0歳の赤ちゃんでも納税義務が発生します。
多くの方が「納税は成人してから」と思い込んでいます。しかし実際には、所得税に年齢制限は一切ありません。0歳の赤ちゃんでも、贈与や相続によって所得が発生すれば納税義務が生じます。
参考)税金は何歳から払う?年齢に応じた納税義務について解説
通関業務に携わる方にとっても、納税義務者の定義を正しく理解しておくことは重要です。輸入申告の際、誰が納税義務を負うのかを間違えると、申告不備につながるリスクがあります。
この記事では、年齢と納税義務の関係を税目別に詳しく解説します。所得税・住民税・関税それぞれの納税義務者の要件を押さえることで、業務上のミスを防げます。
所得税法では、納税義務者を「居住者」「非居住者」などの区分で定義していますが、年齢に関する規定はありません。つまり基本です。「所得があれば年齢に関わらず課税される」が原則です。
たとえば小学生がYouTubeで広告収入を得た場合、その所得が基礎控除48万円を超えれば所得税が発生します。年間50万円の広告収入があれば、50万円-48万円=2万円が課税対象になります。2万円なら約2,000円の所得税です。
参考)何歳から確定申告をするの?子どもの申告が必要になるケースとは…
未成年者でも個人事業主として活動する例が増えています。ネットオークションやアフィリエイト、SNSでの収益化など、パソコンやタブレットがあれば子供でも収入を得られる時代です。収入があれば確定申告が必要です。
参考)未成年でも確定申告が必要になるケースとは?
税法は「もうけを得た人」に納税義務を課します。商売で利益が出れば課税、不動産売買で利益が出れば課税という考え方です。年齢は判断材料に含まれません。
未成年者の所得税は、年間の合計所得金額が48万円を超えると発生します。給与収入のみの場合、年収103万円が目安です。つまり48万円が基準です。
この48万円は基礎控除の金額にあたります。基礎控除以外の控除がない前提だと、所得48万円を1円でも超えた時点で所得税が課税されます。たとえば所得48万1,000円なら、1,000円に対して所得税がかかる計算です。
給与所得者の場合、給与所得控除が55万円あるため、給与収入103万円までは所得税がかかりません。103万円の給与収入-55万円の給与所得控除=48万円の所得となり、基礎控除48万円でちょうど相殺される形です。
アルバイトをしている学生は、この103万円のラインを意識する必要があります。年収が103万円を超えると、自分自身に所得税がかかるだけでなく、親の扶養控除からも外れる可能性があります。親の税負担が増える点に注意です。
住民税には未成年者に対する非課税措置があります。18歳未満の未成年者は、前年の合計所得金額が135万円以下なら住民税が非課税です。給与収入のみの場合、年収204万4,000円未満が非課税ラインになります。
参考)成人年齢引き下げに伴い個人住民税における非課税判定の年齢が変…
この非課税措置は令和5年度課税分から適用年齢が変更されました。従来は20歳未満が対象でしたが、成人年齢の引き下げに伴い18歳未満に変更されています。賦課期日(1月1日)時点で18歳未満かどうかが判断基準です。
ただし18歳未満でも既婚者は例外です。婚姻している、または婚姻歴がある場合は成年として扱われ、非課税措置の対象外になります。18歳未満で結婚した方は要注意です。
参考)税金は何歳から払う? 未成年でも納税や確定申告が必要になる条…
18歳以上の方は、合計所得金額が41万5,000円を超えると住民税が課税されます。給与収入のみの場合、年収96万5,000円以上が課税対象です。2026年からは住民税の非課税ラインが年収110万円超に引き上げられる予定です。
参考)知らないと損をする《学生アルバイトの年収の壁》2025年から…
関税と消費税(輸入時)の納税義務者は、原則として「貨物を輸入する者」です。通関業者に通関業務を委託した場合でも、納税義務は委託した輸入者にあります。委託者が納税義務を負うということですね。
輸入取引の場合、国内取引のような事業者免税点制度は適用されません。つまり小規模事業者でも、個人でも、輸入すれば必ず納税義務が発生します。年間売上高が1,000万円以下の免税事業者であっても、輸入時の消費税は納める必要があります。
納税義務が成立するタイミングは「課税貨物を保税地域から引き取る時」です。輸入許可を受けて貨物を引き取る瞬間に、納税義務が確定します。この点は通関業務従事者にとって基本的な知識ですね。
参考)No.6141 納税義務の成立の時期|国税庁
2023年10月の関税法基本通達改正により、輸入者となれる要件が厳格化されました。日本に事務所を持たない外国法人が輸入者となるケースでは、第三者を名義上の輸入者とすることへの規制が強化されています。実際に貨物を使用・消費する者が輸入者として申告する原則です。
参考)輸入者になれる要件
携帯品や別送品として個人が輸入する場合、一定の範囲内で関税・消費税が免税になります。成人一人あたり海外市価の合計20万円までが免税対象です。帰国後6ヶ月以内に輸入する別送品も含めて計算します。
参考)輸入・輸出に伴う消費税・関税について
ただし未成年者の場合、酒類とたばこは免税になりません。20歳未満の方がお酒やたばこを持ち込む場合、数量に関わらず課税対象です。これは年齢確認が必要ですね。
参考)日本関税協会
6歳未満の子供については、さらに厳しい制限があります。おもちゃなど明らかに子供本人の使用と認められるもの以外は免税になりません。つまり親が購入したブランドバッグなどを6歳未満の子供の免税枠として申告することはできません。
贈与税にも非課税枠があります。年間110万円以下の贈与なら贈与税はかからず、申告も不要です。0歳の赤ちゃんでも、年間110万円までの贈与なら課税されません。ただし定期的な贈与とみなされると、110万円以下でも課税される可能性があります。
参考)0歳の子どもにも贈与は可能?未成年の子どもに相続する場合の節…
贈与の度に新しい贈与契約を締結することで、定期贈与とみなされるリスクを軽減できます。毎年同じ金額を自動的に贈与する設定は避けるべきです。都度、贈与の意思を明確にした契約書を作成すれば安心です。
国税庁「輸入する貨物の納税義務者」では、通関業務委託時の納税義務者について詳しく解説されています
専門家サイト「税金は何歳から払う?年齢に応じた納税義務について解説」では、所得税・住民税の年齢別納税義務が具体例とともに紹介されています
日本関税協会「携帯品申告手続」には、未成年者の免税範囲や6歳未満の子供の特殊ルールが記載されています