無料アプリで通関データを保管すると、税務調査で証拠不足になる可能性があります。
参考)無料のプロジェクト管理ツールの危険性と注意点
通関業務では、インボイス、パッキングリスト、B/L(船荷証券)などの貿易書類をNACCS経由で申告し、許可通知情報を保管する必要があります。これらの書類は関税法により、輸入の場合は7年間の保存が義務付けられています。保存期間が長いということですね。
参考)https://it-trend.jp/inventory_control/article/97-5154
データ管理アプリは、こうした書類を電子化して保管し、必要なときにすぐ検索・閲覧できる仕組みを提供します。具体的には、PDFや画像ファイルとして書類をアップロードし、案件番号や日付、取引先名などのタグを付けて分類します。通関士コードや申告番号と紐づけて管理すれば、税関からの問い合わせにも迅速に対応可能です。
参考)https://it-trend.jp/textmining/article/124-0029
無料のデータ管理アプリには、Evernote、Google Keep、Notion、Dropbox、Google Drive、Microsoft OneDriveなどがあります。これらは基本的なファイル保存・共有機能を備え、個人利用や小規模チームでの情報共有に適しています。通関業務でも、日常的なメモや一時的なファイル共有には十分活用できます。
参考)https://www.e-sales.jp/eigyo-labo/data-management-1484
ただし、通関業務特有の要件として、データの改ざん防止、長期保存の信頼性、税務調査への対応力が求められます。これらは無料版では限界があることに注意が必要です。
参考)https://www.smartocr.jp/ocr-lab/?p=1225
無料版の最大の制約は、ストレージ容量です。Google Driveは15GB(Gmail等と共用)、Dropboxは2GB、Microsoft OneDriveは5GB、Boxは10GBまでとなっています。
参考)無料でデータ保存できるクラウドストレージ8選|メリットや選び…
通関業務で扱う書類を例に計算してみましょう。1件のインボイスをスキャンしたPDFが平均500KBとすると、2GBのストレージには約4,000件分しか保存できません。つまり東京ドーム約0.04個分のデータ容量です。月間200件の輸入申告を行う通関業者なら、わずか20か月で容量が満杯になります。
さらに、無料版ではユーザー数にも制限があります。Google Driveは1アカウントにつき1人、有料版でないと複数人での業務分担が困難です。通関業務は複数の担当者が同じ案件の書類にアクセスする必要があるため、この制限は大きな障害となります。
参考)NACCSとACP通関:業務効率化の裏側をプロが紹介 – ス…
また、無料版にはファイルの保存期間やアクセス履歴の記録機能が不十分な場合があります。関税法は輸入書類を7年間保存することを義務付けていますが、サービスの利用規約によっては一定期間アクセスがないとデータが削除されるリスクもあります。データ保存の信頼性が基本です。
無料アプリの深刻なリスクとして、セキュリティの脆弱性があります。通関書類には輸入者の企業名、取引価格、仕入先情報など、機密性の高いデータが含まれます。これらが外部に漏洩すれば、取引先との信頼関係が損なわれ、企業の社会的信用が低下します。
参考)https://it-trend.jp/business_card_management/article/app-security
実際の事例として、2018年には無料アプリ28種類で約30万人分のアドレス帳情報が流出しました。また、無料の名刺管理アプリでは、ダウンロード時にアクセス権を求められ、運営者が個人情報を利用できる状態になっていたケースも報告されています。
参考)https://www.maikuma.jp/page_009.html
無料版では、データ転送時の暗号化が不十分であったり、認証プロセスが弱かったりすることがあります。また、データの所有権に関するポリシーが不透明で、サービス提供者が無断でデータを利用したり、最悪の場合アクセスできなくなったりする可能性もあります。これは使えそうです。
通関業務では、NACCSから取得した許可通知情報を安全に保管する必要があります。情報漏洩が発生すれば、税関からの信頼を失い、業務停止などのペナルティを受けるリスクもあります。そのため、セキュリティ対策が厳格なアプリを選ぶことが不可欠です。
