絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約通称略称と通関実務

絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の通称略称と、通関業務で注意すべき附属書の違いや違反事例について詳しく解説します。CITES手続きで知らないと最大1億円の罰金を受ける可能性があることをご存知ですか?

絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約通称略称と通関実務

附属書IIの貨物でも輸入承認証が必要な場合があります。

この記事の3ポイント要約
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正式名称と通称略称

「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」は「ワシントン条約」または「CITES(サイテス)」と呼ばれる国際条約で、通関業務での必須知識です

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附属書による規制の違い

附属書I・II・IIIで必要な許可証が異なり、手続き漏れは法人で最大1億円の罰金、個人で懲役5年以下の重い罰則の対象となります

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通関実務での注意点

CITES輸出許可書の有効期限切れや記載漏れによる通関トラブルが多発しており、事前確認と通関業者との連携が重要です

絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約の正式名称と通称


この条約の正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」で、非常に長い名称です。通関業務では、通常「ワシントン条約」または英語名の頭文字を取った「CITES(サイテス)」という略称で呼ばれています。
参考)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約 - …


英語の正式名称は「Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora」で、この頭文字からCITESという略称が生まれました。1973年に米国のワシントンD.C.で採択されたことから「ワシントン条約」という通称が定着しています。
つまりCITESです。
通関業務従事者としては、申告書類や輸出入承認証、税関手続きにおいて「CITES輸出許可書」「CITES管理当局」といった表記が頻繁に登場するため、この略称に慣れておく必要があります。また、荷主や依頼者との会話では「ワシントン条約」という通称の方が理解されやすい場合もあるため、状況に応じた使い分けが求められます。

ワシントン条約附属書I・II・IIIの違いと通関手続き

ワシントン条約では、規制対象となる野生動植物を絶滅の危機の度合いに応じて附属書I・II・IIIの3つに分類しています。附属書Iには絶滅のおそれのある種で取引による影響を受けているものが記載され、原則として商業目的の国際取引は禁止されています。
附属書Iの貨物を輸入する場合、輸出国発行のCITES輸出許可書に加えて、経済産業大臣が発行する「輸入承認証」が必要です。税関での通関時には、両方の原本を提出しなければなりません。輸入承認証は通関後に返却されるため、郵送申告の場合は返信用封筒の同封が必要です。
参考)https://www.customs.go.jp/tokyo/yuubin/6washinton_n.htm


附属書IIは必須です。
附属書IIには、現在は必ずしも絶滅のおそれはないが、取引を規制しなければ絶滅のおそれのあるものが記載されています。通関時にはCITES輸出許可書の原本を税関に提出する必要がありますが、附属書Iと異なり輸入承認証は原則不要です。ただし、特定国を原産とするものなど一部の貨物については「事前確認書」が必要になる場合があるため注意が必要です。
参考)ワシントン条約 - WOR(L)D ワード|大和総研の用語解…


附属書IIIは、締約国が自国内の保護のため他の締約国に協力を求める種が記載されます。附属書に掲載した国以外を原産地とする場合、原産地証明書の提出で輸出入が可能になるなど、手続きが若干異なります。
参考)原産地証明:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関す…


