ISO認証がなくても通関手続きは可能ですが、認証取得企業は輸出先国で検査頻度が最大30%削減されることがあります。
国際標準化機構(ISO)は、1947年2月23日に設立されたスイス民法による非営利法人です。スイスのジュネーヴに本部を置き、日本を含む世界165カ国の標準化組織から構成される非政府組織として活動しています。
参考)https://www.digima-japan.com/knowhow/world/16706.php
ISOの正式名称はInternational Organization for Standardizationで、「アイエスオー」「イソ」「アイソ」などと呼ばれています。これは国家間に共通な標準規格を策定・提供し、世界貿易を促進する独立組織です。
参考)ISO(国際標準化機構)とは? ISOを取得する意義やメリッ…
設立の背景には、第二次世界大戦後の国際貿易の活性化があります。1946年にロンドンの土木工学研究所に集まった25カ国の代表者が中心となって設立されました。電気及び電子技術分野を除く全産業分野(鉱工業、農業、医薬品等)に関する国際規格の作成を行っています。
参考)日本産業標準調査会:国際標準化(ISO/IEC)-ISO/I…
現在、ISOは2万を超える国際規格を策定・提供しており、世界中の製品の安全性や質を高めることに貢献しています。
参考)国際標準化機構(ISO)とは?ISOの種類や取得メリットをわ…
ISOの主な目的は、世界中の製品の「標準化」です。つまり安全・安心で信頼性の高い製品や食品・サービスを継続的に生産できる体制を国際的に構築することにあります。
具体的な役割としては、以下の3点が挙げられます。まず、輸入される製品の安全を保証すること。次に、国家間に共通な標準規格を策定・提供することで世界貿易を促進すること。そして、製造業者・流通業者・消費者などの不都合を解消するために国際的なルールを定めることです。
参考)ISO
WTO/TBT協定との関係も重要です。1995年発効のWTO協定は、非関税障壁をなくすべく、各国に対しISOなど国際標準化機関の認定する国際規格への準拠を促しました。国際通商の自由を担保するために規格を国際的に統一する動きが高まっているということですね。
参考)ISO/TC 112(真空技術)京都大会参加報告
ISOが国際的に共通の基準を設けることは、世界中の製品の安全性や質を高めることや、世界貿易を発展させることに役立っています。企業が提供する製品やサービスについて安全性や機能、品質についてのバラつきを統一することで取引の安全性を担保し、経済的に世界貿易を促進することが目標です。
参考)日本人の8割が誤った理解?「ISO」の本質について ~ISO…
ISO規格は大きく分けて「製品規格」と「マネジメントシステム規格」の2種類があります。製品規格は特定の製品やサービスの仕様を定めるもので、マネジメントシステム規格は組織の管理体制そのものを対象とします。
通関業務に関連する主要なISO規格をいくつか紹介します。
ISO 9001(品質マネジメントシステム)
最も有名なマネジメントシステム規格で、組織が顧客に提供する製品・サービスの品質を継続的に改善する仕組みを定めています。1987年に制定され、国際的な品質保証と標準化の規格として広く活用されています。
参考)ISOについて|南海エクスプレスについて|株式会社南海エクス…
ISO 14001(環境マネジメントシステム)
環境保全に関する規格で、実はマネジメントシステム規格の源流はこちらにあります。組織の環境への影響を管理し、継続的に改善する体制を構築します。
参考)株式会社テクノファ
ISO 22000(食品安全マネジメントシステム)
食品の安全性を確保するための規格です。HACCPの考え方を基礎としながら、ISO9001の品質管理要素も組み込んでいます。食品輸出では、認証取得により輸出先国での通関がスムーズになったり、取引先からの信頼を得やすくなったりします。
参考)食品輸出でISO認証は必須?HACCPでいい?取得メリットを…
ISOは電気関連量以外の工業分野の規格をISO規格として策定しています。電気及び電子技術分野の国際標準化に関するすべての問題はIECが担当し、その他の問題はすべてISOが担当するという合意原則に基づいています。
ISO認証取得には多くのメリットがありますが、通関業務従事者にとって特に重要なポイントを解説します。
通関手続きの効率化
