 = 関税額」という手順で算出されます。

関税額が確定したら、次に輸入消費税を計算します。輸入消費税は、関税を含む課税価格に対して基本的に10%(一部軽減税率の適用で8%)を乗じて計算されます。課税価格は原則としてCIF価格に関税額を加えた金額となるため、まず輸入関税を確定してから輸入消費税の計算を行うステップが必要です。

具体例で確認しましょう。CIF価格が500,000円で関税率が12%の場合、関税額は60,000円となります。内国消費税額43,600円と地方消費税額12,200円を合わせた55,800円が輸入消費税として課税されます。


参考)輸入消費税とは?計算方法や関税との違い、免税・非課税になる条…

CIF価格計算で見落としやすいポイント

CIF価格の計算で最も重要なのは、すべての費用を正確に含めることです。税関での価格申告ミスは関税追徴や商品差し止めなどのリスクに直結します。


参考)海外からの輸入で「仕入れ価格」を申告すると過少申告になる?税…

送料や保険料を除いて申告してしまうと過少申告とみなされる可能性があります。仮に仕入れ価格が正しくても、送料や保険料を除いて申告すると問題になります。


つまり全額が基準です。



価格が不正確であると、追徴税や延滞税のリスクが生じます。過少申告加算税は原則として税率10%が課されますが、重加算税は税率35%という最も重いペナルティになることもあります。これは、納税者が脱税のために事実を隠蔽したり、仮装したりして意図的に過少申告を行ったと認められた場合に課されます。


参考)追徴課税は避けられない?「過少申告加算税」と「重加算税」の負…


保険料については、CIF条件では売り手は最低限度の保険(通常はICC C条件)しかかけないことが多いため、貨物の特性によっては追加の保険が必要になることがあります。インコタームズ2020の規定によると、CIFでは最低ランクの保険(ICC-C)が適用されます。これは火災、沈没、座礁、海難など基本的なリスクに対する最低限の保険カバーを提供するものです。


参考)FOBとCIFの違いとは?貿易契約の選び方と注意点


そのため、盗難・水濡れ・破損などのリスクに対応するには、買い手側で追加の保険手配が必要な場合があります。保険が不十分な場合、自身で追加手配が必要です。


参考)【図解付き】CIFとCIPの保険の違いを理解する|ICC(C…

CIF価格とFOB価格の違いと使い分け

CIF価格とFOB価格は、貿易取引で頻繁に使用される価格条件です。FOB(Free on Board)価格は本船渡し条件価額で、CIF価格はFOB価格に仕向け地までの運賃と保険料を加えた価格を指します。


参考)No.6563 輸入取引|国税庁

具体的な違いを見てみましょう。FOB価格が50ドル×100個=5,000ドル(日本円で50万円)の場合、これに運賃1万円と保険料1万円を加えると、CIF価格は52万円となります。


参考)http://nagamitsu1950.sakura.ne.jp/baibai-no-keisan-okadai-kaito.pdf

CIF条件では、商品が売り手の国の港で船に積み込まれた瞬間に、リスクは売り手から買い手に移転します。つまり、商品が目的地に到着するまでの輸送中に何らかの問題が発生した場合、その時点以降は買い手がリスクを負担することになります。しかし、輸送費用と保険料については引き続き売り手が負担します。

FOB価格は輸出実績が無くても試算できるため、海外バイヤーとの初期商談で使われることが多い一方、CIF価格は実際の輸送ルートや保険料が確定しなければ正確な計算ができません。買い主が海外の物流事情に不慣れな場合は、売主にその部分を任せられるCIF条件が大きなメリットとなります。


参考)資料ダウンロード「 FOB価格 表サンプル EXCEL」


表面上はCIFの方が買主にとって負担が少ないように見えますが、実際には売主がこれらの費用を商品価格に上乗せしていることが多いです。


費用が予測可能です。



📊 CIF価格とFOB価格の比較表

項目 CIF価格 FOB価格
含まれる費用 商品代金+運賃+保険料 商品代金のみ(本船積込まで)
リスク移転時期 本船積込時 本船積込時
費用負担者 売主が運賃・保険料負担 買主が運賃・保険料負担
計算の容易性 輸送ルート確定後のみ 輸出実績なしでも試算可能
買主にとってのメリット コストが予測可能、物流手配不要​ 物流業者を自由に選択可能

税関における輸入税額の計算方法について(JETRO)
関税率の調べ方や具体的な税額計算の手順が詳しく説明されており、CIF価格の申告時の参考になります。


税関における消費税計算例(財務省)
標準税率10%と軽減税率8%それぞれのケースでの計算例が掲載されており、CIF価格から消費税額を算出する具体的な流れが確認できます。




サン=テグジュペリの生涯