あなたが穀物通関を軽く見ると説明コストが跳ねます。
フードマイレージは、食料の輸送量に輸送距離を掛けた指標です。距離だけではありません。重さも効きます。日本では農林水産政策研究所が2001年に導入し、日本のフードマイレージは総量でも一人当たりでも非常に大きいと示されてきました。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8)
日本の食料自給率は低水準です。農林水産省の公表では、令和6年度のカロリーベース食料自給率は38%、飼料自給率は27%でした。 maff.go(https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html)
ここが大事です。国内でまかない切れない分を海外に頼るため、食料の輸送距離が長くなります。キユーピーの解説でも、日本人が食べているものの多くを輸入に頼るため、フードマイレージが高くなりやすいと説明されています。 kewpie(https://www.kewpie.com/academy/food-sdgs/sustainable-diets/)
ただし、通関業従事者向けに言い換えるなら、自給率が低いから高い、だけでは半分しか正しくありません。日本は島国で、しかも大消費地を抱え、主要供給先が北米や南米に偏りやすいです。自給率の低さに、調達先の遠さが重なる。これが原則です。 sokenishikawa(http://sokenishikawa.com/more/index.files/kankyo/2009/fudomaireji.pdf)
この理解があると、荷主説明で「輸入依存だから」だけで終わりません。仕入れを変えずに販促だけSDGs寄りにしても、説得力が弱い理由まで話せます。意外ですね。 kewpie(https://www.kewpie.com/academy/food-sdgs/sustainable-diets/)
日本のフードマイレージを押し上げる最大級の要因は、穀物と油糧種子です。Wikipedia掲載の要約では、内訳としてトウモロコシなどの穀物が50%強、大豆などの油糧種子が20%強を占めるとされています。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8)
通関実務では、穀物本船1隻の重量感を思い浮かべると理解しやすいです。1件の食品より、ばら積み穀物の継続輸入の方が、数値を大きく動かしやすいわけです。ここを押さえると、食品と飼料の案件を同じ説明で処理しないほうがいいと分かります。 sokenishikawa(http://sokenishikawa.com/more/index.files/kankyo/2009/fudomaireji.pdf)
日本の数値が目立つのは感覚論ではありません。2001年試算では、日本のフードマイレージは約9002億トンキロ、一人当たり7093とされ、諸外国より突出していました。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8)
比較すると差が見えます。市民科学研究室の資料では、日本は約9000億トンキロで、韓国や米国の約3倍、西欧各国の5倍以上と説明されています。 shiminkagaku(https://www.shiminkagaku.org/wp/wp-content/uploads/csij-journal-015-web.pdf)
ここで誤解しやすいのは、日本が単純に世界最大級の量を輸入しているから、という理解です。実際には、輸入量だけでなく、長距離輸送が重なっていることが大きいです。距離の影響が重いということですね。 sokenishikawa(http://sokenishikawa.com/more/index.files/kankyo/2009/fudomaireji.pdf)
この数字は、通関業従事者が荷主との会話で使いやすい材料です。特に食品、飼料、油脂原料の案件では、輸送モードや原産地表示だけでなく、調達構造そのものが環境説明の中心になります。これは使えそうです。 shiminkagaku(https://www.shiminkagaku.org/wp/wp-content/uploads/csij-journal-015-web.pdf)
検索上位の記事は、生活者向けに「地産地消を意識しましょう」で終わることが多いです。ですが、通関業従事者が押さえるべき独自視点は、通関が数値を生むのではなく、通関書類がその構造を見える化する点にあります。 projectdesign.co(https://www.projectdesign.co.jp/2050-carbon-neutral/blog/food-mileage/)
ここでのメリットは明確です。荷主に対して、環境負荷の説明を抽象論ではなく、品目単位、仕入先単位、船積み単位で話せます。リスクを減らすなら、まず継続輸入の主要3品目をメモし、原料と飼料の比率を確認する、その一動作で十分です。〇〇なら問題ありません、の「〇〇」に実データを入れられる担当者は強いです。 maff.go(https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html)
農林水産省の食料自給率の最新値を確認したい場合はこちらです。制度説明や荷主向け資料の根拠に使いやすいです。
農林水産省 日本の食料自給率
フードマイレージの考え方と、日本で穀物輸入が主因になりやすい点を確認したい場合はこちらです。生活者向けですが、説明の導入に使いやすいです。
日本と諸外国の比較や、遠距離・大量輸入という構造を学術的に押さえたい場合はこちらです。背景理解の補強に向いています。