MPCアプリで「CBPフォームを保存」した旅行者は、紙の税関申告書を持ち込んでも入国審査で受け取ってもらえません。
CBPフォーム対応アプリには主に「MPC(Mobile Passport Control)」と「CBP One」の2種類があります。両者は対象ユーザーと目的が明確に異なります。
| アプリ名 | 主な対象者 | CBPフォームの役割 | 通関業者との関連 |
|---|---|---|---|
| MPC(Mobile Passport Control) | 米国市民・カナダ国籍者(ESTA旅行者は2回目以降) | 税関申告書(Form 6059B)をアプリ内で電子入力・保存 | 荷主・同行者への案内時に知識が必要 |
| CBP One | フォワーダー・ブローカー・外国人旅行者 | 農産物検査予約・I-94申請・入出国記録確認 | 生鮮貨物の検査予約に直接使用可能 |
MPCは旅行者向けの入国審査簡略化ツールです。 一方でCBP Oneは2020年10月からフォワーダーや通関ブローカー向けに検査予約やI-94申請の機能を提供しています。 通関業務に直接関わるのは主にCBP Oneです。これは覚えておけばOKです。ana+3
CBP Oneアプリでは、米国に到着する農産物などの腐敗しやすい貨物の検査を事前予約できます。 検査予約後は担当のCBP農業専門家にアサインされ、双方向チャット機能を通じて追加情報のやり取りも可能です。 生鮮品・農産物を扱う通関業者にとっては非常に使えるツールです。
参考)CBP One™モバイルアプリケーション - ESTAアメリ…
MPCアプリを使うと、入国審査での紙の税関申告書(CBP Declaration Form 6059B)の提出が不要になります。 この点は通関業者が荷主や出張者にアドバイスする際に特に重要です。意外ですね。newt+1
MPCアプリの操作フローは以下のとおりです。hawaii-ryugaku+1
事前登録は渡航前に完了できます。 空港到着後は顔写真の撮影だけで専用レーンに進めるため、通常の入国審査カウンターで数時間待つケースと比べて大幅な時間短縮になります。 出張者が多い企業の通関担当者は、この情報を社内に展開しておくと感謝されます。
税関申告書の質問は全部で6つ。 農産物・多額現金・申告品がない通常の出張者であれば、ほぼすべて「いいえ」の回答で完結します。つまり5分で申告書手続きが完了するということです。
参考)【アメリカ入国】長蛇の列を回避!MPCアプリの登録方法と使い…
MPCアプリまたはAPC(Automated Passport Control)端末を利用した場合、税関申告書(Form 6059B)の紙媒体での提出は不要です。 これは条件が必須です。
参考)https://www.tokutenryoko.com/news/passage/12849
ただし、以下のいずれかの状況では紙の提出が求められます。
ニューヨーク(JFK)、ロサンゼルス(LAX)、ホノルル(HNL)など米国主要空港では、申告なしの旅行者に対して税関申告書の提出を求めないケースが増えています。 一方、地方の小規模空港ではまだ紙の提出が必要な場合もあります。厳しいところですね。
参考)【2026年最新】アメリカの入国情報!審査は厳しい?渡航に必…
通関業者の実務上のポイントとして、輸入貨物の荷主が米国到着時にMPCアプリを使っていても、貨物そのものの通関手続き(ACE等のシステム申告)は別途必要です。 旅行者向けのCBPフォームと貨物通関のフォームは全くの別物だということが原則です。混同すると荷主に誤った情報を伝えるリスクがあります。
通関業者にとってCBPフォームアプリの知識は、直接の業務ツールというより「荷主・依頼主への情報提供力」に直結します。これは使えそうです。
特に注目すべきは、出張者・企業担当者が個人の手荷物として米国へ商品サンプルや展示品を持ち込むケースです。この場合、MPCアプリの申告書に品物の情報を正確に入力する必要があります。 入力漏れや誤記があれば、CBP係官による別室での詳細検査に回される可能性があります。痛いですね。
参考)http://www.anzen.mofa.go.jp/m/mbimmigration_221.html
商品サンプルの一時輸入(ATA Carnet利用など)をアドバイスする通関業者であれば、「MPCアプリの税関申告欄にどう記入するか」まで案内できるとクライアントからの信頼が高まります。申告書の記載漏れによる検査遅延は、展示会スケジュールに直接影響するリスクです。このリスクが「時間的損失」に直結するという認識が大切です。
また、CBP Oneアプリに搭載されている農産物検査の予約機能は、食品・農業関連の輸入を手がける通関業者が直接活用できます。 腐敗しやすい生鮮品は検査タイミングのズレが廃棄ロスにつながるため、事前予約で検査時間を調整できることは金銭的なメリットが大きいです。
CBP関連アプリの整備は急速に進んでいます。2020年10月のCBP Oneリリース以降、通関業務に関わるデジタルツールは毎年更新が加えられています。
参考)CBP One: その役割と最近の変更の影響を理解する - …
特に2023年以降は以下の動きが顕著です。
参考)https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/06/e16ce2b4fef881fe.html
APC端末が廃止された空港では、MPCアプリなしで専用レーンを使うことができなくなります。 「キオスクがあるから大丈夫」という荷主への案内は今後リスクになり得ます。情報のアップデートが必要です。
通関業者として最低限把握しておくべき公式情報源は、CBP公式サイトとJETROの通関関連レポートです。
以下のリンクは、CBP公式によるAPC端末の利用条件と最新対象空港一覧が確認できます。通関業者が荷主や出張者にアドバイスする際の根拠資料として活用できます。
在日米国大使館|自動パスポートコントロール(APC)説明資料(PDF)
以下のJETROページでは、ESTAモバイルアプリやCBP Oneの提供開始に関する最新ビジネスニュースが確認できます。CBP Oneのフォワーダー向け機能について日本語で把握できる貴重な情報源です。
JETRO|米税関、ESTAモバイルアプリの提供開始(CBP One関連情報含む)
CBP Oneの利用登録はLogin.gov経由で行い、アカウント取得後にアプリからサインインします。 無料で使えるサービスです。農産物・生鮮品貨物を定期的に扱う通関業者は、一度登録しておくだけで検査予約のオペレーションが大幅に効率化されます。結論は「まず登録してみること」です。