「お届け済み」表示なのに荷物が届かず、関税を余分に払った人がいます。
EMS(国際スピード郵便)の荷物には、必ず13桁の「お問い合わせ番号」が付与されます。この番号は「アルファベット2文字+9桁の数字+アルファベット2文字」という構成になっており、たとえば「EH123456789JP」のような形をしています。最初の2文字が郵便物の種類(EMSはEAまたはEHなど)を、末尾の2文字が差出国(JPなら日本)を示す仕組みです。
追跡番号が正しいのに検索できないというケースが起きることがあります。これは、番号の形式が異なる場合に起こりやすいです。たとえば「CNG+14桁」や「LP+14桁」のような形式は、日本郵便の追跡サービスでは照会できません。また、税関告知書(CN22)に印字されたバーコード番号(Uから始まるもの)は追跡専用の番号ではないため、これで検索しても結果が出ません。追跡できない場合はまず番号の形式を確認することが基本です。
追跡は日本郵便の「郵便追跡サービス」(https://trackings.post.japanpost.jp)から行えます。日本国内に荷物がある間は比較的リアルタイムに更新されますが、海外配送中は情報更新が遅れる場合があります。これは意外ですね。
日本の追跡サービスで情報が出ない場合でも、「海外の郵便局リンク」(https://www.post.japanpost.jp/int/ems/delivery/link.html)から相手国の追跡ページを直接検索すると、より詳細な情報が得られる場合があります。海外在住の受取人に荷物を送る際は、このリンクを共有しておくと安心です。
参考:EMS追跡番号の種類や形式について詳しく解説されています。
参考:日本郵便公式の追跡サービス注意点・例外ケースがまとめられています。
荷物を追跡していると、「通関手続き中」というステータスで何日も動かなくなることがあります。これは決して珍しいことではありません。
「通関手続き中」とは、荷物が日本の国際交換局(税関も兼ねる施設)に到着し、輸入審査を受けている状態です。通常は2〜5日程度で次のステータスに進みます。しかし、以下のような原因があると1週間以上かかることもあります。
- 🚫 輸入禁止・規制品が疑われてX線や開封検査になっている(例:食品、動植物、模倣品の疑いがある商品)
- 📄 インボイス(内容品明細書)の記載に不備・ミスがある(品名が不明確、金額が空欄など)
- 📬 税関から「外国から到着した郵便物の税関手続のお知らせ」のハガキが届いている(受取人が返送や連絡をしないと前に進まない)
- 💰 関税や消費税の課税対象となり、課税処理のための確認が必要になっている
- 🗓️ 土日・祝日を挟んでいる(一部の処理が平日のみとなる国際交換局がある)
- ✈️ 航空便の混雑・遅延が発生している(特に年末年始やセール期間後)
- 🔁 保税運送中(最寄りでない国際交換局に到着し、担当局への転送中である状態)
特に見落としやすいのが「税関手続のお知らせ」ハガキです。このハガキが手元に届いているのに気づかないまま、追跡が数週間動かないというケースが実際に起きています。追跡が5日以上止まっている場合は、郵便受けをまず確認しましょう。
問い合わせが必要な場合は、国際郵便のお客様サービス相談センター(一般電話:0120-5931-55)に追跡番号を手元に用意して電話するのが確実です。全国6カ所の国際交換局ごとに担当の税関出張所もあります。たとえば川崎東郵便局担当の税関は横浜税関川崎外郵出張所(044-270-5780)、東京国際郵便局担当は東京税関東京外郵出張所(03-5665-3755)です。
つまり、止まったらまずハガキを探すのが基本です。
参考:「通関手続き中」の意味から問い合わせ先まで詳しく解説されています。
「通関手続中」から届くまでの日数。2回以上表示されるのはなぜ?(Wise)
参考:追跡が動かない7つの理由と対処法が具体的にまとめられています。
EMS通関手続中のまま動かない!7つの理由と日数目安・問い合わせ先
EMS(国際スピード郵便)で荷物を受け取る際、関税や消費税がかかるかどうかは「課税価格の合計額」によって決まります。ここは関税に興味がある方にとって特に重要な部分です。
日本の税関では、課税価格の合計額が1万円以下の輸入物品については、関税および消費税が免税となります。これは「少額免税制度」と呼ばれるもので、個人が海外から少量の商品を受け取る場合に広く適用されます。ただし、酒類・たばこ・革製品など一部の品目は1万円以下でも免税の対象外です。
注意が必要なのは「課税価格」の計算方法です。個人使用目的で個人から個人へ送られる場合、商品の実際の購入価格の60%が課税価格として計算されます。たとえば3万円の商品であれば課税価格は1万8,000円となり、この場合は関税・消費税の課税対象になります。免税になるのは課税価格(購入額の60%)が1万円以下の場合、つまり購入額が約1万6,666円以下のケースです。これが条件です。
