B/L原本なしに貨物を引き取ると、あなたが知らない第三者から損害賠償を請求されるリスクがあります。

booking note(ブッキングノート)とは、船会社・NVOCC等への船腹予約が受理された際に発行される確認書です。 商船三井などの大手船社では「Booking Confirmation」とも呼ばれ、この時点で船名・航海番号・CY(コンテナヤード)カットオフ日・書類締切日が確定します。 ots-jpn(https://ots-jpn.com/international_transportation/shipment-documents/)
通関業従事者がとくに注意すべき記載項目は以下のとおりです。
- 船名・航海番号:B/Lとの一致が必須。相違があると原産地証明等の後発書類が連鎖して訂正になる
- 積地・揚地(Port of Loading / Port of Discharge):インコタームズと矛盾しないか確認
- 貨物情報(品名・数量・重量・容積):S/I(Shipping Instruction)に転記する基礎データ
- コンテナタイプ・サイズ(FCL/LCL):危険品の場合は承認番号も記載が必要 mkc-net2(https://mkc-net2.com/difference-booking/)
- フレート支払方法(Prepaid/Collect):インボイスの建値と整合していること
- ブッキング番号:船会社への問い合わせ・変更連絡の際に必ず使う番号 rubiconem(http://www.rubiconem.com/blog/cat10/000199.html)
ブッキング番号が基本です。この番号がなければ、CYカットオフ後の問い合わせも対応してもらえません。
booking noteはB/Lのドラフト確認、S/I作成、インボイス照合など下流工程の全起点になります。 記載ミスを早期に発見するため、受取後24時間以内に全項目を照合することが実務上の原則です。これは使えそうです。 lab.pasona.co(https://lab.pasona.co.jp/trade/word/424/)
L/Gとは「Letter of Guarantee(保証状)」の略で、B/L原本なしに輸入貨物を引き取る際に船会社へ差し入れる書類です。 通常、輸入者の取引銀行が連帯保証したものを「Bank L/G(銀行連帯保証状)」と呼び、これが実務上の標準形です。 foresight(https://www.foresight.jp/tsukanshi/column/letter-of-guarantee/)
L/Gが必要になる主な場面は次の3つです。
- B/L原本未着:貨物が輸入港に到着したのにB/L原本が郵送遅延などで手元にない場合
- B/L内容訂正:荷主名・品名・数量などの記載誤りが判明し、船会社に訂正を求める場合
- D/O取得の前倒し:運賃支払い後、早期にDelivery Order(荷渡指図書)を取得したい場合 ntl-naigai.co(https://www.ntl-naigai.co.jp/glossary/l/lg.html)
Bank L/Gを申請する際は、「B/LコピーをもとにL/G申請内容を正確に作成する」ことが絶対条件です。 間違った内容では銀行審査が通らず、輸入手続きが中断してしまいます。厳しいところですね。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-011132.html)
booking noteの誤記は、後続のすべての書類に波及します。これが原則です。
たとえばbooking noteの船名を誤記したままS/Iをフォワーダーへ送ると、B/Lドラフトにも誤った船名が反映されます。L/C(信用状)決済の場合、L/C条件と一致しないB/Lは銀行に「Discrepancy(書類瑕疵)」として指摘され、代金回収が止まります。 service.shippio(https://service.shippio.io/glossary/terms-iv-sl-pl/)
その場合の対処フローは以下のとおりです。
1. 船会社へB/Lアメンド(訂正)依頼を出す
2. アメンドには1件あたり数千円〜数万円の手数料がかかるケースがある
3. L/C条件の期限内に訂正B/Lを再提示できなければ、L/Gによる担保措置が必要になる
4. Bank L/G申請のためにB/Lコピーで内容再確認→銀行審査→船会社提出の工程が発生する
5. この工程には最短でも2〜3営業日を要する
書類締切日が基本です。CY締切・書類締切の両日程を起点に逆算して、booking note受取から48時間以内に全書類の照合を完了させるのが実務担当者のゴールです。
参考として、JETROが公開している輸出貿易実務の書類フローは通関業者・荷主双方の役割を整理するのに役立ちます。
貿易実務の流れ(輸出)- JETRO|書類・情報・貨物の3つの流れを図解した公式資料
一般的な解説では触れられませんが、通関業の現場では「booking noteのフレート条件がインコタームズと矛盾するケース」が繰り返し発生しています。
具体的にはEXW(工場渡し)条件で契約しているのに、booking noteに「Freight Prepaid(運賃元払い)」と記載されているケースです。この矛盾に気づかずB/Lを発行すると、関税評価額の算定に影響し、輸入者側で修正申告が必要になることがあります。 service.shippio(https://service.shippio.io/glossary/terms-iv-sl-pl/)
チェックポイントをまとめます。
- インコタームズとフレート条件の一致:CPT/CIF以降は「Prepaid」、EXW/FCAは「Collect」が基本
- 品名の英語表記:税関申告書・インボイスのHS品目分類と矛盾しないか
- 仕向地コード(UN/LOCODE):揚地コードの誤りは仕向港税関での書類不一致を引き起こす
- NVOCC経由の場合のHouse B/L管理:booking noteはマスターB/Lベースのため、ハウスB/L側の情報と二重確認が必要
フレート条件が条件です。このミスは輸入者が発見する前に税関が指摘することがあり、「修正申告」という形で時間とコストの両方を消費します。意外ですね。
NACCSのブッキング業務システムを活用することで、booking note情報を電子的に一元管理し、照合作業を効率化することができます。 bbs.naccscenter(https://bbs.naccscenter.com/_files/00109314/201701240501.pdf)
NACCSによる船腹予約業務の電子化について|業務統一化と管理効率化の詳細が記載されたPDF資料
Bank L/Gの申請は、実際には輸入者・輸入地フォワーダー・銀行の三者が連携して行います。 手順を順に整理します。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-011132.html)
1. 輸出者からB/Lコピーをいち早く入手する:EメールやDHLで送付してもらい、内容を確認する
2. フォワーダーにArrival Notice(到着案内)を確認する:到着予定日と照合
3. 取引銀行にBank L/G申請書を提出する:この時点でB/Lコピーと完全一致する内容が必要
4. 銀行の審査・連帯保証付きL/G発行を待つ:審査には1〜2営業日かかるのが一般的
5. 船会社へL/Gを提出してD/Oを取得する
6. D/Oを用いてCYまたは倉庫で貨物を引き取る
7. B/L原本が届き次第、速やかに船会社へ提出してL/Gを回収する
L/G未回収のリスクに備えるために、社内の書類管理台帳でL/G発行日・B/L原本到着予定日・回収期限を一覧管理することを強くお勧めします。フォワーダーによっては到着通知メール発送時にB/L原本の回収リマインダーを送るサービスを提供している会社もあります。