バルコニーを専有部分として申告すると追徴課税されます。
通関業務で区分所有建物を含む輸入貨物を扱う際、専有部分の正確な理解が申告の基礎となります。専有部分とは、区分所有権の目的となる建物の部分を指し、構造上の独立性と利用上の独立性という2つの要件を満たす必要があります。
参考)専有部分と共用部分の区別
構造上の独立性とは、壁・床・天井によって他の住戸や空間と完全に遮断されている状態です。つまり、コンクリートや壁で区切られているということですね。利用上の独立性は、共用廊下などから直接出入りができ、独立して住居や店舗として機能できることを意味します。
参考)マンション専有部分と共用部分の区分完全ガイド|境界線・修繕責…
輸入される建材や設備機器の設置場所を判断する際、この定義が重要になります。例えば、マンションの各戸内部のフローリング材や壁紙は専有部分に該当し、それぞれの区分所有者が管理します。倉庫への出入りが必要とされる場合でも、共用設備の利用管理によって排他的使用に制限がなければ、倉庫は専有部分となります。
図面を見る際は、内法(うちのり)で囲まれた部分が専有部分の基本です。ただし、天井・床・壁については、躯体部分を除く仕上げ材のみが専有部分となる点に注意が必要です。
参考)http://www.mankan-online.com/column-namikata/011.html
共用部分は、専有部分以外の建物部分であり、法定共用部分と規約共用部分に分類されます。通関業務従事者が輸入貨物の設置場所を確認する際、この区分が課税や申告内容に影響します。
参考)専有部分と共用部分の区別を知っていますか? – …
法定共用部分は、廊下・階段・エレベーター・構造躯体(柱や外壁など)のように、構造の点からも用途の点からも当然に共用とされる部分です。登記しなくても法律上当然に共用部分となります。これに対し規約共用部分は、本来専有部分になりうる集会室や管理事務所などを、管理規約によって共用部分と定めたものです。
参考)専有部分と共用部分の違いを理解!購入前に確認すべき『管理規約…
バルコニーは各住戸に面していますが、火災時の避難経路となるため法律上は共用部分です。その上で特定の区分所有者だけが使える「専用使用権」が設定されています。つまり、所有権は全員にあるが使用権は限定されるということですね。
参考)共用部分における「専用使用権」とは?
輸入される建材が共用部分に使われる場合、その費用は区分所有者全員で負担する原則があります。配管についても、各住戸への供給管は共用部分、そこから分岐してキッチンや浴室に接続される分岐管が専有部分となります。
図面から専有部分と共用部分を正確に判別する能力は、通関業務での申告精度を左右します。区分所有建物の図面では、3つの考え方(内壁説・壁心説・折衷説)が存在しますが、実務では折衷説(上塗り説)が標準的です。
具体的な区分は以下のようになります。天井・床・壁については、躯体部分(コンクリートスラブ)が共用部分、仕上げ材(クロスやフローリング)が専有部分です。玄関扉は、錠および内部塗装部分が専有部分、躯体部分は共用部分となります。窓枠およびガラスは専有部分に含まれず、共用部分として扱われます。
図面上で確認すべき記号や表示として、PS(パイプスペース)、MB(メーターボックス)などは共用設備が通る部分であり、基本的に共用部分です。ただし各住戸内の分岐部分は専有部分となる場合があります。
課税面積を計算する際は、専有部分の床面積に共用部分の按分面積を加算します。例えば専有面積100㎡、全体の専有面積合計320㎡、共用部分80㎡の場合、按分割合は100㎡÷320㎡=31.25%となり、共用部分の按分面積は80㎡×31.25%=25㎡です。結果として課税面積は100㎡+25㎡=125㎡となります。
参考)https://www.acekantei.com/blog/archives/3098
輸入貨物が区分所有建物に関連する場合、専有部分と共用部分の区別が申告内容に直結します。通関業務では、貨物の内容を確認し税番・税率・特恵有無を審査する際、設置場所による分類が必要です。
参考)https://www.daitocorp.co.jp/download/business/custom/customs.pdf
区分所有建物用の輸入建材や設備機器は、設置場所によって所有権や管理責任が異なります。専有部分に設置される貨物は個別の区分所有者が輸入者となり、共用部分に設置される貨物は管理組合や全区分所有者が輸入者となるケースが一般的です。
参考)https://www.customs.go.jp/kaisei/zeikantsutatsu/kihon/TU-S47k0100-s06-03~04.pdf
申告書類の作成時には、インボイスや契約書で貨物の最終設置場所を確認し、専有部分用か共用部分用かを明確にする必要があります。賃貸借契約に基づき輸入される貨物については、当該貨物を賃借して使用する者が申告者となります。委託販売のために輸入される貨物では、販売委託を受けた者が申告者です。
共用部分の持分割合は専有部分の床面積割合により決まるため、複数の区分所有者が関わる輸入案件では按分計算が求められます。固定資産税では、共用土地全体の税額を求めた後、各区分所有者の持分割合により按分した税額で分割課税されます。この原則は輸入貨物の費用按分にも応用できます。
参考)区分所有家屋について|西宮市ホームページ
税関の輸入貨物品目分類事例では、具体的な貨物の分類例が確認できます。専有部分・共用部分に関わる建材や設備の判断に迷った際の参考資料として有効です。
通関業務で扱う区分所有物件関連の輸入貨物について、課税面積の正確な計算が申告の正確性を保証します。区分所有建物の課税面積は、専有部分の床面積と持分で按分した共用部分の床面積を合計したものです。
参考)https://blog.goo.ne.jp/ikeda_s/e/f7f943c17faf0be07349f52934855e34
計算の手順は以下の通りです。まず一棟全体の再建築価格を計算し、次にこれを各区分所有者の専有部分床面積割合で按分します。共用土地が区分所有建物の所有者全員によって共有され、各共有者の土地持分割合が専有部分の床面積割合と一致する場合、分割課税の要件を満たします。
一部の所有者だけが使用する共用部分がある場合や、階によって天井高や使用材料が異なる場合は、適正な補正を行い評価額を調整します。例えば一部共用部分で床面積を有するものがあるときは、その床面積を共用すべき各区分所有者の専有部分床面積割合により配分し、それぞれの専有部分床面積に算入します。
この計算原理は、輸入貨物の設置に伴う費用配分や、複数の区分所有者が共同で輸入する建材の按分にも適用できます。登記簿の専有面積よりも課税面積は必ず大きくなるため、申告時の面積情報には注意が必要です。
共有地を評価する際は、各人の持分面積ではなく共有地全体の地積により要件を判定します。したがって共有地全体の評価額を計算してから、共有割合に応じて按分する手順が正しい方法です。
参考)【地積規模の大きな宅地の評価】適用要件・評価方法・計算例を徹…

区分建物表示登記に関する事例と実務―敷地権・敷地利用権、専有・共用部分、相続・譲渡、市街地再開発事業による権利変換、円滑化法による建替え、上申書、管理組合規約、合意規約―