登録免許税法 別表で見落とす課税範囲と税率の確認方法

登録免許税法の別表は課税範囲や税率を定めた重要な資料ですが、通関業務従事者が見落としがちな非課税規定や例外措置が数多く存在します。知らないと過大納付や申請ミスにつながる別表の読み方を詳しく解説しますが、あなたは正しく理解していますか?

登録免許税法 別表の内容と課税範囲

通関業の許可で非課税なのに15万円納付する業者がいます。

この記事の3ポイント要約
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別表第一で課税範囲と税率を規定

登録免許税法別表第一は登記・登録・免許など92項目の課税範囲、課税標準、税率を詳細に定めた一覧表です

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別表第二と第三で非課税対象を明示

国や地方公共団体などが受ける登記は別表第二、宗教法人や一定の要件を満たす登記は別表第三で非課税規定が設けられています

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計算ミスや適用誤りで過誤納が発生

課税標準や税率の計算誤り、非課税規定の見落としにより過誤納が生じますが、登記受付後の還付請求には厳格な要件があります

登録免許税法 別表第一に定められた登記等の区分


登録免許税法別表第一は、登記、登録、特許、免許、許可、認可、指定、技能証明といった行政手続きについて、課税範囲、課税標準、税率を詳細に定めた一覧表です。この別表は登録免許税法第2条および第9条で参照され、登録免許税の課税対象となる92項目が整理されています。
参考)https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/05519670612035.htm

別表第一の構成は、登記等の種類ごとに課税標準欄と税率欄が設けられた形式になっています。例えば不動産登記では、所有権の移転登記、抵当権の設定登記、変更登記など細かく区分され、それぞれ異なる課税標準と税率が適用されます。
参考)登録免許税法別表第1.1 - Wikibooks


つまり別表第一が基本です。
通関業務従事者にとって関連が深いのは、通関業の許可に関する登録免許税です。通関業法に基づく通関業の許可を受ける際には、登録免許税の納付が必要となりますが、実務上は重要な例外規定があります。​
通関業の許可に係る登録免許税は、通関業を譲り受ける場合を除き、登録免許税法第5条第13号の非課税登記等の規定に基づき非課税扱いとなります。この非課税規定を知らずに不要な納付をしてしまうケースが実際に発生しているため、別表の確認と合わせて非課税規定の把握が不可欠です。
参考)https://ameblo.jp/rlvvisole/entry-12374014215.html


登録免許税法 別表第二と第三による非課税規定

登録免許税法には別表第一のほかに、別表第二と別表第三という非課税対象を定めた重要な表が存在します。これらの別表を見落とすと、本来納付不要な税金を納めてしまうリスクがあります。
参考)登録免許税免除証明 - 埼玉県


別表第二には、国や地方公共団体など一定の公的主体が受ける登記・登録について非課税となる対象が列挙されています。また、登録免許税法第5条第1項第1号により、国または別表第二に掲げる者がこれら以外の者に代位してする登記または登録も非課税です。​
非課税なら安心ですね。
別表第三は、さらに具体的な非課税要件を定めています。例えば宗教法人が専ら自己またはその包括する宗教法人の宗教の用に供する境内建物の所有権取得登記や境内地の権利取得登記を行う場合、都道府県知事が交付する登録免許税免除証明書を添付することで非課税となります。
通関業の許可についても、登録免許税法第5条第13号の非課税登記等に該当するため、通関業を譲り受ける場合を除き課税されません。この規定は通関業法基本通達で明確に示されており、新規に通関業の許可を受ける場合には登録免許税の負担はありません。​

登録免許税法 別表を使った税率と課税標準の確認方法

登録免許税の税率と課税標準を正確に確認するには、別表第一の該当項目を特定し、課税標準欄と税率欄の記載内容を読み解く必要があります。課税標準は不動産の価額、債権金額、件数など登記等の種類によって異なります。​
不動産登記の場合、課税標準は通常、固定資産税評価額または不動産の価額となります。税率は登記の種類によって異なり、例えば所有権の移転登記では固定資産税評価額に対して1000分の20(2%)などの割合が適用されます。​
税率は登記ごとに違います。
商業登記の場合は、登録免許税法別表第一24号(1)内で区分が定められており、同一の区分に該当する登記を同時に申請する場合は登録免許税が一つ分しかかかりません。これは実務上の重要なコスト削減ポイントです。
参考)商業登記にかかる登録免許税の一覧|商業登記専門の司法書士事務…

計算にあたっては、租税特別措置法による軽減税率の適用可能性も確認する必要があります。例えば相続による不動産登記には特例措置が設けられている場合があり、通常税率よりも低い税率が適用されることがあります。
参考)https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/explanation/PDF/p0612-0626.pdf

登録免許税 過誤納が発生する別表の見落としパターン

登録免許税の過誤納は、課税標準または税額の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかった場合や計算に誤りがあった場合に発生します。過誤納が認められるのは、登記申請書に記載した税額計算そのものに誤りがあるケースに限定されます。
参考)https://www.kfs.go.jp/service/MP/07/0202000000.html


よくある見落としパターンの一つは、非課税規定の適用漏れです。通関業の許可では非課税扱いとなるにもかかわらず、登録免許税を納付してしまう事例が報告されています。また宗教法人の境内地取得についても、免除証明書を添付すれば非課税となることを知らずに納税するケースがあります。
これは知らないと損します。
もう一つの典型的なミスは、収入印紙への割印です。登録免許税は申請書の余白または別紙に収入印紙を貼付して納付しますが、誤って割印を押すと納付したと認められません。割印を押した収入印紙は無効となり、再度納付が必要になります。
参考)登録免許税の仕訳に使う勘定科目を解説

課税標準の計算ミスも頻発します。対象資産や登記手続きの種類によって納付額に違いがあるため、別表第一の該当項目を誤って適用すると過大納付または過少納付が生じます。過少納付の場合は追加納付が求められ、手続きが遅延するリスクがあります。​

登録免許税 過誤納金の還付請求と別表確認の重要性

登録免許税の過誤納金還付を受けるには、登録免許税法第31条に基づく請求が必要です。還付が認められるのは、登記申請書に記載した課税標準または税額の計算が法令に従っていなかったか計算に誤りがあった場合に限られます。
参考)登録免許税法 第31条 過誤納金の還付等


重要なのは、登記を受けた後に事情が変わっても遡及して還付は受けられないという原則です。例えば登記申請時に正しく税額を計算し適法に登記を受けた後、その登記を抹消しても、登記申請時に遡って還付請求はできません。​
還付には厳格な要件があります。
還付請求の期限は、登記等を受けた日から5年以内です。ただし免許等の場合は、免許等に係る登録免許税の納付通知を受けた日から5年以内となります。この期限を過ぎると還付請求権が消滅するため、過誤納に気付いたら速やかに手続きが必要です。​
還付請求を行う際は、登記機関に対して請求書を提出します。登記機関は課税標準及び税額の認定権限を持っており(登録免許税法第26条)、申請内容を審査して過誤納の有無を判断します。​
実務上は事前に別表第一、第二、第三を十分に確認し、適用すべき税率・課税標準・非課税規定を正確に把握することが過誤納防止の最善策です。特に通関業務従事者は、通関業許可の非課税規定を確実に理解しておく必要があります。
国税庁の登録免許税法関係通達
登録免許税法の解釈や適用に関する詳細な通達が掲載されており、別表の正しい読み方や計算方法を確認できます。
通関業法基本通達(税関)
通関業の許可に係る登録免許税の非課税扱いについて、具体的な納付手続きとともに詳しく解説されています。




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