税関官署コード一覧と通関申告先の正しい選び方

税関官署コードとは何か、NACCSで使うC-15コードの一覧から貿易統計の符号表まで、種類と使い分けを徹底解説。コードを間違えると申告がやり直しになることも?正しい知識を確認しましょう。

税関官署コード一覧と通関申告で使う正しい選び方

貨物の蔵置場所と申告先の税関官署コードが別の税関でも通関が成立しますね。


📋 この記事の3ポイントまとめ
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税関官署コードとは?

全国9税関・支署69ヶ所・出張所104ヶ所など各税関官署を識別する数字コード。NACCSの通関申告や貿易統計でそれぞれ異なる体系が使われています。

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NACCSコード(C-15)と貿易統計符号の違い

NACCS掲示板で公開されるC-15コード(CSV)と、財務省貿易統計の「税関符号表」は用途が異なります。申告業務と統計照合では参照先を使い分けるのが基本です。

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申告官署の自由化(2017年〜)

AEO事業者であれば、貨物の蔵置場所を管轄する税関官署以外でも輸出入申告が可能。事務の集約化・コスト削減につながる制度ですが、対象外となる手続きも9種類あります。


税関官署コード一覧とは何か:基本的な定義と役割

税関官署コードとは、日本全国に設置された税関の各官署(本関・支署・出張所・監視署)を識別するために割り当てられた数字のコードです。通関申告や保税管理、貿易統計の集計など、税関に関わるあらゆる手続きで「どの官署に申告するか」「どの官署が管轄か」を特定するために使われます。


令和8年2月時点で、日本には9つの税関本関が存在し、支署69ヶ所・出張所104ヶ所・監視署9ヶ所が全国に配置されています。合計で180を超える官署が存在するため、それぞれを数字コードで管理する必要があるのです。これが官署コードの存在理由です。


コード体系は4桁の数字で構成されており、最初の1桁が税関の区分を示します。たとえば「1」から始まるコードは東京税関の管轄、「2」は横浜税関、「3」は神戸税関、「4」は大阪税関、「5」は名古屋税関、「6」は門司税関、「7」は長崎税関、「8」は函館税関、「9」は沖縄地区税関と対応しています。この区分を覚えておくだけで、コードを見るだけで管轄税関が即座にわかります。


なお、コードの種類は用途ごとに2種類あります。1つはNACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)の通関申告に使う「業務コードC-15」、もう1つは財務省貿易統計で使う「税関符号表(外国貿易等に関する統計基本通達 別紙第2)」です。つまり2種類の使い分けが原則です。


税関の機構(令和8年2月1日現在):税関 Japan Customs ― 支署・出張所・監視署の設置数が確認できる公式ページ


税関官署コード一覧:NACCSのC-15コードの構成と取得方法

NACCSで輸出入申告を行う際、申告書の「あて先官署コード」欄に入力するのがC-15コードです。NACCS掲示板(bbs.naccscenter.com)の業務コード集ページで常時公開されており、CSV形式でダウンロードできます。最終更新は2026年2月2日付で、定期的に改訂されています。これは最新版が基本です。


C-15コードの一例を挙げると以下のとおりです。


| コード | 官署名 |
|------|--------|
| 1000 | 東京税関(本関) |
| 1007 | 東京税関大井出張所 |
| 1012 | 東京税関東京航空貨物出張所 |
| 1030 | 東京税関羽田税関支署 |
| 1040 | 東京税関成田航空貨物出張所 |
| 2000 | 横浜税関(本関) |
| 4000 | 大阪税関(本関) |
| 4040 | 関西空港税関支署 |
| 5000 | 名古屋税関(本関) |
| 5020 | 中部空港税関支署 |
| 6000 | 門司税関(本関) |
| 6040 | 博多税関支署 |
| 8000 | 函館税関(本関) |
| 9000 | 沖縄地区税関(本関) |
| 9070 | 那覇空港税関支署 |


コードには官署コードのほかに「部門コード」も存在します。たとえば通関1部門や監視部門など、同じ官署内でも担当部署が複数あるため、申告の内容によって部門コードも合わせて指定する必要があります。官署コードだけ正確でも、部門コードを誤ると申告が正しく処理されないケースがあります。注意が必要なポイントです。


差分ファイル(amd形式)も別途公開されており、前回更新からの変更点だけを確認できます。官署の新設・廃止・改称は年に数回発生することがあるため、通関業者や輸入業者の担当者は定期的にNACCS掲示板をチェックしておくことで、コードの変更を見逃すリスクを最小化できます。


NACCS掲示板 業務コード集 ― C-15税関官署コード(CSV)の最新版ダウンロード元


貿易統計で使う税関官署コード一覧:符号表の構成と確認先

貿易統計の調査・分析を行う際に使う税関官署コードは、NACCS申告用のC-15コードとは別の「税関符号表」です。財務省・税関が「外国貿易等に関する統計基本通達 別紙第2」として公式サイトで公開しています。つまり参照先が違うということです。


