通関業務に従事する保護者は、書類提出や貨物検査の締切に追われる中、子どもの発熱で突然2日間欠勤を余儀なくされます。
参考)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/3cccf13aa80c0f4770e107a2b27c395dfa94dcd2
24時間ルールとは、38℃以上の発熱後、解熱剤を使わずに熱が下がってから24時間は保育園に登園できないという規定です。
参考)前日の夜に熱、翌日平熱なら保育園OK?24時間ルールと登園判…
この規定は厚生労働省(現在はこども家庭庁が所管)が作成した「保育所における感染症対策ガイドライン」に明記されています。
参考)ワーママは保育園の24時間ルールに葛藤している|Seven代…
ガイドラインには「24時間以内に38℃以上の熱が出ていた場合、登園を控えるのが望ましい」と記載されており、全国の保育園がこれを基準に運用しています。
つまり法律ではなく指針です。
ただし、ほぼすべての認可保育園がこのガイドラインに従って運営しているため、実質的には守るべきルールとなっています。
通関業務に従事する方にとって、輸入申告の締切や検査立会いの予定がある中でこのルールに直面すると、業務調整が非常に困難になります。
通関業務は時間に厳格な職種であり、輸入申告の締切、税関検査の立会い、船積書類の確認など、特定の時刻までに完了させなければならない作業が多数存在します。
参考)【労務】感染症リスクと労務対応 第29回 保育園の登園拒否に…
子どもが朝10時に保育園で発熱した場合、その日は当然お迎えが必要ですが、翌日も登園できません。
最短でも明後日からの登園となります。
つまり実質2日間の欠勤です。
通関業者では1人が複数の案件を担当することが一般的で、突然の2日間欠勤は輸入者への納期遅延、他のスタッフへの業務集中、顧客からの信頼低下につながります。
厚生労働省の資料でも、保育園の登園自粛要請は本人に責任のない事象による欠勤として扱われ、企業には従業員が不利益を被らないよう配慮する措置が求められています。
しかし現実には、通関業務の緊急性から「休むなら代わりを探して」と言われるケースも少なくありません。
こども家庭庁公式PDF「保育所における感染症対策ガイドライン」
上記リンクには、登園を控えるべき具体的な症状と基準が詳細に記載されており、職場への説明資料として活用できます。
前日の夜に38℃以上の熱が出て、翌朝には平熱に戻っている場合でも、ほとんどの保育園では登園を断られます。
例えば前日22時に38.5℃あり、翌朝7時に36.8℃まで下がっていても、まだ9時間しか経過していないため24時間ルールに抵触します。
登園できるのは翌日の22時以降、つまり実質的には翌々日の朝からとなります。
知恵袋やママリでは「朝平熱だから登園させた」という体験談が見られますが、その多くが保育園で再び熱がぶり返してお迎え要請を受けています。
通関業務では午前中に税関検査が集中することが多く、急なお迎え要請で検査立会いを途中で抜けると、検査延期による追加料金や顧客への説明対応が発生します。
結局、最初から休んだ方が業務への影響は少なかったという結果になりがちです。
カロナールやアセトアミノフェンなどの解熱剤を使用して熱を下げた場合、どの保育園でも100%登園不可です。
ガイドラインには「解熱剤を使用せずに解熱していること」と明記されており、薬で一時的に熱を抑えているだけでは回復とみなされません。
実際、解熱剤の効果が切れると薬を飲む前よりも高い熱が出るケースが多く、保育園で急激に体調が悪化することがあります。
登園時に「昨夜解熱剤を使いました」と正直に申告すれば預かり拒否、黙って預けても保育中に熱が出た際に「薬を使いましたか?」と確認され、事実が判明すると園からの信頼を失います。
通関業務で「どうしても今日は休めない」という状況でも、解熱剤を使った翌日の登園は避けるべきです。
それよりも、後述する病児保育やファミリーサポートなどの代替手段を確保しておく方が、長期的に見て職場との関係も良好に保てます。
ルールを守らずに登園させた場合、以下の3つのトラブルが高確率で発生します。
1つ目は、園で熱がぶり返して急なお迎え要請が来るケースです。
