士業一覧難易度と合格率比較から通関士キャリア戦略まで

通関士を含む士業の難易度は合格率だけで測れない。実務経験要件や登録費用、資格維持コストまで含めた本当のハードルを知らないと、せっかくの資格が活かせないことも。あなたの選択は正しいですか?

士業一覧難易度

通関士の資格取得後、実務経験がなくても登録できるから安心だと思っていませんか?

この記事の3つのポイント
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士業の真の難易度は合格率の裏にある

合格率10%台の資格でも実務経験2年以上や登録費用15万円以上が必要な場合がある

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資格維持にかかる隠れコスト

士業によっては年間維持費が60万円を超え、合格後の費用負担が重い

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通関士のダブルライセンス戦略

貿易実務検定やEPAビジネス実務検定との組み合わせでキャリアの選択肢が広がる

士業の難易度ランキング一覧と合格率


士業の難易度を測る指標として、合格率は重要な目安になります。例えば司法書士の合格率は毎年4~5%と一桁台で推移しており、税理士は21.7%、通関士は15.6%が近年の平均です。
参考)士業資格の難易度・年収ランキング!8士業・10士業にて比較【…


つまり合格率だけで見ると、司法書士が最難関ということですね。
しかし難易度の真の姿は、合格率だけでは見えません。必要な勉強時間も大きな判断材料になります。司法書士や税理士は2,000時間以上、通関士は400~500時間が目安とされています。通関士は宅建士の300時間よりやや多く、法律系資格の中では中程度の難易度といえます。
参考)通関士の難易度とは?他の資格とのランキング、勉強時間や独学に…


ただし注意すべきは、合格後の実務経験要件です。税理士は試験合格に加えて2年以上の実務経験が必須で、公認会計士は3年以上の業務補助または実務従事が求められます。一方、通関士には実務経験要件がなく、試験合格後すぐに登録可能な点が特徴です。
この違いが資格取得までの実質的なハードルになります。

士業資格の登録費用と維持コスト

資格試験に合格しても、登録費用と年間維持費が大きな負担になるケースがあります。例えば弁護士は登録費用が6万円程度ですが、年間維持費が60万円にも達します。
参考)資格取得後にかかる士業の登録費用。入会金と維持費が高すぎ!

痛いですね。
行政書士の登録費用は26万円と高額で、税理士も登録費用15万円に加えて年間維持費が発生します。土地家屋調査士の場合、登録・入会費の総額が19万円~24万円程度かかり、内訳は登録費用12万~17万円、入会金5万円程度、会費1~2万円程度です。
参考)土地家屋調査士の登録費用はいくらぐらい? 合格後の手続きにつ…


通関士の登録費用は他の士業と比較すると比較的低めに抑えられています。
資格取得を目指す際は、試験勉強の費用だけでなく、登録後にかかる費用も事前に把握しておく必要があります。特に独立開業を目指す場合、初期投資として登録費用や維持費を計算に入れておかないと、せっかく資格を取得しても活用できない事態になりかねません。弁護士のように高い維持費がかかる資格は、安定した収入源を確保できるまで負担が続きます。

士業の実務経験要件と試験合格後の道のり

士業の中には試験合格だけでは登録できず、実務経験を積む必要がある資格が複数あります。税理士法第3条によると、税理士として登録するには試験合格に加えて通算2年以上の実務経験が必須です。
参考)税理士登録には実務経験2年以上が必要!計算の仕方、証明書類、…


実務経験の時期は問われません。
税理士試験の受験前、受験中、合格後のいずれでも実務経験として認められるため、会計事務所や税理士法人で働きながら試験勉強を進めるケースが多いです。公認会計士も同様に、試験合格の前後を問わず3年以上の業務補助または実務従事が求められます。
参考)公認会計士登録に必要な実務経験、監査法人以外でも可能?|【マ…


社会保険労務士は試験合格と2年の実務経験が登録要件となっています。
参考)https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/benrishi_shoi/document/seisakubukai-02-shiryou/shiryou_2-6.pdf

