mate's receipt とは何か基本と実務の注意点

mate's receipt(M/R)とは在来船での貨物受取証のこと。通関業者が実務で押さえておくべき発行タイミング、B/Lとの関係、クレームリスクまでを詳しく解説します。あなたは正しく使いこなせていますか?

mate's receipt とは:本船貨物受取証の基本と実務

mate's receipt(M/R)3つのポイント
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本船が発行する貨物受取証

在来船への積込み完了後、一等航海士(Chief Mate)が署名して荷送人に交付する書類。略称はM/R。

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B/L取得の前提書類

荷送人はM/Rを船会社に提示することで、はじめて船荷証券(Bill of Lading)の発行を受けられる。

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記載内容が後のB/Lに直結

M/Rに貨物の損傷・数量相違などの注記(Remarks)があると、「Foul B/L(故障付船荷証券)」が発行され、貿易決済に支障をきたすリスクがある。


M/Rに傷の記載が1行あるだけで、あなたが扱う決済が丸ごと差し止まります。


mate's receipt とはどんな書類か:定義と正式名称



mate's receipt(メイツレシート)とは、在来船(コンベンショナル・ベッセル)に貨物が積み込まれた際に、本船の一等航海士(Chief Mate)が発行する貨物受取証のことです 。略称は「M/R」で、日本語では「本船貨物受取証」「本船受取証」などとも表記されますが、いずれも同じ書類を指しています 。 jaibo(https://jaibo.jp/2020/01/17/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%84%E3%83%AC%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88/)


発行主体は船長を代理する一等航海士(Mate)であるため、「Mate's(航海士の)Receipt(受取証)」という名称になりました 。コンテナ貨物の場合はDock Receipt(D/R)が対応する書類となり、M/Rはあくまで在来船特有のドキュメントです 。 a-ha(https://www.a-ha.io/questions/4753a4f8ef69dadeaa217d83606b30e7)


つまりM/Rは在来船限定です。


M/Rには、荷送人・荷受人の情報、貨物の種類・数量・重量・容積・状態、積込み日付・積出港・仕向港、船名・航海番号などが記載されます 。 doubtnut(https://www.doubtnut.com/pcmb-questions/45087)


M/Rに記載される主な情報
項目 内容
荷送人・荷受人 Shipper / Consignee の名称・住所
貨物情報 品名・数量・重量・容積・梱包状態
積込み情報 船名・航海番号・積出港・仕向港・積込み日
貨物の状態 外観上の損傷・数量相違などの注記(Remarks)


mate's receipt の発行タイミングと実務フロー

実務上、M/Rが発行されるのは在来船への積込み作業が完了した段階です 。積込み作業中は、本船側と荷送人の双方が選んだ立会人(検数人)のもとでタリーシート(Tally Sheet)が作成され、その数字を根拠に一等航海士がM/Rに署名します 。 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/glossary/m/mr-mates-receipt.html)


発行後の流れはシンプルです。港湾当局(Port Trust)へいったん渡り、港湾使用料などの支払いが確認された後、通関業者海貨業者がM/Rを受け取ります 。荷送人はそのM/Rを船会社に呈示し、引き換えに船荷証券(Bill of Lading)を受け取ります 。 kotobank(https://kotobank.jp/word/%E3%82%81%E3%83%BC%E3%81%A4%E3%82%8C%E3%81%97%E3%83%BC%E3%81%A8-141496)


これが原則です。


実際の窓口業務では、荷送人本人ではなく、委託を受けた海貨業者・通関業者がM/R関連の手続きを一括して代行するのが一般的です 。通関業者としては、M/RがB/L発行の直接の前提書類であることを常に念頭に置いておく必要があります。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-010718.html)


JETROの貿易・投資相談Q&Aでは、ドックレシートとメーツレシートの違いを含む実務的な解説が確認できます。


JETRO「ドック・レシート、メーツ・レシート」Q&A(在来船・コンテナ船の使い分けも解説)


mate's receipt のClean・Foulの違いと通関への影響

M/Rで特に重要なのが、「Clean(クリーン)」か「Claused(クローズド)/Foul(ファウル)」かの区別です。積込み時に貨物が良好な状態であれば、一等航海士は何も備考を記入しないクリーンなM/Rを発行します。その場合、後発行されるB/LもClean B/Lとなり、信用状(L/C)決済で問題なく使用できます 。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=5ZcESH7_uq8)


