Sモードを入れたままにすると、知らない間に燃費が10〜15%悪化して損し続けます。
スズキの「S」マークは、1958年(昭和33年)に制定されました。実は当時、社内のデザイナーが作ったものではありません。社名「SUZUKI」の頭文字「S」をデザイン化するにあたり、美術系の大学生を対象にコンペを実施し、約300点以上の候補作品の中から選ばれた1点です。
選ばれた作品を手がけたのは、当時、東京芸術大学に在学していた手銭正道氏(故人)でした。この一点が大きなポイントです。手銭氏はのちに、あの新幹線700系のデザインを手がけた著名なインダストリアルデザイナーとして知られるようになります。つまり、スズキの「S」マークは学生時代の作品として生まれながら、その後67年以上も世界中で使われ続けてきたエンブレムなのです。意外ですね。
このSマークは、「発展するスズキのイメージ」を表すものとして広く親しまれてきました。シンプルながら力強い印象を持ち、二輪・四輪を問わずスズキ製品のシンボルとして機能してきた点が特徴です。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1958年 | 東京芸術大学生・手銭正道氏の作品がコンペで採用、Sマーク制定 |
| 1986年 | 現在のコーポレートアイデンティティ(CI)を導入、SUZUKIロゴと組み合わせ |
| 2003年 | 車両エンブレムのデザインを刷新(立体感のある3Dタイプへ) |
| 2025年3月 | 39年ぶりにCIを更新、デジタル表示向けに線を細くし視認性を向上 |
| 2025年9月 | 22年ぶりに車両エンブレムをフラットデザインに刷新、メッキ廃止 |
2025年9月22日に発表された新エンブレムは、それまでの立体感のある光沢デザインから、フラットなシルバー塗装デザインへと変更されました。クロームメッキを廃止したのは、環境負荷の低減を目的としたものです。これはコーポレートスローガン「By Your Side」を反映した刷新で、デジタル時代に対応した新たな表現として位置づけられています。
スズキ公式プレスリリース(新エンブレム採用の詳細)。
https://www.suzuki.co.jp/release/d/2025/0922/
スズキ車を運転していて、ある日突然メーター内に「S」マークが表示されると、多くのドライバーは「故障?」と不安になります。これは誤解です。
このメーター内のSマークは、スズキ車固有の機能である「Sモード」が作動している状態をお知らせするサインです。故障や異常とは一切関係ありません。Sモードとは、エンジンの回転数を通常より高めに保つことで、力強いパワフルな加速を実現する走行モードのことを指します。
Sモードが役立つ場面は主に以下の3つです。
ただし、Sモードには注意すべき点があります。エンジン回転数が常に高い状態になるため、通常モードと比べて燃費が悪化します。具体的には、平坦な市街地走行でSモードをオンにし続けた場合、燃費が10〜15%程度悪化するケースがあります。たとえば、本来リッター20kmの燃費が17〜18kmになる計算です。これが知らない間に損し続ける状態です。
SモードはシフトレバーのD(ドライブ)レンジの横、または近くにある「S」と書かれたボタンで切り替えます。ボタンを押すとメーター内にSマークが点灯し、Sモードが作動します。解除するには同じボタンを約1秒以上押し続けます。
つまり、普段の市街地走行や高速道路での巡航時にはSモードをオフにするのが基本です。加速や坂道など、特定の場面でのみオンにすることで、燃費とパワーのバランスを賢く保てます。
スズキ車のメーター内Sマーク・Sモードの詳細解説(アップル車検):https://hachuda.co.jp/apple/4376/
スズキの純正Sマークエンブレムを社外品に交換したり、カスタムエンブレムを取り付けたりすることは、ドレスアップとして人気があります。ただし、いくつかの重要な注意点があります。
まず費用感を確認しておきましょう。スズキ純正のSマークエンブレム(車両用)は、車種によって異なりますが、純正部品としておよそ1,500円〜3,500円程度で流通しています。Sエンブレム単体であれば比較的安価に入手できます。これは使えそうです。
