悪意なく業務を行っていても、模倣品の輸入に関与すると刑事責任を問われます。
模倣品の輸入や販売は複数の法律で規制されており、違反すると重い刑事罰が科されます。
主な法律は商標法、関税法、不正競争防止法の3つです。商標法では、他人の登録商標を無断で使用した商品を輸入・販売する行為が違法とされ、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が科されます。法人が違反した場合は最大3億円以下の罰金となります。これが原則です。
関税法でも、知的財産侵害物品を故意に輸入した者には同様に10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその併科が規定されています。つまり商標法と関税法の両方に違反する可能性があります。
不正競争防止法では、他人の商品形態を模倣した商品を販売・輸入する行為も規制対象です。この場合の罰則は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方で、法人には最大3億円以下の罰金が科されます。さらに本物と偽って販売した場合は詐欺罪(10年以下の懲役)も成立する可能性があります。
参考)模倣品を扱うとき注意すべき法律と処罰を受ける可能性がある行為…
通関業務従事者にとって重要なのは、これらの罰則が「故意」を要件としている点です。しかし実務上は「知らなかった」という主張が認められにくい状況があります。
参考)商品の模倣品・偽物を輸入してしまった場合
税関は知的財産侵害物品の水際取締りを強化しており、模倣品が発見されると厳格な手続きが開始されます。
参考)https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/kinseihin/2002_jr.htm
関税法第69条の11により、商標権や著作権などを侵害する物品は輸入禁制品として指定されています。税関で模倣品の疑いがある貨物を発見すると、輸入者に「知的財産権侵害物品の確認通知書」と「意見書・証拠資料の提出依頼」が送付されます。この通知には期限が設定されており、期限内に何も対応しないと商品は没収または廃棄処分となります。しかも関税・消費税も返還されません。
令和4年10月1日以降、制度がさらに厳格化されました。それまでは個人使用目的であれば一部の模倣品輸入が黙認されるケースもありましたが、現在は個人使用目的であっても模倣品は受け取れなくなりました。海外から運ばれた商品が税関で調査された結果、模倣品と判断されたら即座に没収される運用です。
悪質なケースでは税関が刑事告発を行います。大量かつ継続的な輸入、組織的な密輸などが該当し、犯則調査が開始されると輸入者が関税法違反で逮捕される場合もあります。税関が「輸入行為が悪質」と判断すれば、刑事責任を追及するため捜査に乗り出すということですね。
通関業者は依頼者の輸入貨物を代理で通関手続きする立場ですが、模倣品の輸入に関与した場合は法的責任を問われる可能性があります。
参考)商標侵害品の輸入の処罰と通関業者の責任について &#8211…
通関業者自身が模倣品と知りながら手続きを行った場合は、商標法違反や関税法違反の共犯として刑事責任を負います。これは当然ですね。
問題は「知らなかった」場合です。通関業者が善意であっても、相当な注意を払わずに業務を行い、結果として模倣品の輸入を助けた場合は過失責任を問われる可能性があります。特に以下の状況では過失があったとされます:
商標権者からの損害賠償請求も現実的なリスクです。輸入者だけでなく、輸入に関与した通関業者も連帯して賠償責任を負う可能性があります。模倣品1件あたり数十万円から数百万円の損害賠償を請求されるケースもあり、複数案件が重なれば経営に深刻な影響を及ぼします。
通関業者には、依頼者から提出された書類(契約書、インボイス、メーカーの許諾証明など)の真正性を確認する注意義務があると考えられています。これが基本です。
通関業務従事者が模倣品関連の法的トラブルを回避するには、事前の確認体制構築が不可欠です。
まず依頼者の信用調査を徹底することです。新規取引先からの輸入依頼を受ける際は、企業の登記情報、事業内容、過去の取引実績などを確認します。特に設立間もない会社や実態が不明瞭な企業からのブランド品輸入依頼には慎重になるべきです。厳しいところですね。
商品の正当性確認も重要です。具体的には以下の書類を依頼者に要求します:
書類が揃っていても、内容に矛盾や不自然な点がないか精査します。例えばインボイス価格が市場価格の半額以下の場合、模倣品の可能性が高いと判断できます。
税関から「知的財産権侵害物品の確認通知書」が届いた場合の対応フローも整備しておくことです。通知を受けたら、まず依頼者に連絡し商品の正当性を証明する追加資料を求めます。証明できない場合は、速やかに廃棄または返送を決断することが損害を最小限に抑えるコツです。
通関業者向けの知的財産権研修を定期的に実施し、最新の法規制や税関の取締り動向を共有することも有効です。税関のウェブサイトには知的財産侵害物品の差止状況が公開されており、どのような商品が摘発されているか把握できます。
参考)令和4年の税関における知的財産侵害物品の差止状況(詳細) :…
税関の知的財産侵害物品に関する情報ページ
税関の公式ページでは、知的財産侵害物品の差止制度や最新の統計データが掲載されており、通関業務の参考になります。
通関業務で見落としがちなのが、「並行輸入品」と「模倣品」の境界線です。
並行輸入とは、正規代理店ルート以外から真正品を輸入する行為で、これ自体は合法です。商標権者から正式な許諾を得た物品や、商標権侵害とならない並行輸入品は知的財産侵害物品に該当しません。問題ないんでしょうか?
実は並行輸入が適法となるには厳格な要件があります。商標権者が海外で販売した真正品であること、輸入により商標の出所識別機能が損なわれないことなどです。しかしこの判断は専門的で、税関でも慎重な審査が必要になります。
通関業者が直面する落とし穴は、依頼者が「並行輸入品だから合法」と主張するケースです。依頼者の主張を鵜呑みにして手続きを進めた結果、実際は模倣品だったという事態が起こり得ます。意外ですね。
もう一つの盲点は、「商品の一部だけが模倣」のケースです。例えば本体は正規品だが交換部品やパッケージが偽物、あるいは正規品に偽のロゴシールを後付けした商品などです。こうした「部分的模倣品」も知的財産侵害物品として差し止められますが、見た目だけでは判別が難しく、通関業者が気づかずに手続きを進めてしまう危険があります。
参考)商品形態模倣行為(不競法2条1項3号) - 弁護士法人クラフ…
さらに近年増加しているのが、SNSインフルエンサーを通じた模倣品の流通です。海外のインフルエンサーが「正規品」として宣伝している商品を輸入依頼されるケースがありますが、実際は模倣品である場合が少なくありません。通関業者は、依頼者が「有名人が紹介していた」という理由だけで商品の真正性を信じていないか確認する必要があります。
参考)https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/01639625.2023.2233041?needAccess=trueamp;role=button
最後に、模倣品犯罪は国際的な犯罪組織の資金源になっている点も認識すべきです。購入者が意図せず犯罪組織に資金を提供する構図になっており、通関業者が模倣品の輸入に関与することは、間接的に組織犯罪を助長する行為につながります。これは使えそうです。
参考)偽ブランド品を買うのは罪になる?知らずに犯罪組織に加担してい…
特許庁の模倣品・海賊版撲滅キャンペーン
特許庁が実施する啓発キャンペーンでは、模倣品購入が犯罪組織の資金源になることや、消費者・社会に与える悪影響について詳しく解説されています。
通関業務従事者は単なる手続き代行者ではなく、知的財産保護の最前線に立つゲートキーパーとしての役割を担っています。「依頼者を信じただけ」では済まされない時代です。

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