反対に、荷物の外装に破損・濡れ・数量相違などが認められた場合、M/RにRemarks(注記)が付されます。これが「Claused M/R」です。この時点で発行されるB/LはFoul B/L(故障付船荷証券)となり、多くの信用状では受付を拒否されます 。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=5ZcESH7_uq8)


Foul B/Lは決済リスクに直結します。


通関業者の立場では、M/Rを船会社に提出する前にRemarks欄に余計な注記がないか必ず確認することが肝要です。万一Foul M/Rが発行された場合、荷送人と船会社の間での「損傷状況の確認→補修またはL/G(Letter of Guarantee)の差し入れ→クリーンB/L取得」という交渉が必要になることがあります。


mate's receipt とDock Receiptの実務上の使い分け

現代の国際海上輸送は約80〜90%以上がコンテナ輸送であり、M/Rを実際に扱う機会は以前と比べて大幅に減りました。コンテナ貨物の場合はM/Rに代わり、コンテナヤード(CY)への搬入時に「Dock Receipt(D/R)」が発行されます 。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-010718.html)


コンテナ輸送が主流の今、M/Rを使う機会はレアです。


ただし、プラント設備・大型機械・重量物・木材・穀物・バルク貨物など、コンテナに収まらない貨物の輸送では、在来船が現役で使われています。こうした重量物輸送や特殊貨物を扱う通関業者は、M/Rの手続きについて実務的な知識を持っておく必要があります。D/RとM/Rを混同して誤った書類フローを踏んでしまうと、B/L発行が遅延し、輸出申告との整合性に問題が生じるリスクがあります。


M/R と Dock Receipt の比較
項目 Mate's Receipt(M/R) Dock Receipt(D/R)
対象船種 在来船(Conventional Vessel) コンテナ船
発行タイミング 本船への積込み完了後 コンテナヤード(CY)搬入時
発行者 一等航海士(Chief Mate) コンテナターミナル担当者
次のステップ M/RをもとにB/L発行 D/RをもとにB/L発行


mate's receipt に関する実務トラブルと通関業者が押さえるべきリスク管理

M/Rに関連するトラブルで最も多いのが、「積込み前の貨物状態の確認不足」です。梱包に問題がある状態で貨物を持ち込んでしまうと、現場でRemarks付きのM/Rが発行され、そのまま進めるとFoul B/Lになってしまいます。L/C決済案件であれば、銀行から書類の差し戻しが発生し、輸出代金の回収が遅れる事態になります。


次に多いのが「M/Rの紛失・未回収」です。M/Rは貨物の権利に直結する書類であり、港湾当局での受け取り遅延や担当者間の連絡ミスで手続きが止まることがあります。M/Rは自由に譲渡できる書類(freely transferable)であるため、第三者に渡った場合のリスクも念頭に置く必要があります 。 sotaydoanhtri(https://sotaydoanhtri.com/thuat-ngu/mates-receipt-19267/)


書類管理は入念に行うことが基本です。


また、M/Rに記載された数量・重量が輸出申告書と一致していない場合、税関へ申告した内容との齟齬が発覚し、修正申告や調査対象となるリスクがあります。通関業者としては、タリーシートの数字とM/Rの数字を突き合わせ、輸出申告書との整合性を必ず確認する習慣をつけることが、法的リスクの回避につながります。


貿易実務・通関士試験向けの用語解説として、日本貿易実務機構(JAIBO)のサイトも参考になります。


JAIBO「メイツレシートとは?」(発行フローと実務上の注意点を解説)


物流用語集では、船会社目線でのM/Rの位置づけも確認できます。


日通NECロジ 物流用語集「M/R(Mate's Receipt)」(在来船とコンテナ船の比較も掲載)






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