参考)貿易業務管理ソリューション「TradeWise 通関データベ…
セキュリティを確認する際のポイントは以下の通りです:
これらを満たすアプリであれば、通関業務でも安心して利用できます。
名刺管理アプリのセキュリティリスクに関する詳細はこちら
通関業務に特化したデータ管理を考える際、一般的な無料アプリでは見落とされがちなのが、NACCS連携と電子帳簿保存法への対応です。
NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)は、税関への申告や許可通知の受信を行う通関業務の基幹システムです。TradeWise通関データベースのような専門ツールは、NACCSから輸出入許可通知情報を自動取得・蓄積し、リアルタイムで申告状況を確認できます。このシステムは、数量・価格・関税・消費税などの主要申告情報をデータベース化し、検索や分析を容易にします。
一方、無料の汎用データ管理アプリでは、NACCS連携機能はありません。そのため、許可通知のPDFを手動でダウンロードし、アップロードする作業が必要になります。月間数百件の申告を扱う通関業者にとって、この手作業は大きな負担です。
参考)https://bbs.naccscenter.com/_files/00170819/NACCS_2026.pdf
電子帳簿保存法は、通関書類を電子データで保存する際の要件を定めています。具体的には、真実性の確保(タイムスタンプや訂正削除履歴の保存)、可視性の確保(検索機能や画面・書面への出力)が求められます。
無料アプリの多くは、タイムスタンプ機能や詳細なアクセス履歴の記録機能を持ちません。そのため、税務調査の際に電子データの証拠能力が認められない可能性があります。電子帳簿保存法に対応したアプリを選ぶことが条件です。
専門的なシステムは導入コストが高いため、小規模な通関業者には負担が大きいのも事実です。しかし、業務規模が拡大し、取扱件数が増えてきた段階では、NACCS連携や法令対応の機能を持つツールへの移行を検討すべきです。
参考)https://www.kantsu.com/case/%E5%9C%A8%E5%BA%AB%E7%AE%A1%E7%90%86%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%81%AE%E9%81%B8%E3%81%B3%E6%96%B9%EF%BC%81%E7%84%A1%E6%96%99%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AA%E3%81%AF%E8%A6%81%E6%B3%A8%E6%84%8F/
NACCS連携システムの詳細はキヤノンITソリューションズの公式情報をご覧ください
無料版から有料版への移行を検討すべきタイミングは、以下の3つのシグナルから判断できます。
まず、ストレージ容量が80%を超えたときです。容量不足で新しいファイルを保存できなくなると、業務が停止します。これは厳しいところですね。先ほどの例では、月間200件の申告を行う業者なら、約16か月で2GBの容量が満杯になる計算です。容量不足が見えてきた段階で、有料プランやストレージ容量の大きいサービスへの移行を準備すべきです。
次に、複数人でのアクセスやファイル共有が頻繁に必要になったときです。無料版ではユーザー数に制限があり、チームでの業務分担が困難です。通関士が複数名在籍し、案件ごとに担当者を分ける必要がある場合、有料版のユーザー数無制限プランが効率的です。
参考)【3社比較】容量無制限で使えるオンラインストレージサービスは…
最後に、セキュリティやコンプライアンスの要求が高まったときです。取引先から情報管理体制の証明を求められたり、税務調査で電子帳簿の証拠能力を問われたりする場面では、セキュリティ認証や電子帳簿保存法対応が必須となります。この段階では、専門的なシステムへの投資が避けられません。
有料版への移行時には、データのエクスポート機能があるか事前に確認しましょう。無料版で蓄積したデータをスムーズに移行できるアプリを選べば、業務の中断を最小限に抑えられます。データ移行手順が明確なら問題ありません。
移行の判断材料として、現在の保存データ量、月間の新規追加ファイル数、アクセスするユーザー数、取引先からのセキュリティ要求レベルを定期的にチェックすることをおすすめします。これらの数値が無料版の限界に近づいたら、移行のタイミングです。
無料ツールから有料版への移行に関する詳細な注意点はこちら

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