為替相場推移30年の影響と通関業務で知るべき円高円安の変動理由

通関業務に携わる方にとって為替相場の30年間の推移は、輸入コストや申告価格に直結する重要な知識です。プラザ合意から現在までの円高・円安の変動を理解することで、適切なリスク管理ができるようになります。あなたは為替変動の本当の影響をご存知でしょうか?

為替相場推移30年

為替レートを読まずに輸入契約すると数百万円の損失が出る

この記事の3つのポイント
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30年間の為替相場の大きな転換点

プラザ合意後の1985年から2026年までの為替推移と、通関業務への影響を解説

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円高・円安が輸入コストに与える影響

為替変動により輸入申告価格がどう変わるか、具体的な数字で理解できる

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通関業務従事者が取るべき為替リスク対策

為替ヘッジや申告時期の調整など、実務で使える具体的な対策方法

為替相場30年の推移と主要な転換点


為替相場の30年間の推移を見ると、1985年のプラザ合意が最大の転換点となりました。合意時は1ドル=240円台でしたが、わずか1日で20円も円高に動き、翌1986年7月には150円台まで円高が進行しています。この急激な変動は、輸出企業に経営効率化を迫る一方で、輸入品の消費拡大をもたらしました。
参考)【1985(昭和60)年9月22日】プラザ合意、急激な円高へ…

1995年4月19日には、変動相場制導入以来の最高値となる1ドル=79.75円を記録しました。当時、日本銀行が史上最大規模の為替介入を行っても円高を止められず、9月にようやく100円台まで戻っています。この時期は「超円高」と呼ばれ、日銀の為替介入担当者が無力感を感じたほどの強烈な円高圧力でした。
参考)【1995(平成7)年4月19日】東京外国為替市場で1ドル7…


2000年代に入ると、為替相場は比較的安定した推移を見せます。2000年から2010年頃までは100円台から120円台で推移していました。しかし2011年10月、東日本大震災後の円需要の高まりなどにより、1ドル=75.32円という現在まで破られていない円の最高値を記録しています。
参考)https://ecodb.net/exec/trans_exchange.php?b=JPYamp;c1=USDamp;eamp;s=amp;ym=Y


その後はアベノミクスによる金融緩和政策の影響で円安方向へ転換し、2022年には131円台、2023年には140円台と円安が進行しました。2024年には151円台、2026年1月時点では156円台まで円安が進んでおり、30年前のプラザ合意後の水準に近づいています。つまり長期的には円高から円安への歴史的転換が起きているということですね。​

為替相場変動が通関業務に与える影響

通関業務において、為替相場の変動は輸入申告価格に直接影響します。輸入する商品が外貨建ての場合、為替レートの変動によってコストが日々変わるため、レートが急騰すれば利益率が大幅に落ち、最悪の場合は赤字になることもあります。​
具体的な数字で見ると、100,000ドルの商品を輸入する場合を考えてみましょう。契約時に1ドル=135円だった場合、予定支払額は1,350万円です。しかし3ヶ月後の支払時に1ドル=155円になっていれば、実際の支払額は1,550万円となり、わずか3ヶ月で200万円も支払額が増加します。この200万円は本来であれば会社の利益となるはずだったお金です。​
為替変動は一年間で10%から20%ほど上下に変動すると言われています。例えば東京ドーム約10個分の敷地を持つ工場の輸入設備を購入する場合、10%の為替変動は数千万円から億単位のコスト増につながる可能性があります。この変動幅は輸入諸経費にも影響し、商品の本体代金だけでなく海上輸送費や保険代金なども価格が上昇します。
参考)輸入品の価格設定は為替の変動と販売戦略を考慮するといいよ!

税関への申告も2週間前の平均値を使用するため、為替変動の影響を正確に把握する必要があります。急変相場に対応できずに大きな損失を出す企業も少なくありません。為替知識とリスク管理は通関業務従事者にとって必須です。​

為替相場推移から見る円高・円安のメカニズム

円高・円安の背景には、各国の金融政策や経済状況が深く関わっています。プラザ合意後の円高局面では、日本銀行が当初は短期市場金利の上昇を容認しましたが、円高不況と呼ばれた景気悪化に直面し、1986年1月から公定歩合引き下げを開始しています。その水準はプラザ合意時の5.0%から、1987年2月には2.5%まで低下しました。
参考)https://blogs.ricoh.co.jp/RISB/eye_director/post_801.html

1990年代の変動では、1982年に1ドル=277円台後半まで戻った相場が、1985年9月のプラザ合意で大きく反転しました。大幅なドル安・円高が進行したため、主要国は1987年12月にドル安定のための緊急声明を発表し(クリスマス合意)、ようやく翌年11月に121円台前半でドル安・円高の流れが一服しています。
参考)ドル円相場の歴史~トレンド転換となった過去のイベントを整理す…

