通関業に携わっていると、税関からの問い合わせ電話は日常的なものに感じられます。だからこそ、詐欺師はその「慣れ」を悪用します。

「○○税関です。預かり荷物について確認があります」——この一文で始まる電話を、通関業者が業務電話と区別できるでしょうか。 x(https://x.com/aira_bc/status/2015220615712801228)
一般の方と違い、通関業者は税関との電話連絡が日常的な業務の一部です。荷物の照会、申告内容の確認、検査通知など、実際に税関職員から電話を受ける機会が多い。その「慣れ」が、逆に詐欺を見破るハードルを下げてしまいます。
名古屋税関を名乗る不審電話は2024年から2026年にかけて継続的に報告されており、「○○税関。あなた宛ての海外からの商品を預かっている」という自動音声で着信するパターンが確認されています。 通関業者はこうした自動音声の一報を受けた後、「業務上の問い合わせかもしれない」と折り返しや応対をしてしまうリスクがあります。 x(https://x.com/aira_bc/status/2015220615712801228)
詐欺師が通関業者を狙う理由はもう一つあります。通関業者は輸入貨物の情報(荷主名・品目・金額)を扱う立場にあり、個人情報や取引情報を引き出されると荷主企業への被害にも波及します。つまり一人が騙されると、連鎖的な被害になりかねない。これが重要です。
着信画面に表示される電話番号が、本物の名古屋税関の番号でも信用してはいけません。 portland.us.emb-japan.go(https://www.portland.us.emb-japan.go.jp/files/100747893.pdf)
これは多くの通関業者が見落としているポイントです。発信者番号の偽装(ナンバースプーフィング)と呼ばれる技術を使えば、攻撃者は任意の番号を着信画面に表示させることができます。名古屋税関の代表番号(052-654-4100)が表示されていても、実際には海外や国内の詐欺グループからかかってきている可能性があります。 sayama(https://www.sayama.jp/sagi-seikan/)
日本国大使館の注意喚起でも「着信画面に表示される電話番号が正しい番号であっても安易に信用しない」と明記されています。 番号を信じて応対を続けることで、通関業者が保有する荷主情報を漏えいさせてしまうリスクがあります。 portland.us.emb-japan.go(https://www.portland.us.emb-japan.go.jp/files/100747893.pdf)
対応の原則は「一度切る」です。 かかってきた番号には折り返さず、自分で税関公式サイトから電話番号を調べて直接かけ直す——この一手順が被害を防ぐ最短ルートです。 sayama(https://www.sayama.jp/sagi-seikan/)
詐欺電話の手口は大きく3つに分類されます。それぞれの構造を知っておくと、どの段階で「おかしい」と気づけるかが明確になります。
① 荷物預かり型
「名古屋税関です。あなた宛ての荷物を預かっています。違法なものが含まれている可能性があります」という内容で電話をかけ、関税や「解放金」名目の支払いを求めるパターンです。 通関業者には「依頼人の荷物の話かもしれない」と思わせる効果があります。実際の税関は、荷物受取人に「解放金」を電話で請求することは絶対にありません。 kurashi.yahoo.co(https://kurashi.yahoo.co.jp/aichi/23107/incidents/bohan/342357)
② 犯罪関与示唆型
「あなたの名義で違法薬物が輸入されています」「このまま放置すると逮捕になります」と恐怖を与えてから、個人情報や金銭を引き出す手口です。 業務上、輸入品に関係する通関士・通関業者は「自分の申告ミスが原因かもしれない」と考えてしまうことがあり、パニック状態になりやすい傾向があります。 portland.us.emb-japan.go(https://www.portland.us.emb-japan.go.jp/files/100747893.pdf)
③ SMS・偽サイト誘導型
「関税等お支払サイト」と称した偽のウェブページへのURLを含むSMSを送り、クレジットカード情報や口座情報を入力させる手口です。 本物の税関のSMSで「関税等お支払サイト」への案内が届くことはありません。 customs.go(https://www.customs.go.jp/nagoya/osirase/caution202503.html)
つまり「金銭・個人情報の要求があれば詐欺」が原則です。
詐欺師は通関業者が日常的に触れる「専門用語」を使います。「B/L番号」「HS code照合」「検査指定」といった言葉を電話で使われると、業務上の連絡と区別しにくくなります。
また、「愛知県警と協力して捜査中」「国税庁との共同対応」など、複数の公的機関の名前を組み合わせて信頼性を演出する手口も確認されています。 本物の税関が複数機関の名前を出しながら電話口で金銭請求や個人情報照会をすることはありません。 portland.us.emb-japan.go(https://www.portland.us.emb-japan.go.jp/files/100747893.pdf)
さらに、「今日中に対応しないと差押えになる」という時間的プレッシャーを与えることで、冷静な判断を奪います。 急かされるほど、一度立ち止まることが必要です。これは必須の心得といえます。 sayama(https://www.sayama.jp/sagi-seikan/)
通関業者として電話を受けた場合にチェックすべきポイントは以下の通りです。
被害を防ぐために、実際に電話を受けた際の行動手順を整理します。 sayama(https://www.sayama.jp/sagi-seikan/)
sayama(https://www.sayama.jp/sagi-seikan/)
金銭を一切渡さないことが最大の防御です。
参考として、税関が「絶対にしないこと」を公式に明記しているページも確認しておくと、判断の基準が明確になります。
税関の公式注意喚起(財務省・税関):税関が行わない対応の具体的なリスト、不審電話への対処法を掲載。
税関の名をかたった不審な電話・メールや振り込め詐欺にご注意ください(財務省 税関)
名古屋税関・公式注意喚起ページ:名古屋税関が直接発信している詐欺注意情報。最新の手口の概要を確認できる。
名古屋税関:税関の名をかたった不審な電話・メールにご注意ください