証明書を輸入申告後に提出すれば減税が受けられると思っていませんか?
関税暫定措置法基本通達は、昭和48年3月1日に蔵関第1150号として制定された税関の内部規程です。この通達は関税暫定措置法の運用における具体的な手続きや解釈を示すもので、通関業務従事者にとっては実務上の重要な指針となります。
参考)https://www.customs.go.jp/kaisei/zeikantsutatsu/kihon/TU-S48k1150.pdf
法律本体が原則を定めるのに対し、基本通達は実務レベルでの取扱い方法を詳細に規定しています。例えば証明書の様式、帳簿の記載方法、税関長の確認手続きなど、日常業務で必要となる具体的な事項が網羅されています。
通達は法令ではないため直接的な拘束力はありませんが、税関における統一的な運用を確保するために極めて重要です。各税関がバラバラの解釈をすれば輸入者に混乱が生じるため、通達に従った処理が実務では標準となります。
通関士試験でも基本通達の内容が出題されることがあり、実務と試験対策の両面で習得すべき知識です。特に減税・免税制度の手続き部分は頻出分野といえます。
加工再輸入減税制度(暫定措置法第8条)は、日本から輸出した原材料を海外で加工・組立後に再輸入する際、原材料相当額の関税を軽減する制度です。基本通達8-4から8-13では、この制度の詳細な手続きが規定されています。
参考)https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1605_jr.htm
輸出時には「加工・組立輸出貨物確認申告書」(P-7700)を2通提出し、税関の確認印を受けた1通(交付用)を保管する必要があります。これが製品再輸入時の確認用となるため、紛失すると減税が受けられなくなるリスクがあります。
参考)原材料を日本から送り、海外で加工・組み立てし再度輸入する際の…
輸入時には輸出許可書、加工を証する契約書、「加工・修繕・組立製品減免税明細書」(T-1060)、確認申告書(交付用)を提出します。輸出原材料と製品の同一性確認は、材質・規格・色柄などの詳細な照合により行われます。
減税額の計算では、製品の関税額に輸出原材料の課税価格相当価格を製品の課税価格で除した割合を乗じて算出します。副産物が生じる場合や現地調達材料を使用する場合は計算方法が異なるため、事前に税関に相談することが重要です。
JETROの加工再輸入減税制度の詳細解説(要件・手続・計算例)
特恵関税制度では、途上国からの輸入品に低税率を適用しますが、国内産業に損害を与える場合は適用を停止できる「エスケープ・クローズ」が設けられています。基本通達8の2-1では、輸入申告受理時に適用停止の有無を確認することが義務付けられています。
原産地証明書は輸入申告時に提出が原則ですが、基本通達8の2-9では災害等のやむを得ない理由がある場合、税関長の承認により提出猶予が認められます。猶予期間は原則2か月以内です。
課税価格の総額が20万円以下の少額貨物は原産地証明書の提出が不要とされていますが、特例委託輸入者の貨物など関税徴収の確保に支障がある場合は例外となります。この20万円という基準額は実務上重要な判断ポイントです。
原産地証明書に軽微な誤りがある場合でも、真正性や記載内容の正確性に影響がなければ特恵関税を適用できます。ただし、HS番号や特恵基準など原産性に関する項目の不備は原則無効となるため、慎重な確認が必要です。
軽減税率の適用を受ける物品については、関税暫定措置法施行令第33条により帳簿の備付けと5年間の保存が義務付けられています。基本通達9-10では、既存の営業帳簿で規定事項が記載されていれば専用帳簿の作成は不要としています。
飼料用とうもろこし(令第3条)の場合、共同利用施設の確認を受けた施設では、管理者が軽減税率適用原料・副原料・製品飼料の搬出入を記録する義務があります。原料品と製品は別個の帳簿に記載し、製造番号により相互関係を明確化する必要があります。
税関の事後確認で関税法規の順守状況が不良と評定された場合、改善指導を経ても改善されなければ確認の取消し等の措置が取られます。年間数百万円規模の減税を受けている場合、確認取消しは企業に大きな経済的打撃となります。
コーンフレーク製造用とうもろこし(令第32条第1項第7号・8号)では、製造委託する場合の受入先の記録も必要です。複雑な製造工程を持つ企業では、帳簿記載の漏れが生じやすいため、内部管理体制の整備が不可欠です。
基本通達第12節の2では、EPA(経済連携協定)に基づく関税割当制度の適用手続きが定められています。経済連携協定割当政令第2条第7項の関税割当証明書を輸入申告時に提示する必要があり、蔵入承認申請時にも提示が求められる場合があります。
EPA税率適用貨物の加工・修繕減税(暫定措置法第8条の7)では、一般の加工再輸入減税とは異なる様式の確認申告書(P-7720)を使用します。本邦での加工困難性を問わない点が特徴で、より広範な減税機会が提供されています。
特定輸出者・認定通関業者の場合、確認申告書の交付を省略し、相当書類を適切に管理することで手続きが簡素化されます。ただし後日提示が必要となった際に書類がなければ減税が受けられないため、管理体制の確立が前提となります。
再輸入期間は輸出許可日から1年以内が原則ですが、震災・風水害等やむを得ない理由がある場合、「再輸入・再輸出・輸入期間延長承認申請書」(T-1065)により延長承認を受けられます。承認書の写しを輸入申告時に提出することが必要です。