過去に違反歴のある製造所の食品は、初回と同じ扱いで100%検査が実施されます。

関西空港検疫所食品監視課は、大阪府泉南市の関西空港地方合同庁舎4階に設置されており、管轄対象は「関西国際空港に限る」と明確に規定されています。 同じ大阪府内でも大阪港経由の輸入食品は、大阪検疫所食品監視課(大阪市港区)の管轄となります。つまり、同じ荷主・同じ輸入者であっても、貨物が入る港・空港によって届出先が異なります。これは基本です。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/soudan/)
窓口の開庁時間は8:30〜21:00(毎日・土日祝を含む)です。 輸入前相談の専用窓口は別番号(072-455-1295)があり、受付時間は平日8:30〜17:00のみと制限されています。 通関業者が代理で届出書を提出する場合、業務時間外でも届出自体は受け付けられますが、事前相談は平日日中しか対応していない点は現場でよく見落とされます。 forth.go(https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/syokuhin/syokuhin%20top/syokuhintop.html)
また、食品監視課は国際貨物地区に位置しているため、担当者が直接訪問する際には事前に「一時立ち入り申請」を関西エアポートへ提出する必要があります。 一般的な官庁窓口と同じ感覚でアクセスしようとすると、入構できないというトラブルが発生します。バスのルートも「給油地区行き」の「機内食前」バス停下車後、徒歩5分と特殊な動線です。 forth.go(https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/syokuhin/syokuhin%20top/syokuhintop.html)
食品衛生法第27条は、「販売又は営業上使用する目的」で輸入するすべての食品等について、輸入の都度、厚生労働大臣への届出を義務づけています。 届出対象は食品・食品添加物だけでなく、器具、容器包装、乳幼児用おもちゃ(厚生労働大臣が指定するもの)まで及びます。 forth.go(https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/syokuhin/syokuhin%20top/index02.html)
注意が必要なのは「個人使用のお土産等は除きます」という例外規定の解釈です。 あくまで個人消費が目的の少量土産品に限られており、例えば友人への販売目的や知人への大量頒布を意図したものは届出対象になります。通関現場では「自分用」と申告されたものが後から問題になるケースがあります。 pref.osaka.lg(https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/19091/2016092720kusunoki-hirofumi.pdf)
食品等輸入届出書の提出は、FAINS(輸入食品等届出・審査システム)を使ったオンライン申請が可能です。 ただし事前に利用者登録が必要で、登録なしには使えません。届出書類を紙媒体で郵送する場合は「届出書2部」と「返信用封筒(運送料金を満たすもの)」を同封する必要があります。 この返信用封筒の準備を忘れると、処理が遅延するという現場あるあるの失敗が起こります。これは使えそうです。 forth.go(https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/syokuhin/syokuhin%20top/index02.html)
届出を受け付けた食品監視課は、まず全件について書類審査を実施します。 食品衛生監視員が届出書の品目・輸出国・製造者・製造所・原材料・製造方法・添加物等を確認します。不適事例としては「我が国で使用が認められていない添加物の使用」「製造基準不適合」「輸出国の衛生証明書の不添付」などがあり、これらが確認されれば即座に積戻し・廃棄等の指示が出ます。 pref.osaka.lg(https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/19091/2016092720kusunoki-hirofumi.pdf)
書類審査の後、必要と判断されれば現場検査に移行します。 現場では食品衛生監視員が保税倉庫等に出向き、外観確認・検体採取を行います。確認事項は魚類における毒魚混入の有無、牛肉における危険部位の混入、腐敗・カビの状態などです。 pref.osaka.lg(https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/19091/2016092720kusunoki-hirofumi.pdf)
そして最終段階が試験検査による確認です。 残留農薬・動物用医薬品・食品添加物・病原微生物(腸管出血性大腸菌・腸炎ビブリオ等)・アフラトキシン等のカビ毒・放射線殺菌の有無など、科学的検査が行われます。厳しいところですね。検査に合格した食品等のみが通関手続きに進むことができ、不合格の場合は積戻し・廃棄・食用外転用のいずれかとなります。 forth.go(https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/syokuhin/syokuhin%20top/index02.html)
