CFR貿易保険は買主手配が原則

CFR条件では運賃込みですが保険は含まれていません。通関業務従事者として知っておくべき保険手配の責任範囲、付保金額の計算方法、リスク移転のタイミングを解説します。あなたの取引で保険の掛け忘れはありませんか?

CFR貿易保険の買主負担

CFRでは運賃込みだが保険料は買主が払う

この記事の3つのポイント
📦
CFRは保険なし条件

売主が運賃を負担するが、保険料は買主負担。船積み時点でリスクが移転する

💰
付保金額はCIF価格の110%

CFR価格に保険料を加えたCIF価格に、期待利益10%を上乗せした額で付保する

⚠️
保険未加入は全額自己負担

CFR条件で保険手配を忘れると、輸送中の事故で貨物損害を全額負担することになる

CFR条件での保険手配は買主の責任


CFR(Cost and Freight:運賃込み条件)は、売主が指定仕向港までの海上運賃を負担する貿易条件です。ただし、海上保険料は含まれておらず、買主(輸入者)が自ら手配する必要があります。これはCIF条件から保険料を除いた条件と考えると分かりやすいでしょう。


参考)https://www.sompo-japan.co.jp/hinsurance/risk/property/ocean/trade/


「運賃込み」という名称から、保険も含まれていると誤解されるケースが多いのが実情です。通関業務従事者として、取引先がCFR条件で輸入する際には、保険手配の確認を徹底する必要があります。
参考)【貿易初心者向け】CFR(Cost and Freight)…

危険負担は貨物が本船に積み込まれた時点で売主から買主に移ります。つまり船積み後の海上輸送中に貨物が損傷した場合、その責任は買主が負うことになります。保険に加入していなければ、損害額を全額自己負担することになるわけです。


参考)CFRの危険負担と費用負担の範囲とは? 【物流用語】


FOBやCFRなどの条件では、輸入者が自らの利益のために貨物海上保険を付保します。損害保険では原則として危険の開始前に保険の申し込みが必要ですが、実際に船積みされた時点で荷受人がその事実を知らないこともあり得ます。そのため、貨物海上保険では船積みの予定をあらかじめ保険会社に通知して予定保険を付保しておき、危険の開始後にそれを確定するという形を取ります。


参考)荷主としての貨物への保険の種類と留意点:日本

つまり予定保険です。


継続的に輸入の予定がある場合は、予定保険を船積みごとではなく、取引すべてを包含する形で包括予定保険を保険会社と契約することも可能です。


そうすれば保険の掛け忘れを防止できます。


CFR条件での付保金額の計算方法

CFR条件で輸入する場合、保険金額はCFR価格に保険料を加算してCIF価格を算出し、これに期待利益分の10%を加算した額で付保するのが通常です。具体的には「CIF価格×110%」で設定するのが一般的です。


参考)https://www.upr-net.co.jp/info/pallet/cfr.html


どういうことでしょうか?
たとえば、CFR価格が100万円の貨物の場合、まずCIF価格(CFR価格+保険料)を計算します。仮に保険料が1万円とすると、CIF価格は101万円です。これに期待利益10%を加算すると、101万円×1.1=111.1万円が付保金額となります。


この10%の上乗せは、貨物が無事に到着して販売できた場合に得られるはずだった利益分を補償するためのものです。貨物が損傷して販売できなくなった場合、仕入れ価格だけでなく、得られるはずだった利益も失われることになるからです。


計算する際は、CFR価格が基準点になることを忘れないようにしましょう。CIF条件と異なり、CFR条件では保険料が価格に含まれていないため、自分でCIF価格を逆算する必要があります。


参考)https://www.sompo-japan.co.jp/hinsurance/risk/property/ocean/amount/

保険金額に保険料率を乗じることで保険料が算出されます。保険料率は貨物の種類、輸送ルート、保険条件(協会貨物約款のA条件、B条件、C条件など)によって異なります。

CFR貿易での危険負担移転の時点

CFR条件では、費用負担とリスク負担が異なる時点で移転する点が特徴です。売主は輸出港から輸入港までの海上運賃を負担しますが、危険負担は本船に積み込まれた時点で買主に移ります。


