オルカンは実は為替ヘッジなしの商品です。
オルカンは全世界の株式2615銘柄に投資する投資信託ですが、そのうち海外株式が95%を占めています。日本株式はわずか5%程度しか含まれていません。つまり大部分が外貨建て資産です。
参考)マネイロ
円で購入して円で売却する「円建て商品」であっても、保有する資産の中身はドルやユーロなどの外貨です。このため為替レートが変動すると、円換算での評価額が大きく変わります。
参考)オルカンは為替ヘッジあり・なしどっち?S&P500は円建て・…
通関業務に従事する方は、日々の輸出入業務で為替変動に敏感になっているはずです。為替レートの1円の変動が貿易コストに与える影響を実感しているなら、オルカンでも同じ原理が働くことが理解しやすいでしょう。
具体的な数字で見ると、2024年7月には1米ドル160.93円から150.91円まで約6%円高が進みました。この1ヶ月間で、オルカンの基準価額は為替要因だけで1332円下落しています。基準価額全体の下落1415円のうち、ほぼ全てが為替によるものです。
これは投資額100万円に対して約5%、つまり5万円相当の損失に相当します。東京ドーム1つ分の広さを約4万7千平方メートルとすると、100万円の5%は東京ドーム約1個分の価値が消える計算になります。
為替リスクは株価変動とは別の要因です。
オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)を含む全世界株式型の投資信託には、為替ヘッジありの商品が存在しません。これは商品設計上の特徴です。為替リスクを減らしたくても、オルカンでは選択肢がないということですね。
為替ヘッジとは、為替予約により円高・円安による損益を回避する仕組みです。S&P500など米国株式に特化した投資信託には「為替ヘッジあり」と「なし」の両方が用意されているものもありますが、オルカンは自動的にヘッジなしになります。
実は為替ヘッジにはコストがかかります。ヘッジコストは2通貨間の金利差によって決まり、現在のように日米金利差が大きい環境では高額になりがちです。ヘッジコストが高い状況では、円高リスクを考慮しても為替ヘッジなしの方がリターンは良くなる傾向があります。
参考)円高の1年 オルカン・S&P500 を20%上回った 1年好…
通関業務従事者の方が輸入企業向けに為替予約を提案する場面を想像してください。決済日に合わせて為替レートを銀行と約定することで円貨額を確定させますが、予約手数料や金利差コストが発生します。オルカンで為替ヘッジしないのは、このコストを避けて長期的なリターンを優先する設計だからです。
参考)海外取引の為替リスクと賢い対応策 – りそなBi…
為替ヘッジなし=リスクが高いわけではないという点は重要です。長期投資では為替は上下を繰り返すため、時間分散により為替変動リスクが平準化されます。
オルカンの収益のうち約38%は為替要因によるものだという分析があります。つまり運用成績の4割近くが為替レートの動きに左右されるということです。意外ですね。
参考)『オルカン』の収益の約38%は為替要因です
これは株式の値上がりだけでなく、円安による評価額の押し上げ効果が大きいことを示しています。例えば、株価が10%上昇しても、同時に10%の円高が進めば、円ベースでの利益はほぼゼロになる可能性があります。
参考)オルカンの為替リスクは?ドル建てチャートの特徴は?新NISA…
2024年から2025年にかけて、米ドル円は一時160円台まで円安が進みました。この円安局面でオルカンに投資していた人は、株価上昇に加えて為替差益も享受できたはずです。逆に言えば、円高局面では株価が好調でも基準価額が期待ほど上がらないリスクがあります。
通関業務で輸入申告を扱う際、円高になると輸入コストが下がり企業にとっては有利です。しかしオルカン投資家にとっては、円高は評価額の減少を意味します。この逆相関関係を理解しておくと、資産全体のリスク分散に役立ちます。
具体的には、輸入企業で働く通関業務従事者がオルカンに投資している場合、円高時には「仕事上はコストダウンのメリット、投資では評価損のデメリット」という相殺効果が働きます。これは意図せざるヘッジ効果と言えるでしょう。
38%という数字が示す意味は大きいです。
ドル円が160円から120円まで急落した場合、オルカンの基準価額にどれほどの影響があるのでしょうか。ドル円だけの影響で約19%下落すると試算されています。これに株価の暴落が重なると、基準価額は恐ろしいほど下げる可能性があります。
参考)オルカンは為替リスクがある!円高になったら損する?円安の影響…
具体的なシミュレーションを見てみましょう。ドル円160円のときに毎月2万円ずつオルカンで積み立てを始め、5ヶ月で120円まで円高が進んだ場合、損失は約14%になります。5ヶ月間のトータルでドル円は25%下落していますが、毎月少しずつ積み立てることで下落の影響を抑えられています。
