据付費は支払手数料じゃない。
固定資産の取得原価に算入が原則です。
据付費は固定資産を取得する際に発生する付随費用の一つです。購入した減価償却資産の取得価額は、購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用との合計額とされています。
参考)付随費用とは? 固定資産税や不動産取得税の経理処理を解説
具体的には、機械や備品を購入した際の据付費は、その機械の取得価額を構成する費用に該当します。つまり据付費は固定資産の本体価格に加算が基本です。
参考)https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/27/01.htm
正当な理由がある場合を除き、買入手数料、運送費、荷役費、据付費、試運転費等の付随費用は購入代金に加えて取得原価とします。
これが会計の原則ですね。
参考)有形固定資産 第2回:取得原価の決定
付随費用を取得原価に含める理由は、その資産を使用可能な状態にするために必要な支出だからです。
据付けなしでは機械は稼働できません。
法人税法施行令第54条第1項第1号でも、引取運賃や据付費は取得価額を構成すると明記されています。
実際の仕訳では、機械本体と据付費をまとめて固定資産勘定に計上します。たとえば、本体価格200万円の機械を購入し、据付費が20万円かかった場合を考えましょう。
参考)固定資産を購入した時の仕訳の基礎
この場合の仕訳は以下のようになります。
据付費20万円を支払手数料として経費計上してはいけません。
固定資産の取得価額に含めるのが正解です。
ただし例外もあります。10万円未満の資産なら消耗品費として一括経費処理が可能です。
参考)棚を購入、設置した場合の勘定科目についてわかりやすく解説
10万円以上20万円未満なら一括償却資産として3年で均等償却できます。20万円以上の場合は工具器具備品や機械装置として通常の減価償却を行います。
青色申告の中小企業なら、30万円未満の少額減価償却資産の特例が使える場合もあります。
この特例を使えば一括で経費計上が可能です。
原則は取得原価算入ですが、正当な理由があれば付随費用の一部または全部を加算しないことができます。どういう場合が例外なんでしょうか?
参考)取得原価とは?概要や計算方法、活用ポイントを簡単に・わかりや…
取得原価に含めないことができる費用として、国税庁は以下を例示しています。
参考)No.5400 減価償却資産の取得価額に含めないことができる…
据付費自体は上記に該当しないため、基本的に取得原価算入が必要です。
ただし、購入後の大規模な改修や移設に伴う据付費は、資本的支出として別途判断します。通常の修繕費か資本的支出かで処理が変わりますね。
借入金利息は、固定資産取得のための特別な借入れであっても取得原価に算入する必要はありません。
据付費とは扱いが異なります。
参考)固定資産の取得価額に含めるもの/含めないもの - 税理士法人…
輸入貨物に関する据付費の扱いは、国内取引とは異なる点に注意が必要です。関税定率法では、輸入貨物の課税価格に算入する費用が定められています。
参考)課税価格の考え方 3
課税価格に算入する費用は「当該輸入貨物が輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用」です。
据付費は輸入後の作業です。
つまり、輸入港到着後の国内据付費は関税の課税価格には含まれません。国内での付随費用として固定資産の取得原価に算入します。
輸入通関時の仕訳では、関税は仕入勘定、輸入消費税は仮払消費税等で計上します。通関料は支払手数料として処理するのが一般的です。
通関代行業者への手数料は、輸入通関料(8,600円または11,800円)と輸入取扱料金(10,000~30,000円程度)に分かれます。
これらは据付費とは別の費用ですね。
据付費を含む付随費用は、固定資産の種類によって取得原価への算入基準が異なることがあります。建物、機械、車両など、資産の性質に応じた判断が必要です。
税務調査では、付随費用の取り扱いが重点的にチェックされます。据付費を誤って支払手数料で経費計上すると、減価償却計算が狂います。
固定資産の取得価額が変われば、減価償却費も変わります。結果として、課税所得の計算に影響を及ぼすことになりますね。
適切な処理を行うには、請求書や領収書を保管し、どの費用が固定資産の取得に直接関係するか判断できる証拠を残すことが重要です。
疑問がある場合は、顧問税理士に相談するか、国税庁の『質疑応答事例』を参照することをおすすめします。会計ソフトでの勘定科目設定も確認しましょう。
国税庁:特別償却の適用を受ける機械の引取運賃、据付費(据付費が取得価額を構成する費用に該当することを解説)
EY:有形固定資産 第2回:取得原価の決定(付随費用の具体例と会計処理の原則を詳述)
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