貿易アドバイザー難易度は貿易実務A級と同等の最難関資格

通関業務従事者がキャリアアップを目指す際、貿易アドバイザーの難易度が気になるところ。合格率20%前後の最難関資格は、貿易実務検定A級と同レベルとされていますが、実際の試験内容や必要な勉強時間はどれほどなのでしょうか?

貿易アドバイザー難易度

実務経験3年以上の人でも、第1次試験で8割が不合格です。

この記事の3ポイント
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合格率は第1次試験15~20%

貿易関連資格の最高峰として知られ、貿易実務検定A級と同等レベルの難易度。第2次試験の合格率は85~90%と高いが、第1次通過が最大の難関

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必要な勉強時間は400時間以上

初学者の場合、貿易実務検定A級相当の350~400時間が目安。実務経験者でも250~300時間の学習が必要とされる高難易度の試験

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受験資格は実務経験3年以上

第1次試験の受験には原則として3年程度の貿易業務経験が必要。試験では教科書的知識だけでなく、実務経験に基づいた回答が求められる

貿易アドバイザー試験の合格率と難易度レベル

AIBA認定貿易アドバイザー試験の第1次試験合格率は15~20%程度で、貿易関連資格では最難関に位置づけられます。第2次試験の合格率は85~90%と高めですが、第1次試験の突破が最大の障壁となっているのです。
参考)AIBA認定貿易アドバイザー - 難易度・合格率・日程・正式…


貿易実務検定A級と同レベルの難易度とされており、両試験を同時受験する人もいるほどです。試験では貿易実務、貿易英語、マーケティングという3つの専門分野すべてにおいて高度な知識が求められます。
参考)AIBA認定貿易アドバイザー 合格点・日程 おすすめ本、過去…


つまり最初の関門が最も厳しいということですね。
平成20年(2008年)の試験では、受験者50名に対して合格者はわずか11名、合格率22%という実績でした。この数字からも、実務経験者であっても容易には合格できない試験であることが分かります。
参考)http://www.jobb-tokyo.jp/AIBA%20examination.htm

通関士試験の合格率が平均15.6%であることを考えると、貿易アドバイザーも同程度かそれ以上の難易度を持つ資格です。ただし通関士が国家資格であるのに対し、貿易アドバイザーは民間資格という違いがあります。​

貿易アドバイザー合格に必要な勉強時間の目安

貿易実務検定A級の合格に必要な勉強時間は、初学者で350~400時間、経験者でも250~300時間とされています。貿易アドバイザーも同レベルの難易度であるため、同程度の学習時間が必要です。
参考)貿易実務検定の難易度は?合格率と合格に必要な勉強時間について…

1日2時間の学習を継続した場合、400時間の確保には約6カ月かかります。これは半年間、毎日休まず勉強を続ける計算になります。​
半年間の継続が必要です。
実務経験がある通関業務従事者であっても、最低250時間、つまり約4カ月間の集中学習は覚悟すべきでしょう。ある合格者は「試験はテキスト以上に深い内容や時事的な問題も多く出題され、短時間での勉強は難しい」と体験記で語っています。
参考)合格体験記 広沢 水緒さん – AIBA認定アド…

効率的な学習のためには、まず貿易実務検定A級の取得をペースメーカーとして目標に掲げ、ベースとなる知識を全般的に習得する方法が推奨されています。この戦略により、段階的に知識を積み上げられます。
参考)https://trade-advisers.com/wp-content/uploads/2024/04/c3723caa6e157a278671ca3ecc0eff25.pdf

学習期間中は、テキストだけでなく最新の貿易関連ニュースや法改正情報もチェックする習慣をつけましょう。時事問題への対応力が合否を分けるポイントになるためです。
貿易実務検定®の受験者数と合格率データ
過去の級別合格率推移が確認できる公式統計ページです。