朝は平熱でも昼過ぎに38.8℃まで上がることが多く、通関業務の現場から急いで迎えに行く事態になります。
2つ目は、クラス全体に感染が広がり他の保護者からクレームを受けるリスクです。
1人のルール違反がきっかけでクラスの半数が休む事態になれば、保護者間の人間関係が悪化します。
3つ目は、園から正式な注意・警告を受ける可能性です。
1回目は口頭注意で済みますが、繰り返すと園長との面談に呼ばれ、最悪の場合は登園制限を言い渡されることもあります。
特に私立保育園では厳格な対応が取られる傾向があります。
通関業者に勤務する場合、頻繁に休むことで「この人に重要な案件を任せられない」と判断され、キャリア形成に悪影響を及ぼす可能性もあります。
通関業務の現場で急に2日間休む必要が生じた際、上司や同僚に状況を理解してもらうための説明方法が重要です。
「子どもが熱を出したので休みます」だけでは、なぜ1日ではなく2日間なのか伝わりません。
効果的な説明は「保育園の24時間ルールにより、解熱後24時間は登園できません。これはこども家庭庁のガイドラインに基づく規定です」という形です。
公的機関の名前を出すことで、個人の都合ではなく制度上の制約であることが明確になります。
さらに「昨夜22時に発熱したため、明日の22時まで登園不可です。実質的に明日いっぱい休むことになります」と具体的な時刻を示すと、理解が得やすくなります。
加えて「輸入申告の○○案件は△△さんに引き継ぎ済みです」「検査立会いは□□さんに代行をお願いしました」と、業務の引継ぎ状況を併せて報告すれば、責任感のある対応として評価されます。
それでも理解が得られない場合は、法律で定められた「子の看護休暇」(小学校就学前まで年5日、有給とは別)の利用を申し出ることができます。
どうしても休めない通関業務の日に備えて、病児保育の事前登録が非常に有効です。
病児保育は自治体や病院が運営する施設で、発熱などの症状がある子どもを預かってくれるサービスです。
多くの施設では「回復期対応」として、熱が下がった翌日(24時間ルールの期間中)でも預かってくれます。
ただし予約制のため、当日朝に急に申し込んでも空きがないことが多く、入園時など早い段階で登録を済ませておく必要があります。
神戸市や横浜市などの主要都市では、複数の病児保育施設があり、居住地以外でも利用できるケースがあります。
通関業務の勤務地が自宅から離れている場合は、職場近くの施設も調べておくと選択肢が広がります。
利用料金は1日2000円~3000円程度が一般的で、自治体によっては補助制度もあります。
輸入申告の締切や検査立会いなど「この日だけは絶対に休めない」という日が事前にわかっている場合、病児保育の予約を早めに入れておくことで、子どもの急な発熱にも対応できます。
神戸市病児保育事業(病児保育施設一覧と予約方法)
上記リンクには神戸市内の病児保育施設の詳細と予約手順が掲載されており、通関業務に従事する方の勤務地に応じて活用できます。
通関業務では、急な欠勤に備えた引継ぎ体制の構築が、24時間ルールへの最も現実的な対策です。
具体的には、担当案件の進捗状況を共有ドキュメントやクラウドツールで常に可視化しておくことが基本となります。
輸入申告書のドラフト、税関とのやり取り履歴、検査日程、顧客への連絡事項などを、自分だけでなくチームメンバーが見られる場所に記録します。
これにより、突然休むことになっても、他のスタッフが最低限の業務を継続できます。
さらに、日頃から「お互いの担当案件を月1回程度レビューする」習慣をチーム内で作ると、いざという時の引継ぎがスムーズです。
通関業務は専門知識が必要なため「自分しかできない」と思いがちですが、基本的な手順をマニュアル化しておけば、緊急時の最低限の対応は可能になります。
また、上司に対して「子どもが小さいため、年に数回は24時間ルールで2日間休む可能性があります」と事前に伝えておくことも重要です。
突然の報告よりも、予告があった方が職場の理解は得やすくなります。
通関業務に従事する保護者が24時間ルールに対応するには、以下の5つの準備が有効です。
これらを組み合わせることで、子どもの急な発熱でも業務への影響を最小限に抑えられます。
24時間ルールは子どもの健康と集団感染防止のための合理的な基準であり、通関業務の現場でもこれを前提とした働き方の工夫が求められています。