参考)https://www.digima-japan.com/knowhow/world/d-globalbusiness-240709.php


この二重構造が原因で誤解が生じやすいのです。


売主は運賃を払っているのに、船積み後の事故については買主が責任を負うことになります。買主側で保険を手配する場合、Risk Attachment Clause(保険の責任が開始される条項)を適用し、貨物が外航本船に積み込まれたときを保険始期とします。


参考)保険期間|外航貨物海上保険|三井住友海上


危険負担が売主から買主に移転した時を保険始期とすることで、買主がリスクを負う期間を確実にカバーできます。逆に言えば、船積み前の区間(売主の倉庫から輸出本船船積まで)は買主の保険では補償されません。


参考)保険期間|外航貨物海上保険|法人のお客さま|三井住友海上


売主側では、CFR条件であっても貨物が本船の船上に置かれる時までの保険手配を行う必要があります。輸出者としては、船積みが完了したことを輸入者に速やかに通知する義務があります。輸入者はそれに基づき確定保険を申し込むわけです。


CIF条件との保険負担の違い

CFRとCIFの最も大きな違いは、保険料の負担義務の有無です。CIF(Cost, Insurance and Freight:運賃保険料込み条件)では、売主が輸送費と保険料の両方を負担します。


参考)FOBやCIFでどう変わる?インコタームズと輸送保険の関係を…


CIF条件では売主が保険加入義務を負います。売主は「輸送保険」へ加入し、保険証券を輸入者に渡す必要があります。補償条件は最低限の協会貨物約款(ICC)のC条件でOKとされていますが、実務ではより補償範囲の広いA条件を求めるケースもあります。

危険負担については、CIFでも商品が本船に積み込まれた時点で買主に移ります。つまりCFRとCIFで危険負担の移転時期は同じですが、売主が輸送費と保険料を支払うかどうかが違うわけです。


買主にとっては、CFRよりもCIFの方がリスクが軽減されます。CIF条件では、売主が保険を手配するため、買主は輸送中の貨物に対するリスクについて心配する必要がありません。

ただしCIF条件でも、輸入者が追加で「上乗せ保険」を掛けることは可能です。売主が手配した保険の補償範囲が不十分だと判断した場合、買主側でさらに保険を追加できます。

通関業務での保険確認ポイント

通関業務従事者として、CFR条件の輸入案件では保険加入状況の確認が重要な業務になります。貨物に被害が発生し保険求償が生じた場合、通常、買主が手続きを行います。保険に加入していなければ、求償することができません。

確認すべきポイントは以下の通りです。


  • 取引条件の確認契約書にCFR条件が明確に記載されているか、保険の手配が買主の責任であることが明示されているか​
  • 予定保険の申込状況:船積み予定を保険会社に通知して予定保険を付保しているか​
  • 付保金額の妥当性:CIF価格×110%で計算されているか
  • 保険始期の設定:Risk Attachment Clauseを適用し、本船積込時を保険始期としているか
  • 保険証券の入手:船積み後、確定保険の証券を入手しているか

包括予定保険を契約している場合は、個別案件ごとの通知漏れがないか確認しましょう。定期的な輸入案件がある企業では、包括予定保険を活用することで保険の掛け忘れを防止できます。

これは使えそうです。


また、売主側がCFR条件で輸出する場合も、船積みが完了したことを輸入者に速やかに通知する義務があることを理解しておく必要があります。B/L(船荷証券)のコピーなどを送付し、輸入者が確定保険を申し込めるようにする配慮が求められます。

ジェトロの貨物保険に関する詳細ガイド
荷主としての貨物への保険の種類と留意点について、実務で参考になる情報が掲載されています。




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