貿易アドバイザー試験で求められる英語力のレベル

試験科目には「基礎的な貿易実務英語」が50点分含まれており、全体200点のうち4分の1を占めます。高い英語力が必須とされていますが、実際の貿易事務で必要なTOEICスコアは500~650点程度です。
参考)貿易事務に必要な英語力ってどれぐらい?TOEICスコアは不要…


貿易実務では基本的な英語表現が中心となるため、TOEIC 600点前後あれば十分業務を遂行できます。ただし試験では、ビジネスコミュニケーション力も評価されるため、単なる語学力だけでは不十分です。
参考)AIBA認定 貿易アドバイザー 難易度


ビジネス英語が鍵です。
物流系フォワーダーの場合、メインの取引国は東南アジアが多く、ネイティブではない英語が主流となります。そのため実務経験を通じて、教科書通りではないノンネイティブイングリッシュに慣れることが重要です。
参考)600点でOK?貿易事務に必要なTOEICスコアと実際の業務…

試験では貿易書類の英語表記(B/L、インボイスなど)の理解や、英文ビジネスレターの読解力が問われます。日常会話レベルではなく、契約書や商業文書を正確に理解できる専門的な英語力が求められるのです。
参考)輸出入に関わるお仕事!「貿易事務」と「通関士」の違いについて…

英語対策としては、貿易実務用語集を活用し、頻出する専門用語を英語で説明できるレベルまで習熟しましょう。これにより試験だけでなく、実務でも即戦力となる英語力が身につきます。

貿易アドバイザーと通関士資格の違いと活用法

通関士は国家資格であり、法律上、輸出入者に代わって通関手続きを行える唯一の資格です。一方、貿易アドバイザーは民間資格ですが、貿易コンサルティング業務における専門性を証明できます。
参考)貿易アドバイザー資格取得の難易度は?試験情報・報酬相場を徹底…


通関士の主な業務は、税関への申告書類の審査、HSコードの分類、納税額の算出など、通関手続きに特化しています。対して貿易アドバイザーは、貿易実務全般、マーケティング、英語を含む幅広い領域をカバーします。
業務範囲が異なります。
通関士として働くには、通関業者と呼ばれる会社に勤務し、税関長の承認を得る必要があります。つまり資格を持つだけでは業務を行えません。​
貿易アドバイザーは、ジェトロなどの公的機関で認知され、多くのコンサルティング業務に関与できます。国際化が進む中で、海外ビジネス経験者の最高峰資格として、企業の貿易戦略立案や海外進出支援に携わる道が開けます。
通関業務従事者がキャリアの幅を広げたい場合、通関士で手続きの専門性を深めるか、貿易アドバイザーでコンサルティング能力を証明するか、目指す方向性によって選択が変わります。両方を取得すれば、通関から貿易戦略まで一貫してアドバイスできる希少な人材になれます。

貿易アドバイザー第2次試験の小論文と面接対策

第2次試験では、送付された課題に対しA4用紙に指定範囲の字数で回答する小論文と、面接が課されます。第2次試験の合格率は85~90%と高いものの、第1次合格者のみが受験できるため、油断は禁物です。
参考)301 Moved Permanently


小論文と面接の返答には、できるだけ実務での経験談を交えることがポイントとされています。受験資格に実務経験3年以上とあるため、教科書的な知識だけでなく、実務経験が評価されます。
参考)https://trade-advisers.com/wp-content/uploads/2017/04/aiba68.pdf

経験談が評価されます。
面接では、貿易に関する専門知識だけでなく、ビジネスコミュニケーション力も審査されます。企業の貿易担当者に対して、どのように的確なアドバイスを提供できるかが問われるのです。​
準備としては、過去3年間の実務で直面した課題とその解決策を、3~5つ具体的にまとめておくことが有効です。例えば「関税分類の判断に迷ったケース」「輸出規制への対応事例」など、実際の業務シーンを言語化しておきましょう。
これらのエピソードは、小論文でも面接でも活用できる貴重な素材となります。数字や固有名詞を含めて具体的に説明できれば、実務能力の高さを効果的にアピールできます。
2025年度AIBA認定貿易アドバイザー試験 受験要項
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