あなたが適正に処理した輸出申告でも、書類保存不備だけで還付が全額否認されます。
参考)https://misora-tax.or.jp/exportdutyfree/
輸出企業が受け取る消費税還付制度には「大企業優遇」という批判があります。この仕組みでは、輸出取引がゼロ税率で課税されるため、仕入れ時に支払った消費税がそのまま還付対象になります。
参考)非公開の “不都合な真実”! 還付金をもらった企業“上位 5…
問題は還付金の出所です。輸出大企業に振り込まれる還付金は、下請け企業や仕入れ先が税務署に納めた消費税分を「輸出企業が納めたとみなして」還付している点にあります。つまり、実際に納税したのは別の事業者です。
国は「技術的にできない」として実際の納税者への還付を行わず、輸出企業に一括して還付しています。結果として全国8つの税務署では消費税の税収より還付金が多くなり、赤字となっている事態が発生しています。これが基本です。
参考)https://ameblo.jp/amebooth/entry-12887214461.html
輸出取引は消費税法上「免税」ですが、実は単なる非課税ではありません。ゼロ税率という課税対象として扱われます。
参考)輸出免税とは?消費税の中での位置づけと仕組みをやさしく解説|…
どういうことでしょうか?
ゼロ税率は課税売上に分類されるため、仕入税額控除が適用できます。国内販売なら売上で預かった消費税から仕入時の消費税を差し引きますが、輸出では売上の消費税がゼロ円なので計算結果がマイナスになります。このマイナス分が還付金として戻る仕組みです。
参考)輸出の消費税還付は本当に儲かる?仕組みと手続き、注意点まで解…
具体例を示します。輸出売上300万円には0円の消費税、仕入れ200万円には20万円の消費税が課されている場合、0円-20万円=マイナス20万円となり、この20万円が還付されます。つまり仕入れで払った分が丸ごと返ってくるということですね。
参考)輸出取引の消費税還付の仕組み - 輸出消費税の還付申告(手続…
この仕組みにより、輸出企業は国内でかかった消費税をコストとして抱えずに済み、国際競争力の強化につながります。
消費税還付申請では不正事例が続発しています。税務署の厳格なチェック対象となっているのは、架空輸出取引と仕入税額の過大計上です。
参考)税務署が厳しくチェック!輸出消費税還付の不正申告パターン -…
国税局の調査事例では、ある貿易会社が架空の国内仕入れと架空の輸出売上げを計上し、25億円の追徴課税を受けました。別のケースでは化粧品輸出業者が実在しない外国法人への輸出を装い、架空の免税売上げと課税仕入れを計上して約2,600万円の追徴税額(重加算税込み)となっています。
参考)消費税不正還付、追徴25億円の貿易会社も…福岡国税局管内が4…
どのような手口が使われるのでしょうか?
不正業者は仕入先に依頼して架空の仕入請求書を作成させ、報酬を支払っていました。また、課税売上割合を水増しして本来控除できない非課税売上対応仕入れの消費税まで控除し、約16億円を不正還付したケースもあります。
参考)国税庁・税務調査事例「輸出免税を仮装した多額の消費税不正還付…
税務署は輸出許可書や船荷証券(B/L)などの証憑書類を徹底的に確認し、海外送金記録や仕入先への反面調査を実施しています。国内販売用の仕入れを輸出用と偽って申告した事業者は、300万円以上の追徴課税を受けた事例があります。厳しいところですね。
参考)税務調査でよく見られる輸出消費税還付の不正パターンとその対策…
輸出免税の適用を受けるには証明書類の保存が必須です。保存すべき書類は取引区分に応じて異なり、関税法の輸出許可を受ける貨物には輸出許可書が必要となります。
参考)消費税の輸出免税~証明書類の保存~
保存期間は7年間です。書類の保存がない取引は消費税が課税扱いとなり、還付を受けられません。つまり、適正に輸出処理しても証拠書類がなければ意味がないということです。
通関業務従事者として注意すべきは、輸出許可書だけでなく税関長の証明書や輸出の事実を記載した帳簿も整理する必要がある点です。資産価額が20万円超の郵便物として輸出する物品にも輸出許可書が求められます。
インボイス制度の導入後は、登録番号が記載された適格請求書の保管が必須となりました。特に海外仕入れの場合、輸入消費税の還付には通関書類と共に国内物流業者からの適格請求書が必要です。インボイス要件を満たさない書類では仕入税額控除が否認され、還付がゼロになるリスクがあります。これは使えそうです。
参考)輸出還付金で本当に儲かるのか?消費税還付のメリットと限界
還付を受けるには課税事業者である必要があります。免税事業者のままでは、たとえ輸出取引を行っても還付申請ができません。
参考)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501_qa.htm
どうすれば課税事業者になれるのでしょうか?
「消費税課税事業者選択届出書」を還付を受けようとする課税期間の初日の前日までに所轄税務署長に提出する必要があります。事業を開始した日の属する課税期間であれば、その課税期間中の提出でも大丈夫です。
起業1年目で課税事業者を選択する場合は、事業年度中に届出書を提出しなければなりません。課税事業者になるかどうかは事業1年目の決算前に決定する必要があり、消費税が還付されるかどうかを予測したうえで届け出することになります。
参考)【税理士監修】起業1年目で消費税の還付は受けられる?分かりや…
輸出売上が多い事業者は中間申告制度を利用することで、年に複数回還付を受けることも可能です。申告書には「課税売上高」と「輸出売上高」を明確に区分して記載し、輸出免税の適用を受ける旨を明記することが重要です。
参考)【会計の基本】輸出取引の消費税還付制度を徹底解説! - 中国…
通関業務従事者は顧客企業の課税事業者登録状況を確認し、未登録の場合は早めの手続きを促すことで、還付機会の損失を防げます。これが条件です。
還付制度にはタイムラグによる資金繰り悪化リスクがあります。仕入れ時には消費税を支払いますが、その消費税が還付されるのは申告から数ヶ月先です。
どの程度の影響があるのでしょう?
仕入れが先行するビジネスモデルでは、還付金が入金されるまでの間、一時的に資金が不足する可能性があります。このタイムラグを考慮した資金計画が不可欠です。
また、国内仕入より先に輸出売上が立つと還付額が少なくなります。課税売上割合が95%未満の場合は按分控除で還付額が圧縮されるため、想定より少ない還付金しか受け取れないケースもあります。痛いですね。
輸出取引では売上時の消費税がゼロになるため、仕入れに対して支払った消費税を丸ごと還付申請する形になります。国内販売と比較すると資金効率の面で大きなメリットですが、申告タイミングの最適化が重要です。
参考)消費税還付を受けるための輸出代行活用法|失敗事例から学ぶ制度…
化粧品メーカーの事例では、還付申請の頻度を四半期ごとに設定することでキャッシュフロー改善に成功しています。在庫は保税区を活用して輸出前の国内保管期間を最小化し、仕入税額控除の対象範囲を拡大する工夫も有効です。意外ですね。
参考)インボイス時代の越境EC、消費税還付申告の新常識 - 中国語…
通関業務従事者として顧客の輸出スケジュールと仕入れタイミングを把握し、還付申請の最適化をアドバイスすることで、資金繰り支援につながります。