CYカットを守れば安全と思っているなら、北米向けは通常より2日早く締め切られて手遅れになります。
CYカットとは、FCL(フルコンテナ)貨物をコンテナヤード(Container Yard)へ搬入できる締切時刻のことです。 船会社やターミナルが個別に設定しており、この時刻までに搬入が完了したコンテナだけが、対象の本船に積載される前提となります。 rakuraku-boeki(https://www.rakuraku-boeki.jp/word/c182-2)
「出港日さえ合っていれば大丈夫」という感覚で動いていると、必ずトラブルになります。
コンテナが搬入されてから船に積み込まれるまでには、ヤード内の配置・重量バランスを考慮した積載計画の作成・輸出通関確認という複数のプロセスが発生します。 これらの作業時間を確保するために、出港よりも前にCYカットが設定されているのです。日本では原則として、CYカットは本船入港日の前日(営業日基準)、CFSカットはその前日(入港日の前々日)に設定されています。 illogs(https://illogs.com/cy-cut-deadline-shipping/)
ETD(出港日)ではなくETA(入港日)を基準に設定されている点は、意外と見落とされがちです。
CYカットは「CY Cut-off」または「カット日」と略されることが多く、英語圏では "CY cut-off date" と表記します。 混載(LCL)貨物の場合はCFSカットが適用され、CYカットとは別に管理されます。つまり、FCLとLCLでは締切日が異なるということです。 jpntrust.co(https://www.jpntrust.co.jp/jtc/dictionary/cy-cut-off/)
FCLかLCLかで管理する締切が違う、というのが基本です。
通関業従事者が最もよくやってしまうミスのひとつが、「ETD(出港日)=CYカット」と思い込んでいることです。 実際には、出港日とCYカットの間には通常1営業日以上の差があり、この差を見誤ると荷主へのスケジュール案内が根本的にズレます。 illogs(https://illogs.com/cy-cut-deadline-shipping/)
スケジュール管理は「出港日から逆算」ではなく「CYカットから逆算」が原則です。 illogs(https://illogs.com/cy-cut-deadline-shipping/)
たとえば出港日が金曜日だとして、CYカットが木曜日だと思っていたら、実は水曜日だった、というケースは珍しくありません。
| 基準日 | CYカット | CFSカット |
|---|---|---|
| 本船入港日(ETA) | 入港日の前日(原則) | 入港日の前々日(原則) |
| 24時間ルール適用地域向け | 入港日の3日前 | 入港日の4日前 |
CYとCFSで1日差が生じるのは、CFS内でLCL貨物を混載・コンテナ詰めする作業時間が必要なためです。 CFSで混載が完了したコンテナは最終的にCYへ搬入されるため、CFS側での作業遅延がCYカット超過につながるリスクもあります。これはCFS経由の荷物を扱う際に特に注意が必要なポイントです。 kandaka(https://kandaka.work/busitable/container-cutoff-24hours-reg/)
CFSカットに間に合っても、CYカットを逃すと積めません。
CYカットに間に合わなかった場合、その貨物は原則として当該本船には積載されません。 実務では次の便への振り替え(ロールオーバー)が行われますが、これにより数日から最大1週間以上の遅延が発生することがあります。 illogs(https://illogs.com/cy-cut-deadline-shipping/)
遅延は1件で信用を大きく損ねます。
ロールオーバーになると、以下のような連鎖的な影響が発生します。
デマレージ(保管超過料)はコンテナ1本につき数万円単位で発生するケースもあります。 「1回の遅れ」で荷主との関係が悪化し、次の仕事を失うリスクもゼロではありません。こうしたリスクを荷主に事前に伝えておくことが、通関業者としての信頼性を高める第一歩です。 kandaka(https://kandaka.work/busitable/container-cutoff-24hours-reg/)
お金も時間も信頼も、同時に失う可能性があります。
遅延原因で最も多いのは、工場出荷の遅れ、トラック手配ミス、書類不備(S/I・インボイスの誤記)の3つです。 これらは通関業者が直接コントロールできない部分ですが、早めのリマインドや事前チェックで予防できることも多いです。 illogs(https://illogs.com/cy-cut-deadline-shipping/)
予防できる遅延のほうが、実は多いということですね。
「原則があれば例外もある」という話で最も重要なのが、24時間ルールの適用です。 米国・EU・中国向けの輸出貨物には、船荷目録(マニフェスト)を船積みの24時間前までに提出しなければならないルールが課せられています。 kandaka(https://kandaka.work/busitable/container-cutoff-24hours-reg/)
このルールの提出義務者は荷主ではなく、船会社です。 kandaka(https://kandaka.work/busitable/container-cutoff-24hours-reg/)
船会社はマニフェスト作成・提出に一定の時間が必要なため、その分CYカットを繰り上げます。結果として、北米・欧州・中国向けのCYカットは本船入港日の3日前となります(通常の前日から2日繰り上がり)。 kandaka(https://kandaka.work/busitable/container-cutoff-24hours-reg/)
2日の差は、実務では非常に大きいです。
このルールは米国が2002年12月に導入し、その後EUや中国でも採用されました。 つまり主要貿易相手国の大半に適用されているわけで、通関業従事者として「24時間ルールを知らない」では済まない状況です。 kandaka(https://kandaka.work/busitable/container-cutoff-24hours-reg/)
24時間ルール適用国向けを扱う場合は、以下の点を必ず確認してください。
参考:24時間ルール(AMS)に関するOOCLの公式情報(船会社による適用説明)
OOCLによる24時間ルール・AMS解説ページ(日本語)
CYカットと同じく重要でありながら見落とされやすいのが「CYオープン」です。CYオープンとは、コンテナをCYに搬入できる最初の日のことで、通常は出港1週間〜10日前に設定されます。 CYカットだけを意識して早めに搬入しようとしても、CYオープン前は受け入れてもらえません。 kandaka(https://kandaka.work/busitable/container-cutoff-24hours-reg/)
早すぎても受け取ってもらえない、というのは盲点ですね。
各船会社はWebサイトでCYオープン・カット日を航路・船便ごとに公開しています。たとえばWAN HAI LINESのように港別のカット日一覧を開示している船会社も増えており、乙仲(フォワーダー)経由だけでなく直接確認できる環境が整っています。 kandaka(https://kandaka.work/busitable/container-cutoff-24hours-reg/)
実務上の確認先としては以下を活用してください。
通関業従事者として独自に管理するなら、CYカット日を「社内の締切」として設定することをおすすめします。具体的には、CYカットの2営業日前を社内リミットとして設定し、書類確認・荷主連絡を完了させるルールを作ると、ロールオーバーのリスクを大幅に下げられます。
バッファを「2営業日」と決めてしまえば管理が楽になります。
参考:税関の輸出申告手続きと関連書類の公式案内
税関 輸出通関手続き(公式)
参考:JETROによる輸出実務の基本情報(書類・スケジュール管理)
JETRO 輸出ガイド(日本貿易振興機構)
| 項目 | デマレージ | ディテンション |
| ---- | ------------- | ---------- |
| 発生場所 | CY内(港湾ターミナル内) | CY外(国内) |
| トリガー | コンテナを引き取らない | コンテナを返却しない |
| 消費税 | 非課税 | 課税対象 |
| 目的 | CYの混雑防止 | コンテナ回転率向上 |