もし一括で100万円を投資していた場合、25%の下落は25万円の損失です。これは軽自動車の中古車1台分の価格に相当します。しかし積立投資なら、円高になるほど多くの口数を購入できるため、損失は14万円程度に抑えられます。
通関業務で決済リスクを管理する際、為替予約を使って将来の決済レートを固定する手法があります。オルカン投資でも同様に、積立投資という「時間の分散」を使うことで、為替変動リスクを軽減できます。
160円から120円への下落は極端なケースですが、過去には類似の変動がありました。2011年から2012年にかけて、ドル円は80円を割り込む超円高を記録しています。地政学的リスクや金融政策の転換により、短期間で大きく為替が動くことは十分あり得ます。
この場合の対策が積立投資です。
通関業務従事者は、日常的に為替変動と向き合っています。輸入申告の際には、インボイス価格を申告日の為替レートで円換算しますし、為替予約の有無によって課税価格が変わることも理解しているはずです。この専門知識はオルカン投資でも活かせます。
例えば、輸出入企業向けに為替マリー(外貨建て決済)を提案した経験があるなら、オルカンの外貨資産保有も同じ発想です。輸出で得た外貨を円に両替せず外貨預金に保有し、輸入の支払い時に使うことで為替リスクを相殺します。オルカンも外貨資産を保有し続けることで、長期的には為替の上下が平準化されます。
参考)【2025年版】為替変動リスク対策の完全ガイド|海外送金コス…
また、為替予約のコスト構造を知っていれば、オルカンに為替ヘッジがない理由も納得できるでしょう。為替予約には内外金利差に相当するヘッジコストがかかり、現在の環境では高コストです。長期投資ではこのコストが積み重なり、リターンを圧迫します。
通関業務で扱う貿易取引では、短期的な為替変動リスクを回避するために為替予約が有効です。一方、オルカンのような長期投資では、時間分散により為替リスクが自然と平準化されるため、あえてヘッジしない選択が合理的になります。
具体的な活用方法として、輸出入の決済タイミングと自身のオルカン投資のリバランスを連動させる戦略も考えられます。例えば、円高が進んで輸入コストが下がった時期は、オルカンの基準価額も下がっているため追加投資のチャンスです。業務で得た為替感覚を投資判断に活かせます。
専門知識を投資に転用できますね。
為替リスクを理解し、適切に対応することで、オルカン投資は通関業務従事者にとって有効な資産形成手段となります。日々の業務で培った為替の知識を活かし、長期的な視点で積立投資を続けることが成功の鍵です。
記事を作成いたします。まず構成を示してから、本文を出力します。
TITLE: 為替レート1ドル円と通関業務への影響と適用タイミング
CATEGORY: tmp
DESC: 通関業務における為替レート1ドル円の適用方法は、輸入申告のタイミングで大きく変わることをご存知ですか?公示レートの仕組みや計算時点の違いを理解することで、関税・消費税額を適切に管理し、申告ミスによる追徴課税リスクを回避できます。あなたの業務は正確に行えていますか?
構成:
通関業務で米ドル建てのインボイスから課税価格を算出する際、適用する為替レートを間違えると関税・消費税の過少申告となり、修正申告や追徴課税が発生します。
参考)輸入申告価格の間違いに気づいた場合
輸入申告日が1週間違うだけで関税額が数万円変わる場合があります。
外国貨物を輸入する際、米ドルなど外貨建てのインボイス価格を日本円に換算するには、税関が公示する「通関用外国為替相場」を使用します。この換算レートは毎週火曜日に公示され、翌日曜日から土曜日まで適用される仕組みです。
例えば、10,000米ドル(約1,000万円規模)のインボイス価格の商品を輸入する場合、換算レートが1ドル145.60円と1ドル150.00円では、課税価格に約44,000円の差額が生じます。関税率10%の品目なら、この差額だけで関税が約4,400円変動する計算です。つまり、円安ドル高が進むということですね。
通関業務従事者は、この換算レートを正確に把握し、輸入申告のタイミングを適切に判断することが求められます。
💡 急激な為替変動時の対処法
為替相場が大きく変動している週は、公示レートの更新タイミングを税関ホームページやNACCS掲示板で確認し、申告日を調整することで課税価格を最適化できます。ただし、貨物の到着から申告までの期間制限には注意が必要です。
あなたが今日見ている為替レートは、通関では2週間後に適用されます。
通関用の換算レートは、関税定率法第4条の7および同施行規則第1条に基づき、「輸入申告の日の属する週の前々週における実勢外国為替相場の当該週間の平均値」に基づいて税関長が公示します。
この「前々週の平均値」という仕組みには重要な意味があります。
例えば、2026年2月9日(日)から2月15日(土)に適用される換算レートは、1月26日(日)から2月1日(土)の実勢レート平均に基づいて2月4日(火)に公示されます。
どうしてこのような仕組みなのでしょうか?
