コンテナダメージ時は輸出荷主が貨物を積み込めず機会損失が発生します。
通関業務の現場で「cruブランド」という言葉を耳にすることがありますが、これは「CRU(Container Round Use)」、つまりコンテナラウンドユースを指す略称です。輸入で使用したコンテナを港のコンテナヤード(CY)に返却せず、空のまま直接輸出荷主に運んで輸出貨物の輸送に再利用する仕組みです。
参考)コンテナラウンドユース(CRU)とデポユース(DPU)の取り…
従来の流れでは、輸入コンテナは荷卸し後に港のCYまで空で返却され、輸出時には再びCYから空コンテナを引き取る必要がありました。この往復の空コンテナ輸送がトラックドライバーの負担増や輸送コストの増加につながっていたため、CRUによる効率化が注目されています。
参考)コンテナラウンドユース(CRU)|阪神港(神戸港・大阪港)|…
通関業務従事者にとってCRUは、輸出入申告のタイミング調整や船社との契約内容確認が重要になる案件です。輸入貨物の通関許可後、コンテナを直接輸出荷主に引き渡すため、責任範囲の明確化が欠かせません。つまりCRU案件では通常よりも慎重な手続き管理が求められます。
CRUの最大のメリットは輸送コストの大幅削減です。輸入者は従来必要だった大阪CYへの空コンテナ返却が不要になり、片道分の輸送費が浮きます。輸出者も同様にCYからの空コンテナ引き取り費用がかからないため、双方が片道費用のみでコンテナ運送を完結できるのです。
具体的には、例えば神戸港から内陸部の工場まで往復で6万円かかっていた輸送費が、CRUを使えば片道3万円で済む計算になります。年間100本のコンテナを扱う荷主なら年間300万円のコスト削減につながり、中小企業の物流予算にとって無視できない金額です。
環境面でも空コンテナの回送削減はCO2排出量の低減に直結します。トラックドライバー不足が深刻化する2024年問題への対策としても、CRUは物流業界全体で推進されている取り組みです。通関業務従事者がCRUのメリットを理解し荷主に提案できれば、顧客満足度の向上にもつながります。
CRU最大の課題は輸出入のマッチングの難しさです。同じ地域間であっても企業ごとに輸出入のタイミング、貨物量、コンテナサイズ(20フィートか40フィートか)が一致しないことが多く、最適な組み合わせを見つけるのは容易ではありません。
参考)https://www.nx-soken.co.jp/topics/2016_01_18_01
輸入過多の地域では内陸部のインランドコンテナデポ(ICD)に空コンテナが滞留し、むしろ管理コストが増大する可能性があります。例えば埼玉県の工場地帯で輸入が集中すると、輸出需要が追いつかず数十本の空コンテナが数週間デポに留まり、保管料が発生するケースもあるのです。
さらに起用船社の違いも大きな壁です。輸出と輸入で異なる船社を使っている場合、船社間でのコンテナ共同利用は不可能なため、CRU自体が成立しません。通関業務従事者は荷主に対し、同一船社での契約を促すアドバイスが求められます。対策としては港湾管理者や物流事業者が提供するマッチング支援サービスの活用が有効です。
参考)海上コンテナ輸送業界の課題と対応について(2/2)|Kens…
CRUで最も荷主が懸念するのがコンテナダメージへの責任範囲です。輸入荷主から輸出荷主にコンテナを引き渡す際、コンテナに傷や汚れ、扉の不具合などが見つかった場合、どちらが修理費用を負担するのかが問題になります。
基本的には自らの貨物輸送範囲に責任を持ちますが、ICDを経由せず直接回送する場合は輸入者から輸出者までの輸送区間の責任所在が曖昧になりがちです。意見交換会では「ラウンドユースは魅力的だがコンテナダメージへの懸念から進められない」「ダメージに対する荷主の責任範囲の設定方法など船社との調整のハードルが高い」といった声が多く出ています。
対策としては事前に船社とデポ契約を結び、責任範囲を明文化することが必須です。ICDを活用すればICDがデポ契約している船社のコンテナの場合、輸入者がICDに搬入した時点で船社に返却したと見なされ、責任範囲が明確になるメリットがあります。また推進協議会が開発した専用保険の利用も有力な選択肢です。この保険はCRU特有のリスクをカバーし、万が一のダメージ発生時に荷主間の金銭トラブルを防ぎます。
コンテナラウンドユース推進の手引き(日本ロジスティクスシステム協会)
責任範囲の取り決め方法や船社との契約時の確認事項が詳細に記載されており、CRU導入時の参考資料として有用です。
CRUを実施するには船社との事前契約とCRU専用ナンバーの取得が必要です。例えばONE JAPANの場合、船腹予約時に予め交付を受けたCRU(Container Round Use)ナンバーをコンテナナンバーとともに申請します。CRUナンバーの交付を受けるには船社所定のフォームで交付申請を行う必要があり、通関業務従事者は荷主がこの手続きを完了しているか確認する必要があります。
参考)Redirecting to https://jp.one-…
輸入通関後、コンテナを輸出荷主に引き渡す際にはCRU専用シールの手配も欠かせません。シールの引き渡しにはCRU ID番号が必要で、CYゲートでの受け取りは混雑の原因となるため管理棟での受け取りが推奨されています。一箱(250本)以上の引き渡しを希望する場合は別途営業担当者への連絡が必要です。
さらに船社との契約では、コンテナ返却期限の延長や返却時の整備条件などを特別に取り決めます。輸入者から輸出者にコンテナを渡す際、輸出者が利用できる状態であることが必要なため、要求条件の設定を行います。コンテナが損傷や汚れその他の理由により輸送に適さない状態であると判断された場合、申請者は自身の責任・費用で船社指定の場所に返却する義務も発生します。これらの条件を荷主に事前説明することが通関業務従事者の重要な役割です。
CRUの実現性を高めるにはインランドコンテナデポ(ICD)の戦略的活用が鍵となります。ICDとは内陸部に設置されたコンテナの一時保管・管理施設で、港から離れた工場地帯に設けられています。
参考)https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/96782/scru_torikumisyoukai_2.pdf
ICDを経由するCRUでは、輸入荷主がICDにコンテナを搬入した時点で責任が切り替わり、輸出荷主がICDからコンテナを引き取るまでの期間はICD管理下に置かれます。これにより輸出入のタイミングにずれが生じても、ICDがバッファ機能を果たし、荷主間の直接調整が不要になるメリットがあります。
厳しいところですね。
例えば埼玉県八潮市の「お試しデポ・八潮運輸デポ」では、コンテナチェックを行うことで輸入荷主と輸出荷主のCRUを実施しています。デポでコンテナの状態を第三者が確認するため、ダメージの責任所在が明確になり、荷主の不安が軽減されるのです。
通関業務従事者は荷主に対しICDの位置や利用条件を案内し、CRU導入のハードルを下げる提案ができます。ICDのご利用には事前のCRUマッチング成立等の条件がありますので、港湾管理者が提供するマッチング支援サービスへの登録を併せて勧めると効果的です。内貨輸送との組み合わせも検討すれば、さらなる効率化につながります。

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