一方、注意が必要なのが海外から個人輸入したエンブレム部品です。通販サイトでは「スズキ純正互換品」や「並行輸入品」として安価なエンブレムが多数販売されています。価格は純正品の半額以下になることも珍しくありませんが、品質にばらつきがある点が問題です。接着力の弱さ、塗装の耐久性、サイズの微妙なズレなどが報告されており、走行中に脱落するリスクもゼロではありません。
また、他メーカーのエンブレムに付け替える行為については法的な観点もあります。他社の商標が付いたエンブレムを自分の車に取り付ける行為は、道路交通法での直接の規制はないものの、商標権の観点から問題となる可能性があります。自分のためのカスタムに留まる場合でも、社会的に誤解を招く可能性があるため、慎重な判断が必要です。
エンブレム交換自体は車検に影響しないとされていますが、エンブレムを外した後のボンネットやトランクの塗装面へのケアは必要です。両面テープの糊残りが放置されると、日焼け跡が残ったり、塗装を痛めたりする場合があります。エンブレムリムーバーと塗装保護剤をセットで準備してから作業するのがおすすめです。
関税に関心を持つ方にとって、自動車の輸入関税は特に注目度が高いテーマです。ここで大切な事実を確認しておきましょう。
日本は自動車の輸入関税をゼロ(無税)にしています。つまり、スズキ車を含む外国製の車を日本に輸入する際、車両本体への関税はかかりません。これはEU(10%)、中国(15%)、米国(乗用車2.5%)と比べても非常に低い水準です。
| 国・地域 | 輸入乗用車への関税率 |
|---|---|
| 🇯🇵 日本 | 0%(無税) |
| 🇺🇸 米国 | 2.5%(※2025年からトランプ追加関税で25%上乗せ) |
| 🇪🇺 EU | 10% |
| 🇨🇳 中国 | 15% |
| 🇮🇳 インド | 最大110%(現在EU向けには30%へ引き下げ交渉中) |
これが原則です。ただし、関税がゼロでも並行輸入車を日本に持ち込む際には他のコストがかかります。具体的には、車両価格の10%の輸入消費税、輸入諸費用(約1万円)、通関代行手数料(約5万円)、そして国内仕様に合わせるための改造費用が別途必要になります。関税ゼロだからといって、輸入コストがタダになるわけではありません。
並行輸入でスズキ車を検討する場合は、総費用を計算してから判断することが重要です。正規ディーラー経由で購入した場合との差額、アフターサービスのしやすさ、保証の有無なども含めてトータルで比較するのがポイントになります。
スズキのSマーク車が世界市場でどのような立ち位置にあるか、関税という観点から見るとその戦略が鮮明に浮かび上がります。
スズキの最大市場はインドです。2024年のインド国内乗用車販売台数は過去最多の約430万台に達し、そのうちマルチ・スズキ(スズキのインド子会社)のシェアは約40.9%を誇ります。スズキのグローバル四輪車販売台数は約324.8万台(2024年)ですが、インドだけで約179.1万台を売り上げており、全体の55%以上をインドが占めているというのが実態です。驚きの数字ですね。
なぜスズキがインドでここまで圧倒的なシェアを持てたのかというと、関税が非常に高かったインド市場で輸入車に頼らず、現地生産を徹底したからです。インドはかつて完成車の輸入関税が最大110%に達しており、輸入車は高価格になりすぎて庶民には手が届きませんでした。スズキはその壁を1982年からの現地工場設立でクリアし、手頃な価格の小型車を現地で生産することで市場を開拓しました。
この「現地生産で関税回避」という戦略は、関税に関心がある人にとって非常に示唆に富む事例です。高い輸入関税があるからこそ、現地に根を張り、ローカライズを徹底したことが成功の核心にありました。
2026年2月には、インドがEUとの間で自動車関税を110%から30%へ引き下げる合意が報じられており、今後はEU製高級車がより安価にインド市場へ入ってくる可能性があります。スズキのインド市場でのシェア維持が今後も注目される状況が続いています。
スズキのインド四輪戦略に関する最新レポート(ジェトロ):https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2025/cb03732cd84f68f3.html