認証を取得することで、輸出先国での通関がスムーズになります。一部の国では、ISO認証を持つ施設からの輸入品に対して、検査の頻度を減らすなどの優遇措置を設けている場合があります。特に生鮮食品など鮮度が重要な商品を扱う場合、迅速な通関は大きなメリットとなります。
国際的な信頼の獲得
国際基準に準拠していることを客観的に証明でき、現地の規制や買い手の要件にスムーズに対応できます。入札や調達要件での優位性を得られるほか、品質管理やトレーサビリティ体制をアピールできます。
参考)https://global.solid-corp.com/column/143/
海外販路の拡大
ISOは「輸出の切符」として機能します。現地バイヤーやディストリビューターに「信頼できる取引先」として認識してもらう第一歩になりますね。海外商談では、品質・納期・価格だけでなく「管理体制」が重視されるため、ISOを持っていることは製品そのものだけでなく、企業の運営体制への信頼感を与える武器になります。
AEOとの相乗効果
ISO体制が整備されていると、AEO(認定事業者)制度の承認・認定を受けやすくなります。AEO制度は、貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された事業者に対し、税関手続の緩和・簡素化策を提供する制度です。
参考)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/kaizen.htm
ISO認証により自社が関与する輸出入貨物について、日本税関のみならず相手国における税関手続でもリスクに応じて書類審査・検査の負担が軽減される等の追加的効果が発生します。
ISO規格と通関業務の実務的な連携について、具体的な活用方法を紹介します。
AEO制度との統合運用
認定通関業者制度では、貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された通関業者について、輸入者の委託を受けた輸入貨物について貨物の引取り後に納税申告を行うことが可能となります。また、輸出者の委託を受けて保税地域以外の場所にある貨物について輸出の許可を受けることや輸出入申告官署の自由化を利用した輸出入申告が可能となります。
承認(認定)書等の交付は、承認(認定)申請書を受理した日から1か月以内(認定通関業者に関しては2か月以内)に行うよう努めることとされています。つまり比較的短期間で手続きが完了します。
参考)https://www.customs.go.jp/zeikan/seido/aeo/faq/index06.htm
相互承認による国際的効果
AEO相互承認により、自社が関与する輸出入貨物について日本税関のみならず、相手国における税関手続でもリスクに応じて書類審査・検査の負担が軽減される等の追加的効果が発生します。AEOとしての企業ステータスが国際的に認知されます。
ISO認証を活かした営業戦略
認証に適合した製造・管理プロセスを積極的に発信することが重要です。例えば、食品メーカーであれば「ISO 22000に基づいた製造体制」を、化粧品や医療機器であれば「ISO 13485認証済み工場での生産」をアピールすることで、輸入業者や規制当局とのやり取りがスムーズになります。
実際の受注や販売につなげるには、以下の点も並行して進めることが効果的です。輸出先国での市場調査(競合・ニーズ・規制)、現地パートナー(販売代理店・ディストリビューター)の選定、輸出入関連の法令やラベリング要件への対応、関税・輸送・通関など実務面での最適化が必要です。
コスト管理の視点
ISO認証取得には費用がかかりますが、効率的に進めることでコストを抑えられます。すべてをコンサルタント任せにするのではなく、自社で対応できる部分を増やすことでコストを抑えることができます。外部に任せず自社で苦労して取り組むことで、ISOに関する知見が社内に蓄積され、将来的な運用や改善の際にも役立つという大きなメリットがあります。
参考)ISO認証費用節約:効率的な進め方
一方で、ISO認証を返上する企業も増えています。返上のメリットとしては、審査費用カットでき年間経費に余裕ができることに加えて、審査や審査前準備の工数を削減することができるので、通常業務に時間を割くことができるようになります。自社の状況に応じて、認証維持のコストとメリットを比較検討することが重要ですね。
参考)ISO認証を返上する企業が増えているのはなぜ?メリットとデメ…

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