この符号表も4桁の数字体系で構成されており、基本的な体系はC-15コードと共通ですが、一部の細かいコード番号や収録範囲が異なる場合があります。たとえば成田航空貨物出張所は「1040」、東京税関羽田税関支署は「1030」など、空港系の官署が主要貿易港として統計上も重要な位置を占めています。


貿易統計を活用する実務担当者が注意すべき点として、「港符号」と「税関官署コード(符号)」は別の概念であることが挙げられます。港符号は港・空港そのものを指すコード(例:東京港=100)であるのに対し、税関官署コードはその港を管轄する税関の官署を指します。同じ港でも複数の官署コードが存在することがあり、統計データの集計条件を間違えると、全く異なる数字が出てきてしまいます。


日本関税協会のウェブサイトでも、港符号と税関符号を組み合わせた「港符号・税関符号」一覧が提供されており、貿易統計の調査に役立てることができます。統計を扱う機会が多い方は、こちらも参照しておくと作業の精度が上がります。これは使えそうです。


財務省・税関「税関別符号表」 ― 貿易統計用の税関官署コード(符号)一覧の公式ページ


日本関税協会「港符号・税関符号」 ― 港コードと税関官署コードを組み合わせた一覧表


税関官署コードと申告官署自由化:蔵置場所と申告先の関係

多くの実務担当者が「輸入申告は貨物の蔵置場所を管轄する税関官署に対して行うもの」と理解しています。原則はその通りです。ただし、2017年10月8日から「輸出入申告官署の自由化」制度が導入されており、一定の要件を満たすと蔵置場所とは別の税関官署に対して申告できるようになっています。


この自由化制度を利用できるのは、AEO事業者(AEO輸出入者・AEO通関業者)が対象です。AEO事業者とは、税関から「コンプライアンスが優れている」と認定された輸出入者・通関業者のことです。認定を受けることで、たとえば横浜港に蔵置されている貨物の輸入申告を、東京の事務所に近い東京税関に対して行う、といった運用が可能になります。申告の集約化が実現するということです。


自由化申告を行う場合、NACCSの申告書内の「申告先種別コード」欄に「Y:横持ち申告」や「K:横持ち申告(緊急通関貨物)」を入力します。この場合、申告官署コードには蔵置場所とは別の税関官署のコードを入力し、蔵置官署のコードは別途「通関予定蔵置場コード」として入力します。2つの官署コードを正確に使い分けることが求められます。


ただし、自由化申告の対象外となる手続きが9種類あります。代表的なものを挙げると、①マニュアル申告(カルネ手帳による申告を含む)、②武器関連物資等の輸出申告、③KIOSKシステム(窓口電子申告)による申告、④AEO輸出入者の承認を受けていないAEO通関業者の自社申告、などが対象外です。これらの場合は従来どおり蔵置場所を管轄する税関官署のコードを申告先として使用する必要があります。


税関「輸出入申告官署の自由化について」 ― AEO事業者向けの自由化制度の概要ページ


税関官署コードの調べ方:独自視点で見る「更新頻度」と管理の実務

税関官署コードを調べる際、多くの実務担当者はNACCS掲示板やGoogleで「税関官署コード 一覧」と検索して終わり、というパターンが多いです。しかしここに見落とされやすいリスクが存在します。それは、官署コードは「生きているデータ」であり、随時改訂されるという点です。


NACCS掲示板のC-15コードは、直近では2026年2月2日に更新されています。税関の組織改編や新たな空港の開港、出張所の廃止・統合などが発生するたびに、コードの追加・削除が行われます。たとえば過去には空港税関支署の新設に伴い、新しいコードが追加された実績があります。古いコードを使い続けると、NACCS上でエラーが発生したり、申告が受理されなかったりするリスクがあります。


差分ファイル(amd形式)を活用することが、更新管理の手間を大幅に削減します。NACCS掲示板では、最新の全量データに加えて「前回との差分」だけを収録したCSVも公開されています。毎回全量ファイルをダウンロードして比較する必要がなく、差分ファイルだけ確認すれば変更点をすぐ把握できます。これは使えそうです。


もう一点、あまり知られていない情報として、C-15コードとは別に「GKA業務における使用場所管轄官署コード一覧(C-39)」というコードも存在します。これはGKA業務(外国貨物の搬出入等)で使用場所の管轄官署を指定する際に使うもので、都道府県・市区町村別に整理されたExcelファイルとして公開されています。通常の輸出入申告ではあまり使いませんが、保税業務や内陸の蔵置場所を管轄する官署を特定するときに役立ちます。


実務上のコード管理として有効なのが、定期的なシステムへの反映確認です。通関業務システムや輸入管理ツールにNACCSコードを取り込んでいる場合、コード更新後にシステム側の対応が済んでいるかを確認する習慣を付けることが、申告エラーの未然防止につながります。確認を1ステップで終わらせるのが条件です。


NACCS掲示板 C-39「GKA業務における使用場所管轄官署コード一覧」(Excel形式) ― 都道府県・市区町村別の管轄官署コードを確認できるファイル