一方で通関士には実務経験要件がないため、試験合格後すぐに登録申請が可能です。この点は、すぐに資格を活用したい人にとって大きなメリットといえます。実務経験を積む場所が限られる士業の場合、就職先を見つけることが資格取得の実質的なハードルになることもあります。
実務経験の証明には、勤務先代表者からの「在職証明書」が必要です。
参考)税理士登録に必要な実務経験とは?業務内容や証明方法も解説。|…


通関士と他士業の難易度比較と勉強時間

通関士試験の合格に必要な勉強時間は、初学者で400~500時間が目安とされています。1日3時間勉強する場合、約4~6ヶ月かかる計算です。
参考)通関士合格への勉強時間の目安とは?勉強方法まで徹底解説|生涯…


宅建士試験の300時間程度と比べると、やや難易度が高めですね。
通関士試験の特徴は、税関や輸出入といった一般にはなじみのない専門知識が必要な点です。そのため同じ法律系資格でも、日常生活に関連する知識が多い宅建士より難しいと感じる受験者が多くなっています。​
一方で司法書士、税理士、社会保険労務士といった1,000時間以上の学習が必要な資格と比較すると、通関士の難易度は中程度といえます。​
合格率で見ても、通関士は平均15.6%、宅建士は10~20%前後と同程度の水準です。ただし合格率は受験者層の質にも左右されるため、数値だけで単純比較はできません。通関士試験は3科目構成で、通関業法関税法等、通関実務の各科目で基準点をクリアする必要があります。
参考)通関士になるには?難易度はどれくらい?合格率や合格に必要な勉…

特に通関実務は対策に時間がかかるため、勉強時間の配分が合格のカギになります。​

通関士資格とダブルライセンス戦略

通関士資格を取得した後、さらなるキャリアアップを目指すならダブルライセンスが有効な戦略になります。貿易実務検定は通関士との相性が抜群で、C級(初級)、B級(中級)、A級(上級)の3段階があります。
参考)通関士×ダブルライセンス!貿易業界でキャリアアップするおすす…

受験資格はありません。
貿易実務検定では貿易実務、貿易英語、国際物流、決済手続きが出題範囲となり、通関士の知識と組み合わせることで貿易実務全般を網羅できます。転職市場での競争力が大きく向上し、企業からより魅力的な人材として評価されるでしょう。​
EPAビジネス実務検定も通関士におすすめの資格です。
EPAの基礎知識、特定原産地証明の手続き、関税の優遇措置が試験範囲で、EPA業務の専門家として市場価値が高まります。行政書士とのダブルライセンスも選択肢の一つで、貿易コンサルタントとして独立開業が可能になります。通関士資格と行政書士を組み合わせることで、企業の許認可申請サポートまで対応できる範囲が広がります。​
安全保障貿易管理者も検討に値する資格です。​

通関士のキャリアパスと活躍分野

通関士のキャリアは通関業者だけに限られません。倉庫・運輸会社、メーカー、商社という主要4つのキャリアパスがあり、それぞれ異なる強みと経験が得られます。
参考)通関士のキャリアパス徹底解剖!通関業者からメーカー、商社まで…

通関業者では通関の専門性を極める王道ルートです。
倉庫・運輸会社に所属する通関士は、通関業務だけでなく貨物の輸送や保管といった物流全体の流れを俯瞰的に管理する役割を担います。国際一貫輸送のスペシャリストとして、最適な輸送ルートの選定から契約内容のレビューまで幅広く対応します。​
メーカーでは自社製品の輸出入管理(荷主通関)を担当し、特定分野の製品知識が深まります。​
一つの組織で腰を据えて働きたい人に向いているキャリアパスといえますね。商社では貿易の最前線でグローバルに活躍するエキスパートとして、L/C(信用状)の取り扱いや取引全体が円滑に進むよう戦略的にサポートする役割が求められます。高い語学力と交渉力、幅広い貿易・法務知識が必要な、非常にチャレンジングなキャリアです。​
豊富な実務経験を積んだ通関士は、物流コンサルタントとして独立する道もあります。​




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