ISF中古注意点と申告ミス回避の実務ポイント

中古品のISF申告では製造者情報や商品価値の扱いが新品と異なり、誤った申告は5,000ドルの罰金につながります。通関業務でミスを防ぐために、押さえるべき実務上の注意点と対策をご存知ですか?

ISF中古注意点

中古品でも新品と同じ24時間前申告が必須です。


3つの重要ポイント
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申告期限の厳守

船積み24時間前までにISF提出しないと1件5,000ドルの罰金が課される

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中古品の価値申告

現在の状態・過去の所有履歴・修理記録を正確に記載する必要がある

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製造者情報の扱い

中古品でも書類上の製造者名と住所を申告項目に含める義務がある

ISF申告の基本と中古品の対象範囲

ISF(Importer Security Filing)は、米国税関・国境警備局(CBP)が海上貨物に義務付けたセキュリティ申告制度です。中古品であっても海上輸送でコンテナに積まれる貨物はすべて対象になります。


参考)ISF Filing For Used And Second…


対象となる中古品の範囲は広く、中古自動車・電子機器・機械部品など形態を問いません。


つまりISF免除はないということですね。



申告の主体は輸入者本人か、通関業者などの正式な代理人です。代理人を使う場合でも、最終責任は輸入者が負うため関係書類の確認は必須です。

CBPは2009年からISF制度を段階的に導入し、2013年7月以降は罰金を含む罰則を本格運用しています。以前は警告だけでしたが、現在は初回違反でも金銭的ペナルティが科されます。


参考)海上貨物のセキュリティー規則(10+2ルール):米国

ISF中古品で特に注意すべき申告項目

中古品のISF申告では、10項目の情報提出が求められます。新品と異なり「商品の状態」「過去の所有履歴」「修理・改造記録」の詳細な記載が必要です。


参考)ISFってなに?超ざっくり


製造者情報は、中古品でも当初の製造者名と住所を記載します。販売者やリユース業者の情報ではなく、オリジナルの製造元です。


参考)https://www.genspark.ai/spark/isf%E3%81%AE%E6%8F%90%E5%87%BA%E6%96%B9%E6%B3%95/2598c480-e81c-4e2a-b713-f5492d22e734


原産国は製造時の国を指定し、中古品として輸出する国ではありません。商品のHSコード(最低6桁)も正確に分類する必要があります。


参考)自動車のHSコード - PLANETCARS


コンテナ詰め場所と混載業者の詳細(名前・住所)も申告対象です。中古品は複数の場所で保管・積み込みされることが多いため、実際の作業場所を正確に把握しておきましょう。

ISF申告期限と違反時の罰則内容

ISF申告は、貨物が船に積まれる24時間前までに完了させなければなりません。経由港がある場合、最終積み込み港からの出航24時間前が基準になります。


参考)https://hongocean.com/ja/isf-importer-security-filing-declaration-simplified-process-submission-steps/


期限内に申告しなかった場合、1件につき5,000ドルの罰金が科されます。不正確な情報や不完全な申告、更新漏れも同額のペナルティ対象です。


参考)ISF(10+2ルール)とは?項目や提出期限までの流れをわか…


初回違反で5,000ドル、2回目以降は10,000ドルに増額されるケースもあります。罰金に加えて貨物の通関手続きが保留され、港湾での保管料などの追加コストも発生します。


参考)안내메세지


CBPは企業ごとのISF申告率を記録しており、申告率が90%未満の企業は集中的な監視対象になります。過去の申告実績が悪いと、今後の通関審査が厳しくなる可能性があります。


参考)미국 세관, 입항 24시간 전 ISF 신고 의무화

ISF中古自動車の車台番号とHSコード処理

中古自動車をISF申告する際、車台番号(VIN)は重要な識別情報です。自動車通関証明書の申請でも車台番号が必要なため、輸入申告書の記事欄に記載するか、別途書類を用意します。


参考)https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1109_jr.htm

HSコードは排気量とエンジン種別で分類されます。例えば2001cc~3000ccのガソリン乗用車は「8703.23」、3001cc以上は「8703.24」です。


参考)https://www.a2gnetworks.biz/ja/studycode


中古車の場合でも書類上の「製造者」情報を記載します。自動車メーカー名と本社所在地を正確に申告してください。中古車販売業者やオークション会場の情報ではありません。

外国登録書や使用済み証明書類があれば、ISF申告時に添付または参照情報として準備しておくとスムーズです。税関が中古品であることを確認する根拠になります。

税関公式サイト「自動車の輸入通関手続」では、車台番号の記載方法と必要書類の詳細が確認できます

ISF申告ミスを防ぐ実務チェックリスト

申告前に貨物情報の正確性を検証し、船荷証券(B/L)やインボイスとの整合性を確保します。書類間で数値や名称が一致しないと、税関から追加説明を求められます。

製造者・販売者・荷受人など、各主体の情報を明確に区別して記載しましょう。中古品では情報の出所が複雑になりやすいため、誰がどの役割かを整理します。


メンテナンス記録や修理履歴を保管し、ISF申告時に参照できるようにしておきます。中古品の状態を証明する資料は、価値申告の根拠にもなります。

通関業者に依頼する場合でも、輸入者側で最終確認を行います。代理人が申告しても、ペナルティは輸入者に課されるからです。


定期的にCBPの規制変更を確認し、最新の申告要件に対応できる体制を整えます。ISF制度は段階的に強化されてきた経緯があり、今後も運用が厳格化する可能性があります。

ジェトロの「海上貨物のセキュリティー規則」ページでは、ISF違反の罰則詳細と最新の運用状況が掲載されています

中古品取引特有のトラブル回避策

中古品の価値評価は新品より複雑で、過去の使用状況や損傷の有無が価格に影響します。申告価格と実際の商品状態が大きく乖離すると、税関検査の対象になりやすくなります。


改造やカスタムが施された中古品は、オリジナル仕様との違いを明記します。特に中古自動車でエンジンや足回りに手が入っている場合、その旨を申告に含めましょう。


参考)IS Fの弱点や故障、【部品屋の視点】で解説するよ!

複数の中古品を混載する場合、各商品の詳細情報を個別に整理します。まとめて申告すると情報が不明瞭になり、税関から訂正を求められるリスクが高まります。


過去の所有者が複数いる中古品では、所有履歴の追跡が困難なケースがあります。どうしても情報が不足する場合は、その旨をCBPまたは通関業者に事前相談しておくと安心です。


税関担保を保持していない場合、代理人を任命してその担保で申告する方法もあります。ただし代理人との契約内容を明確にし、責任の所在を書面で確認しておきましょう。


参考)https://jp.usembassy.gov/wp-content/uploads/sites/7/2024/05/wwwf-cbp-importer-req.pdf