通関業務従事者は、貨物がどの附属書に該当するかを正確に判断し、必要な書類を事前に確認することで、通関遅延や違反を防ぐことができます。

ワシントン条約違反による罰則と通関業務のリスク

ワシントン条約に違反した輸出入は、個人の場合で懲役1年以下または100万円以下の罰金、法人の場合は2,000万円以下の罰金が科せられます。さらに深刻なのは、税関で申請・監査を受けずに輸出入(密輸入)が発覚した場合です。個人で懲役5年以下または500万円以下の罰金、法人では最大1億円以下の罰金という非常に重い罰則が課せられます。
違反の原因として最も多いのが、CITES輸出許可書の有効期限切れや記載漏れです。実際の事例では、輸送に適する気候になってから改めて出荷を依頼したところ、輸出者が取得していたCITES許可書の有効期限が切れていたことに気づかず輸入通関を行い、違反となったケースがあります。​
法人で最大1億円です。
ワシントン条約対象貨物は、CITES輸出許可書がない場合、原則として輸入することができません。税関で輸入が差し止められた場合、貨物は没収または手続きを経て再輸出となり、荷主に多大な損失と信用失墜をもたらします。違反の重大性によっては、行政処分として輸出入の差し止めや税関からの指導が入るケースもあります。
通関業務従事者としては、荷主から提供された情報だけに頼らず、貨物の内容を確認し、ワシントン条約対象種が含まれていないか事前にチェックする体制が必要です。特にオークションサイトやフリマサイトを通じて購入したワニ革バッグやニシキヘビ革靴などの革製品は、輸出国発給のCITES輸出許可書が必要となるため注意が必要です。
参考)https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/index.html

CITES輸出許可書の記載ミスがあった場合の通関対応

通関実務において、CITES輸出許可書に記載ミスや記載漏れがあった場合の対応方法を知っておくことは重要です。原則として、記載内容に誤りがある輸出許可書では輸入通関が認められませんが、例外的な救済措置も存在します。
参考)https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/cites_qa.html

輸出国政府による記載漏れや誤りについて説明した確認レター等を入手した場合、その書類の提出をもって例外的に輸入通関が認められる場合があります。また、軽微な誤記等である場合にも輸入通関が認められるケースがあるため、申請窓口に問い合わせることが推奨されています。​
これは使えそうです。
輸出許可書の記載ミスが発覚した場合、まず輸出国のCITES管理当局に連絡し、確認レターの発行を依頼することが現実的な対応策となります。ただし、この対応には時間がかかるため、通関予定日に間に合わない可能性も考慮し、荷主に事前に説明しておく必要があります。
通関業者との緊密な連携も重要です。CITES輸出許可書の内容確認は、通関申告前の段階で行うべきであり、記載内容(種名、数量、有効期限など)が貨物と一致しているか、正確な情報のやり取りを通じて確認します。記載ミスを早期に発見することで、輸出国での訂正や確認レターの取得など、適切な対応が可能になります。​

通関業務で見落としやすいワシントン条約の特例制度

ワシントン条約には、個人の携帯品や引越荷物に対する特例制度があり、通関業務従事者はこの制度を正確に理解しておく必要があります。一時的に出国して入国する日本からの旅行者の場合、携帯品・職業用具・お土産品が特例の対象となります。
参考)https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/cites_tokurei.html

永住目的で出国する者が引越荷物としてペットを輸出する場合、引越特例に該当しワシントン条約の規制対象外となる場合があります。ただし、輸入国によっては日本のような特例がなく、CITES許可書が必要になる場合があるため、輸入国への確認が必要です。​
意外ですね。
お土産品の特例として、附属書IIに掲げる種を使用した製品を個人が個人使用目的で携帯または別送して輸出入する場合、一定の条件を満たせば外為法に係る輸出入手続きが不要になります。ただし、相手国の税関通関時には手続きが必要な場合があるため、相手国税関への確認が推奨されています。​
特例制度があるにもかかわらず、「CITES輸出許可書」を所持せずにワシントン条約対象の動植物や製品(みやげ品)を日本に持ち帰り、税関で輸入を差し止めされるケースが多発しています。通関業務従事者としては、個人の旅行者や引越荷物であっても、ワシントン条約対象品が含まれていないか確認し、特例の適用条件を満たしているか判断する必要があります。​
経済産業省の個人向け特例制度の詳細ページでは、対象者ごとの特例適用貨物と留意事項が表形式で整理されており、通関実務の参考になります。


私は通関業務従事者向けのブログ記事を作成します。まず、検索結果から得た情報をもとに、記事構成を作成します。



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