バルクキャリアをコンテナ船と同じ扱いで申告すると5年分の追徴課税が来る
bulk carrier(バルクキャリア)とは、梱包されていない貨物を船倉に直接積み込んで輸送する貨物船です。日本語では「ばら積み貨物船」「ばら積み船」「バルカー」とも呼ばれています。英語のbulkは「ばらの状態」「大量」を意味し、carrierは「運搬船」を指します。
この船の最大の特徴は、コンテナや袋に入れずに貨物を直接運ぶことです。鉄鉱石・石炭・穀物は「3大バルク貨物」と呼ばれ、国際的に輸送量が極めて多い品目です。コンテナ船は事前に密閉された箱に入った貨物を運びますが、バルクキャリアは船倉全体を貨物で満たす構造になっています。
参考)バルクキャリアー
バルク貨物は輸送コストが低く大量輸送に向いています。梱包や荷崩れの心配が少ないため、単一デッキ構造が一般的です。
バルクキャリアは積載量(DWT:載貨重量トン)によって分類されます。DWTとは、燃料・水・貨物を含めた船が運べる総重量のことです。
参考)http://www.ymf.or.jp/wp-content/uploads/70-09.pdf
主な船型は以下の3つです。
参考)https://www.jttri.or.jp/members/journal/assets/no13-04.pdf
参考)https://hongocean.com/ja/bulk-carriers/
穀物輸送や石炭輸送に多く従事します。
参考)01_ドライバルク輸送
大型で長距離輸送向けです。
パナマ運河を通過できないため、喜望峰(Cape of Good Hope)経由で航行します。
ケープサイズは東京ドーム約2個分の長さに相当します。さらに大型の超大型鉱石運搬船(VLOC)は400,000 DWTにも達し、鉄鉱石専用として使われます。
バルクキャリアとコンテナ船では輸送方法が根本的に異なります。コンテナ船は規格化された箱(コンテナ)を積み重ねて貨物を運びます。一方、バルクキャリアは船倉に直接貨物を流し込みます。
コンテナ船は多品種の貨物を一度に扱えますが、バルクキャリアは基本的に単一種類の貨物を大量に運びます。例えば、鉄鉱石だけ、穀物だけといった専用船が多いです。総重量50,000トン以上のバルクキャリアは積載設備を持たず、港のクレーンやコンベイヤーベルトで荷役します。
在来船(一般貨物船)は、コンテナに収めることができない重量貨物や長尺貨物を運びます。
バルクキャリアは在来船の一種です。
つまり、コンテナ船とバルクキャリアは輸送形態が完全に別物ということですね。
通関業務では、バルク貨物は特別な取り扱いを受けます。輸入時、FCL貨物(フルコンテナ)はCYヤードへ、LCL貨物(混載コンテナ)はCFSヤードへ搬入されますが、バルク貨物は船会社指定場所へ搬入されます。
参考)https://marushinkoun.co.jp/business/tax_import.html
バルク貨物は「24時間ルール」の適用免除対象です。24時間ルールとは、米国向け貨物のマニフェスト情報を船積み24時間前に申告する義務のことです。ブレーク・バルク貨物(個別荷役するばら積み貨物)は米国関税当局の判断次第となります。
参考)https://www.jmcti.org/C-TPAT/news/2003/data49/ACE.pdf
税関への輸入申告では、通関書類と貨物の一致を確認後、NACCS(通関情報処理システム)を使って申告します。管轄税関が審査し、関税・消費税の納付確認後に輸入許可が下ります。バルク貨物の場合、船会社指定場所から引き取ることができます。
バルク貨物の通関で最も注意すべきはHSコード(関税分類コード)の誤りです。HSコードを間違えると、追加関税や罰金が発生し、過去5年分さかのぼって請求されるケースもあります。
参考)輸出入におけるHSコード分類ミスが招く関税トラブルと防止策|…
HSコード分類ミスの典型的なトラブルは以下の通りです。
参考)HSコードの誤記とその法的リスク
バルク貨物は梱包されていないため、商品の形状や用途を正確に把握しづらいです。例えば、鉄鉱石と石炭では税率が異なるため、分類を間違えると想定外のコストになります。
事前教示制度を活用すれば安心です。初めて輸入する品目や類似品目では、税関に事前相談し、正しいHSコードを確認できます。過去の輸入データを参照し、分類の一貫性を保つことも重要です。海外の取引先が提供するHSコードをそのまま使わず、必ず日本の税関で確認してください。
参考)HSコードの誤りで発生する通関トラブルと対策
税関公式サイトでは、HSコード分類の無料相談を受け付けています。
分類に迷ったら、まずここで確認しましょう。