2010年代以降の円安進行は、黒田東彦日本銀行総裁(当時)が開始した大規模緩和が要因となりました。変動相場制移行以降、これほど急速に円安が進んだのは、2010年代前半と1990年代後半の2回のみで、いずれも70~80円台の行き過ぎた円高の是正という色合いが濃いものでした。金融政策の変更は為替相場に大きな影響を与えるということですね。
参考)円安進行で「失われた30年」に逆戻りか?場当たり的為替介入よ…

プラザ合意では「基軸通貨である米ドルに対して、参加国の通貨を切り上げ、外国為替市場で協調介入を行う」という内容で、調整幅として一律10~12%程度が想定されていました。しかし実際には想定を大きく超える変動が起きています。為替市場の動きは政策当局の想定を超えることが多いんです。
参考)プラザ合意の舞台裏と教訓 「歴史は韻を踏む」のか 野村證券・…

為替相場の変動リスクに対する実務対応

通関業務従事者が為替変動リスクに対応するには、まず契約時点でのリスク把握が重要です。外貨建て取引をおこなう場合、為替リスクが生じるため、輸入契約締結と同時に為替予約などでファイナンシャルヘッジを行う場合があります。​
具体的な対策方法として、為替ヘッジ(先物予約)が代表的です。海外企業から100万ドル相当の商品を仕入れる契約を締結する場合、契約時点で為替レートを固定しておくことで、支払時の為替変動リスクを回避できます。これにより支払額が確定し、利益計画が立てやすくなります。
他には、契約時に相手方に為替リスクを負担してもらう契約にする方法もあります。また外貨の支払い時期を早めたり遅らせたりすることで、リスクを抑えるリーズ&ラグスと呼ばれる方法があります。金額の大小や期間の長短、通貨の変動率などを考慮し、ヘッジをしないという判断をすることもあります。​
輸入販売価格を設定する場合は、ある程度円安に振れても対応ができるよう、予め為替変動を想定した価格にすることが重要です。あまりにもぎりぎりな価格を設定していると、為替変動の影響を吸収できず、すぐに原価割れや顧客への値上げを案内しなければならない状況に至ります。変動幅を見込んだ価格設定が基本です。​

為替相場の推移データから学ぶ将来予測のヒント

30年間の為替相場データを振り返ると、いくつかの特徴的なパターンが見えてきます。1931年にイギリスが金本位制を停止し日本も離脱すると、金輸出再禁止直前に1ドル=2.025円だった相場が、1932年12月には1ドル=4.819円と1年間で60%下落しました。これは日本にとってプラザ合意後を除けば史上最大の変動率です。
参考)【FXの歴史】為替や円相場を年表などで詳しく解説

1973年にブレトンウッズ体制が崩壊し変動相場制に移行した直後、1ドル=260円台まで円高が進みましたが、1973年秋のオイルショックで1ドル=300円近辺まで戻り(有事のドル)、1976年末頃までしばらく安定の時代となりました。このように国際的な危機や経済ショックは、予測とは異なる為替変動を引き起こします。​
最近のデータを見ると、2020年は106.77円、2021年は109.75円、2022年は131.49円、2023年は140.49円と円安が加速しています。2024年は151.36円、2025年は149.65円、2026年1月時点では156.66円となっており、長期的な円安トレンドが続いている状況です。過去のパターンから判断すると、大きな政策変更や国際的な合意がない限り、このトレンドは継続する可能性が高いということですね。​
為替相場の将来予測には複数の要因を考慮する必要があります。平成時代のドル円の推移はプラザ合意抜きには語れず、240円台だった相場が平成に入った1989年には120円台から140円台まで円高が進みました。こうした歴史的な転換点を理解することで、現在の為替環境をより正確に把握できます。
参考)平成を振り返る 30年間のいろいろマネーデータ 株価、為替、…

USドル/円の為替レートの推移(1980~2026年) - 世界経済のネタ帳
1980年から2026年までの詳細な為替レート推移データを年次で確認できる統計資料です。
【1985(昭和60)年9月22日】プラザ合意、急激な円高へ - 楽天証券
プラザ合意の経緯と為替相場への影響について詳しく解説しています。通関業務従事者が歴史的背景を理解するのに役立つ参考資料です。
失敗事例から学ぶ!通関士経験者が見た"やってはいけない"輸入手続き
為替レートの変動を無視した失敗事例が紹介されており、通関業務における為替リスク管理の重要性が具体的に理解できます。


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Hb-130/入門の金融 国際金融のしくみ 1998年6月30日 見る・読む・わかる 外国為替相場と市場のしくみ/L6/70107