一方、EMSを使った「輸出」側については別のルールが適用されます。内容品の価格が20万円以下の荷物については、発送人が税関に輸出申告をする必要がありません。この場合、日本郵便の国際郵便交換局が税関に荷物を提示し、所定の検査を経てから海外に向けて発送される流れになります。手続きが簡略化されているのは、使いやすいですね。
関税が課税される場合、税関は「国際郵便物課税通知書」と「納付書」を発行します。これが追跡の「通関手続き中」が2回以上表示される場合に見られる典型的なケースのひとつです。関税を支払うのは荷物の受取人であり、送り主ではないという点も覚えておきましょう。
参考:課税価格が1万円以下の免税制度について税関の公式情報が確認できます。
課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用について(税関)
参考:EMSの税関手続きの流れが日本郵便の公式ページで解説されています。
EMS(国際スピード郵便)の追跡で「お届け先にお届け済み」と表示されているのに、受取人のもとに荷物が届いていない——このようなケースが実際に発生しています。驚くことに、これは荷物の紛失ではなく、追跡システムの表示上の問題であることがほとんどです。
代表的なのはフランスとイギリス(英国)あてのEMSです。フランスあてEMSの場合、不在で持ち戻りとなった際、受取人の最寄りの郵便局に預かりとなっているにもかかわらず、追跡システム上は「お届け先にお届け済み」と表示されます。イギリスあてでも一部地域で同様のケースが確認されています。
また、ドイツあてEMSでは地方税関で保留中や配達子会社への引渡し時に「ご不在のため持ち戻り」または「お届け先にお届け済み」と表示されることがあります。日本郵便がこれらを公式に認めて注意喚起しているほど、実際に起きている問題です。
さらに注意が必要なのは「差出人に返送済み」という誤表示です。外国で誤入力があった後、受取人に正当配達された場合でも、追跡上は「差出人に返送済み」と表示が残ることがあります。この場合、「県名等」欄に「外国の国名」が記載されていれば誤表示だと判別できます。
これらは追跡情報だけを信じると、荷物が届いているのに「未着」と判断してしまうリスクがあります。関税支払い後のステータス確認でも、受取人が実際に荷物を受け取ったかどうかを直接連絡して確認する手順が大切です。「追跡表示=現実の状況」とは限らないと覚えておけばOKです。
| 国・地域 | 追跡表示の落とし穴 | 実際の状況 |
|---|---|---|
| 🇫🇷 フランス | 「お届け先にお届け済み」 | 最寄郵便局に預かり中(不在持ち戻り) |
| 🇬🇧 イギリス | 「お届け先にお届け済み」 | 一部地域で郵便局等預かり中 |
| 🇩🇪 ドイツ | 「ご不在のため持ち戻り」または「お届け済み」 | 地方税関保留中または配達子会社へ引渡し中 |
| 全般 | 「差出人に返送済み」 | 誤入力後、受取人へ正当配達済みの場合あり |
参考:日本郵便公式が認める国別の追跡表示の例外・注意点が確認できます。
EMS(国際スピード郵便)は、追跡サービスと損害賠償制度がセットで提供されている点が大きなメリットです。追跡番号で荷物の行方を追えるだけでなく、万一の際は「最高200万円を限度とする実損額」の損害賠償が受けられます。これは使えそうです。
損害賠償の基本的な仕組みは次のとおりです。
- 💰 損害要償額2万円まで:無料で補償(追加料金なし)
- 💰 2万円を超える場合:2万円ごとに50円の追加料金で上限を引き上げ可能
- 💰 上限額の最高:200万円(実損額が上限)
賠償の対象となるのは、荷物の紛失・内容品の不足・破損などです。ただし、補償が適用されるには「損害が発生したこと」を証明する必要があり、受取人が不問にしたケースや、商品が無事届いた後にトラブルになったケースでは補償を受けにくいことがあります。
ここで重要なのが、追跡情報の役割です。紛失や遅延が疑われる場合、追跡番号は調査依頼の起点になります。日本郵便のお客様サービス相談センター(0120-5931-55)に追跡番号と発送日・宛先国を伝えることで、調査請求を行うことができます。調査請求が可能なのは、発送日から6カ月以内という期限があります。6カ月以内が条件です。
さらに、2万円を超える高額商品を送る場合は、発送時に必ず「損害要償額」の申告を行うことが重要です。申告を忘れると、損害が発生しても2万円しか補償されません。たとえば10万円の商品を送る場合、「2万円ごとに50円」の追加料金は4回分で合計200円のみ。わずかな追加コストで8万円分の補償が上乗せできる計算になります。
こうした補償制度の申告は、発送後には変更・追加ができません。発送前の確認が大切です。
参考:EMS損害賠償制度の公式内容・料金体系が確認できます。