通関実務で重要なのは、3種類の検査が「強制力」と「タイミング」において全く異なる点を理解することです。まず「検査命令」は、厚生労働大臣が国・品目を指定して行う100%検査です。 過去に食品衛生法違反となった製造所の再輸入品や、初めて日本に輸入される貨物も100%検査の対象となります。 1件でも通過させるわけにはいかない、という姿勢が条件に表れています。 pref.osaka.lg(https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/19091/2016092720kusunoki-hirofumi.pdf)
「指導検査」は輸入者が行う検査ですが、全量を保税区域に留め置いた状態で実施する必要があります。 結果が出るまで貨物は動かせません。これが通関スケジュールに影響するポイントです。繰り返し輸入される貨物(生鮮食品を除く)については半年に1回程度、生鮮食品はシーズン初めと終わりに定期的に実施されます。 maff.go(https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/attach/pdf/kentoukai-57.pdf)
「モニタリング検査」は合格食品の中からも実施される常時監視の仕組みです。 基本的には「1%の違反食品が混入していると仮定した場合、それを95%の確率で発見できる件数」という統計的根拠に基づいて検査数を設定します。 違反にならない水準でも数値が高ければ検査率を引き上げることがあり、最大で100%検査に移行するケースもあります。モニタリング検査での引っかかりは数字でわかります。 pref.osaka.lg(https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/19091/2016092720kusunoki-hirofumi.pdf)
参考:関西空港検疫所食品監視課の輸入届出手続きに関する公式案内。届出書の様式・記入例・手続き流れが掲載されています。
関西空港検疫所食品監視課 輸入食品の届出手続きについて(厚生労働省検疫所)
通関業者が輸入者の代理として食品等輸入届出書の提出を代行することは認められています。 ただし、これはあくまで「事務手続きの代行」です。食品衛生に関する情報の収集と安全性の最終責任は、輸入者本人にあることが明記されています。 この点を輸入者に明確に伝えておかないと、違反発覚時に「通関業者が書類を整えたから安全だと思った」という誤解が生じ、トラブルに発展します。 forth.go(https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/syokuhin/syokuhin%20top/index02.html)
責任の所在という観点で見ると、食品衛生法違反が確認された場合、輸入者に対して積戻し・廃棄等の指示が出ると同時に、再発防止対策の報告義務が生じます。 同一製品を再度輸入する際は、改善が図られたことを確認する義務が輸入者に課されます。つまり違反一件で、次回輸入の際の手続きコスト・検査コストが大幅に増加するということです。金額・時間ともに大きなデメリットです。 pref.osaka.lg(https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/19091/2016092720kusunoki-hirofumi.pdf)
通関業者として事前に対応できるベストプラクティスは、輸入前相談の活用です。 品目・輸出国・製造者・原材料・製造方法・添加物の情報を事前に整理して、輸入前相談窓口(072-455-1295)に相談することで、後の検査命令リスクを事前に把握できます。相談対応は平日8:30〜17:00のみが条件です。 forth.go(https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/syokuhin/syokuhin%20top/syokuhintop.html)
参考:厚生労働省による食品等輸入届出受付窓口の全国一覧。関西空港検疫所の担当管轄範囲(関西国際空港に限る)が確認できます。
通関業従事者の多くがFAINSの障害やメンテナンス時の代替手順を軽視しています。これが現場の盲点です。厚生労働省はGWや年末年始など長期休暇中、FAINSの問い合わせ窓口と担当窓口が通常と異なる連絡先に切り替わります。 2025年のGW期間中の案内では、関西空港検疫所ではなく「東京検疫所羽田空港検疫所支所」や「中部空港検疫所支所」が問い合わせ先に指定されていた事例があります。 bbs.naccscenter(https://bbs.naccscenter.com/data/code/fains/fains_oshirase/2025FAINSGW.pdf)
つまり、長期連休中に関空から輸入予定の食品があった場合、連絡先が関空食品監視課ではなくなることがあるということです。これは盲点ですね。輸入スケジュールが連休をまたぐ場合は、事前に当該期間の問い合わせ先を確認することが必須になります。
さらに、FAINSのヘルプデスクは24時間対応(0120-794-550)で稼働していますが、これはシステム操作に関する問い合わせ専用であり、食品衛生法の規制内容や届出可否の相談には対応しません。 「システムは使えるのに、審査の判断を仰ぐ窓口が開いていない」という状況が生じ得ます。業務継続の観点から、連休前に届出処理を完了させるスケジュール管理が重要です。緊急の輸入案件ほど、この確認をあらかじめ済ませておくだけで大きなリスク回避になります。 bbs.naccscenter(https://bbs.naccscenter.com/data/code/fains/fains_oshirase/2025FAINSGW.pdf)
参考:NACCSセンターが公表するFAINS関連情報。GW期間中の窓口変更案内など実務上重要な通達が掲載されています。
FAINS GW期間中の問い合わせ窓口変更案内(NACCSセンター)