pops条約対象物質の最新情報と関税・輸入規制への影響

POPs条約の対象物質は2025年のCOP12で3物質が新たに追加され、計38物質に拡大しました。化審法との関係や輸入禁止製品への影響を知らないと通関トラブルになるかも?

POPs条約の対象物質・最新追加と輸入規制を完全解説

POPs条約の対象物質リストを「確認しなくても大丈夫」と思っていると、すでに輸入禁止製品を仕入れていて税関で差し戻されるリスクがあります。


📋 この記事の3つのポイント
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2025年COP12で3物質が新たに追加

クロルピリホス・MCCP・LC-PFCAが廃絶対象(附属書A)に追加。対象物質は計38物質に拡大。化審法での国内規制化も進行中。

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成形品・製品への含有も規制対象になる

化審法では化学物質そのものだけでなく、第一種特定化学物質を「使用した製品」の輸入も禁止。難燃剤入りプラスチック部品なども注意が必要です。

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アメリカはPOPs条約を批准していない

米国はストックホルム条約(POPs条約)に署名はしているが未批准。日本・EUと規制の「ズレ」があり、米国からの輸入品には特別な注意が必要です。


POPs条約とは?対象物質の基本的な仕組みと附属書の違い

POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)は、2001年に採択・2004年に発効した国際条約です。正式名称は「Stockholm Convention on Persistent Organic Pollutants」といい、日本は2002年8月に批准、2004年5月から国内発効となっています。


規制対象となるPOPs(Persistent Organic Pollutants)とは、次の4つの性質を持つ化学物質のことです。


- 毒性:人や生物に悪影響を与える
- 難分解性:自然の力では分解されにくく環境に長く残る
- 生物蓄積性:食物連鎖を通じて体内に濃縮されていく
- 長距離移動性:大気・水・海流を通じて国境を越えて広がる


これが基本です。


条約では対象物質を3つの「附属書」に分類して管理しています。附属書によって規制の強さがまったく異なるため、輸入を行う立場からはこの区分を把握しておくことが不可欠です。


| 附属書 | 内容 | 主な規制 |
|--------|------|----------|
| 附属書A(廃絶)| 製造・使用・輸出入の原則禁止 | 最も厳しい規制 |
| 附属書B(制限)| 特定用途のみ条件付きで認可 | 一部用途で製造・輸入可能 |
| 附属書C(非意図的生成物)| 意図せず生成される物質 | 排出の削減・廃絶の努力義務 |


附属書Aに指定された物質は、原則として製造・輸入・使用がすべて禁止されます。これが関税・輸入実務で最も重要なポイントです。


締約国(2025年9月時点で186か国+EU)は、条約を担保するために国内法を整備する義務があります。日本では化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)がこれを担っており、POPs条約の対象物質は順次「第一種特定化学物質」として指定されます。


つまり原則です。POPs条約でNGとなった物質=化審法でも規制という流れで理解しておけばOKです。


参考:POPs条約と化審法の関係・規制の基本的な仕組みについて
POPs条約(METI/経済産業省)


POPs条約対象物質の最新リスト(2025年5月COP12追加後)

2025年4月28日から5月9日にスイス・ジュネーブで開催されたPOPs条約第12回締約国会議(COP12)にて、新たに3物質が附属書Aへ