HSコードの誤分類で貨物価格の5倍まで罰金が科されます。
米国税関・国境警備局(CBP:Customs and Border Protection)は、米国国土安全保障省に属する最大規模の政府機関です。2002年の米国同時多発テロ事件を受けて、従来は財務省や司法省など複数の省庁に分散していた税関、出入国管理、国境警備隊、動植物検疫局を統合し、2003年3月1日に発足しました。
参考)米国国土安全保障省 税関・国境取締局 (CBP) - 在日米…
約60,000人の職員を擁し、空港、港湾、国境検問所、国境周辺などに配置されています。つまり国境関連業務を一元管理する体制です。
参考)アメリカ合衆国税関・国境警備局 - Wikipedia
CBPの主な任務は対テロ作戦、人身売買や麻薬密輸の取締り、農業害虫の侵入防止など、違法または危険な活動から国内の安全を保障することです。税関としてFDA(食品医薬品局)、FSIS(食品安全検査局)、APHIS(動植物検疫局)などの機関と連動し、輸入禁制物の取締りや輸入食品の通関検査を行います。
参考)https://www.cbec.co.jp/article/ufaq/%E7%A8%8E%E9%96%A2%E3%83%BB%E5%9B%BD%E5%A2%83%E4%BF%9D%E5%85%A8%E5%B1%80%EF%BC%88cbp%EF%BC%89%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%82%93%E3%81%AA%E5%BD%B9%E5%89%B2%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8B
通関業務従事者にとってCBPは、米国向け輸出において必ず対応しなければならない機関です。旅行や貿易を促進すると同時に、国家の安全を守るという二つの役割を担っています。
CBPは米国への輸入申告手続きを管轄しており、適切な通関手続きを行わなければ貨物の遅延や追加費用の発生、最悪の場合は貨物の差し押さえといった深刻な事態を招く可能性があります。輸入者には必要書類の準備と正確な申告が求められます。YouTube
通関手続きでは、商品のHTS(Harmonized Tariff Schedule)コード分類が極めて重要です。HTSコードは税関が貨物に適用される関税や消費税を決定する際に重要な役割を果たすため、誤分類された貨物にはCBPから警告が発せられます。意図的に関税の支払いを免れようとしている疑いがある場合は、さらに厳しい措置が取られます。
参考)CBPがあなたの入国を拒否したときにすべきこと、そして次回そ…
輸入許可を受けるべき貨物について許可を受けないで輸入した者は、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科されます。犯罪に係る貨物の価格の5倍が1,000万円を超えるときは、罰金は当該価格の5倍以下とすることとされています。厳しいところですね。
参考)『「関税法の罰条」:「通関業法の罰条」−② 第53回通関士試…
通関業者はCBPのライセンスを取得している必要があります。通関業者は輸出入業者にとって重要な仲介者として機能し、取引文書、厳格な簿記による財務記録、委任状のコピーを維持する責任を負っています。
参考)小口貨物の通関制度:米国
CBPが入国(エントリー)を拒否する最も一般的な理由は、単純なミスにあります。記入漏れがあったり、重要な情報が間違っていたりすると、CBPは即座に入国を拒否します。不完全な書類が原因です。
貨物の価値を過小評価したり、原産国を偽って申告したりすると、たとえそれが偶然であったとしてもペナルティを受ける可能性があります。価格や原産国の誤表示は危険です。
エントリータイプによって却下される条件が異なります。タイプ01(フォーマルエントリー)は最も厳しく審査され、HTSコードの誤りや古さ、通関保証金の不足、原産地証明書類に関する疑義などが不合格の要因です。タイプ86(セクション321)は提出が遅れたり、800ドルの上限を超えたり、制限事項が含まれていたりすると却下され、例外はありません。
2026年1月には、米国の関税措置が複雑化しており、米国側の通関事業者などの業務も増加しているため、申告ミスが今後も続く可能性があると指摘されています。これは使えそうです。
参考)複雑化する米国関税措置、輸入申告の誤りに注意(米国)
コストや時間を節約するために、貨物をより単純なカテゴリーに押し込めようとしてはいけません。このようなことを繰り返すと、毎回追加検査のフラグが立ってしまいます。
ほとんどの不合格は、書類やエントリーの要約に誤りがあったことに起因しています。申告の際には正しいHTSコードを使用すること、商品説明を具体的にすること、原産国を正確に申告すること、エントリーの種類に応じた締切日までにエントリーを済ませることが必須です。それで大丈夫でしょうか?
セクション321の低額貨物(800ドル未満)にはタイプ86を使用する必要があります。金額や貨物の性質によってエントリータイプを正確に選定することが、却下を避ける基本となります。
入力したデータを常にダブルチェックすることが重要です。HTSコードの確認、商品説明の具体性、原産国の正確性、締切日の遵守を徹底しましょう。
書類の見直しでは、ミスを特定したら修正し、すべての情報を再度確認します。請求書、船荷証券、HTSコード、その他関連するデータポイントなど、すべての関連書類を見直すことが原則です。
日本企業においても、米国の関税措置の複雑化に伴い、通関業者との密な連携と申告内容の事前確認が今まで以上に求められています。信頼できる通関業者を選定し、申告前の書類チェックリストを作成することで、ミスのリスクを大幅に減らせます。
通関中に異常に気づいたら、すぐに通関業者に連絡することが最も重要です。故意と一部の重過失以外は罰せられませんので、過度の心配は無用です。初動が鍵を握ります。
参考)【保存版】輸出通関でのトラブルへの対処法を解説 - 通関情報…
通関業者に連絡すると、申告を止めたり、貨物を止めたり、状況に応じて適切な対応を取ってくれます。申告中(許可前まで)に税関審査で指摘や照会を受けて、書類の誤りや貨物の不一致が見つかることがあります。
申告中にとれる方法は3つあります。資料の追加提出、申告内容訂正、申告撤回です。状況に応じて最適な対応を選択します。
CBPが却下した後の対応では、ミスを特定し、それを修正し、すべての情報を再度確認することが必要です。関連書類をすべて見直し、正確な情報で再申告を行います。
トラブルを未然に防ぐために、申告前の社内チェック体制を整えることが効果的です。通関業務従事者向けのチェックリストツールやクラウド型の書類管理システムを導入することで、複数人による確認が可能になり、ヒューマンエラーを減らせます。
主な参考リンク(米国大使館によるCBPの公式説明)
米国国土安全保障省 税関・国境取締局(CBP)
CBPの基本的な役割と組織概要について、日本語で詳しく解説されています。通関業務に携わる方が最初に確認すべき公式情報源です。
通関手続きの実務ガイド(JETRO提供)
小口貨物の通関制度:米国 | 貿易・投資相談Q&A
米国向け小口貨物の通関制度について、CBPライセンスを持つ通関業者の探し方や、国際宅配便を使った通関手続きの代行について実務的な情報が得られます。
最新の関税措置に関する注意喚起(JETRO)
複雑化する米国関税措置、輸入申告の誤りに注意
2026年1月時点での米国関税措置の複雑化と、それに伴う申告ミスのリスクについて解説されています。最新動向を把握するための重要な情報源です。