これは、税関が全国統一の公正な換算レートを事前に公示し、輸入者が予測可能な形で申告できるようにするためです。リアルタイムの為替レートを使うと、同じ日でも申告時刻によって課税価格が変動し、公平性が保てなくなります。
📌 NACCS掲示板での確認方法
NACCS(通関情報処理システム)の掲示板では、公示日の午前10時から新しい換算レートを照会できますが、祝休日の影響で公示日が変動する場合や照会可能時間が17時からとなる場合もあるため注意が必要です。
為替レート3円の変動で、100万円の輸入品の税額が約3万円変わります。
2026年1月の米ドル円相場を見ると、1月14日に159.43円の年初来高値を記録した後、1月27日には152.08円まで下落し、わずか2週間で約7円の変動が発生しています。この変動幅は、通関業務において無視できない影響を及ぼします。
参考)アメリカ ドル / 日本 円の時系列・推移 - Yahoo!…
具体的な計算例:
| 項目 | レート① | レート② | 差額 |
|---|---|---|---|
| 課税価格(CIF価格) | 1,520,800円 | 1,594,300円 | +73,500円 |
| 関税(10%想定) | 152,080円 | 159,430円 | +7,350円 |
| 消費税(10%想定) | 167,288円 | 175,373円 | +8,085円 |
| 合計税額 | 319,368円 | 334,803円 | +15,435円 |
この例では、為替レート7円の違いで税額が約15,400円増加します。厳しいところですね。
大量輸入や高額貨物を扱う場合、この差額はさらに拡大します。仮に100万米ドル(約1億5000万円規模)の輸入であれば、同じ7円の変動で税額差は約150万円にも達する計算です。
⚠️ 為替変動リスクへの対策
急激な円安が進行している局面では、可能な限り早期に輸入申告を行うことで、より有利な(円高時の)換算レートを適用できる可能性があります。ただし、インボイス到着や貨物搬入などの手続き上の制約があるため、通関士や乙仲業者と事前に相談しておくことが重要です。
銀行の提示する為替レートを通関申告に使うと、誤申告になります。
銀行の外国為替取引で使われるTTM(仲値)、TTS(対顧客電信売相場)、TTB(対顧客電信買相場)は、通関用の換算レートとは全く別のものです。
参考)外貨建取引に係る税務上の取扱い
各レートの定義:
| レート | 正式名称 | 用途 | 計算方法 |
|---|---|---|---|
| TTM | Telegraphic Transfer Middle rate | 銀行の基準値(仲値) |
銀行間市場の実勢レート |
| TTS | Telegraphic Transfer Selling rate | 顧客が外貨を買うレート | TTM + 為替手数料 |
| TTB | Telegraphic Transfer Buying rate | 顧客が外貨を売るレート | TTM - 為替手数料 |
| 通関レート | 通関用外国為替相場 | 輸入申告の課税価格計算 | 前々週の実勢レート平均 |
例えば、TTMが1ドル105円、為替手数料が1円の場合、TTSは106円、TTBは104円となり、その差は2円です。つまり、(TTS + TTB)÷ 2 = TTM が基本です。
参考)https://www.smbc.co.jp/kojin/money-viva/kihon-no-ki/0026/
税務上、外貨建て取引の円換算は原則としてTTM(仲値)を使用しますが、通関業務では必ず税関公示の換算レートを使わなければなりません。これらを混同すると、課税価格の誤申告となり、修正申告や追徴課税の対象となります。
なぜこのような違いがあるのでしょうか?
銀行レートは金融機関ごとに異なり、1日に何度も変動しますが、通関レートは全国統一で1週間固定されています。この安定性と統一性が、公正な課税と予測可能な輸入コスト計算を可能にしています。
🔍 会計処理と通関の違い
会計上の外貨建て取引は取引日のTTMまたは継続適用を条件とした簡便的レート(月初レートや月平均レートなど)を使用できますが、通関申告では必ず税関公示レートを使う必要があります。両者の区別を明確にしておくことが必須です。
参考)輸入仕入・輸出売上の認識時点及び換算レートに関する会計・税務…
誤った為替レートでの申告は、税関事後調査で必ず指摘されます。
輸入申告価格に誤りがあった場合、税関による事後調査で指摘され、修正申告や追徴課税、場合によってはペナルティが発生します。特に為替レートの誤用は、統計品目番号や数量と並んで誤申告の主要原因の一つです。
参考)仕入価格と申告価格の乖離が問題視される理由
誤申告の主なパターン:
仕入価格と申告価格の乖離が大きい場合、税関から「過少申告ではないか」と疑念を持たれ、調査対象となるリスクが高まります。
修正申告の手順:
申告価格が実際よりも低額だった場合、輸入者は自主的に修正申告を行うことができます。
税関の指摘前に自主的に修正申告を行えば、ペナルティが課されることを回避できる可能性が高くなります。
更正の請求(過大申告時):
逆に、申告価格が実際よりも高額だった場合は、「更正の請求」を行い、過払い税額の還付を受けることができます。この場合も、証拠資料(正しい換算レート、インボイス、契約書など)を明確に提示する必要があります。
⚙️ 日常的なリスク管理
修正申告や更正の請求を迅速かつ適切に行うことが、法的リスクを低減します。
税関の誤びゅう削減資料には、統計品目番号、数量、申告価格、国符号などの誤りに関する具体的な注意事項が記載されており、通関業務の品質向上に役立ちます。
文字数: 約3,200文字