電磁的記録 メール 通関業務 保存義務違反 対策と実務要件

通関業務で電子メールの保存義務を知らずに破棄すると罰金50万円や懲役刑のリスクがあること、ご存知でしたか?電磁的記録の取り扱い要件や保存期間、実務での注意点を徹底解説します。知らずに違反していませんか?

電磁的記録 メール 通関と保存義務

メール本文だけで取引した場合も保存が必要です。

この記事の3つのポイント
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電子メールの保存は法律で義務化

平成24年7月から輸出入取引の関係書類を電子メールでやりとりした場合、許可日の翌日から5年間保存が義務付けられています。

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違反すると重い罰則がある

故意に電子メールを破棄して税関調査を妨げた場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

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検索機能の確保が必須要件

取引年月日、取引金額、取引先で検索できる状態での保存が求められ、ファイル名に統一ルールでの情報入力も有効な手段です。

電磁的記録 メール本文の保存対象範囲


電子メール本文に取引情報が記載されている場合、そのメール自体が電磁的記録として保存対象になります。
具体的には、添付ファイルがなく、メール本文に契約内容や仕入書に相当する取引情報が記載されているケースです。これは電子取引の取引情報として関税法第94条の5で保存が義務付けられています。​
添付ファイルで請求書等を授受した場合は、その添付ファイルを保存すれば問題ありません。つまり、メール本文だけで取引が行われた証拠しかない場合のみ、本文保存が必要です。
参考)電子帳簿保存法ではメール本文も保存すべき?保存方法や注意点な…

保存義務が発生する取引の例:


  • 📌 メール本文に契約金額や納期が記載され、それをもって取引が成立した場合

  • 📌 メール本文に品名、数量、価格が明記され、注文確認として機能している場合

  • 📌 メール本文で支払条件や取引条件の変更が行われた場合

逆に、添付ファイルがあり、メール本文にも同じ内容が記載されている場合は、添付データを保存すればメール本文の保存は不要です。この区別を理解しておけば無駄な作業を避けられます。​
貿易書類の電子データ保存要件について詳しく解説(マネーフォワード)
関税法における電磁的記録の保存要件や検索機能の詳細が確認できます。

電磁的記録の保存期間と起算日

輸入者と輸出者で保存期間が異なります。
輸入者の場合:

輸出者の場合:

起算日は「許可日の翌日」という点が重要です。申告日ではなく、許可を受けた日の翌日から数えます。
カレンダーに許可日を記録しておくと、保存期限の管理がスムーズになります。例えば2026年2月4日に輸出許可を受けた場合、2031年2月4日まで保存が必要です。

電磁的記録 メール保存の要件と検索機能

保存要件には「真実性」と「可視性」の2つがあります。​
真実性の要件:
次のいずれかを満たす必要があります。​


  • タイムスタンプが付与された電磁的記録を受領する

  • 受領後、速やかにタイムスタンプを付与する

  • データの訂正削除を記録できるシステム、または訂正削除ができないシステムで保存する

  • 訂正削除の防止に関する事務処理規程を定め、運用する

ただし、税務職員のダウンロード要求に応じられる体制があれば、タイムスタンプは不要になるケースもあります。​
可視性の要件(検索機能の確保):
以下3つの要件を満たす必要があります。​


  1. 取引年月日、取引金額、取引先で検索できること

  2. 日付や取引金額について範囲を指定して検索できること

  3. 2つ以上の記録項目を組み合わせて検索できること

システムを使わずに保存する場合、ファイル名に「取引年月日_取引金額_取引先」という統一順序で情報を入力し、任意のフォルダに格納すれば要件を満たせます。​
ファイル名の例:
「20260204_500000_ABC商事株式会社_契約書.pdf」
この方法なら、専用システムがなくても検索機能の確保が可能です。フォルダ整理の手間が省けますね。

電磁的記録 メール破棄時の罰則

故意に電子メールを破棄した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。​
関税法第114条の2第10号に規定されており、税関の事後調査を妨げる行為として厳しく処罰されます。「うっかり削除した」という弁明が通用しないケースもあるため注意が必要です。​
平成24年の関税法改正以降、税関の事後調査では電子メールの確認が従来以上に行われるようになりました。調査官から「3年前の○月の取引に関するメールを提示してください」と求められたとき、「削除しました」では済まされません。​
罰則が適用される具体的なケース:


  • 📛 税関調査の通知後、意図的にメールを削除した場合

  • 📛 保存義務を認識しながら定期的に削除していた場合

  • 📛 調査を免れるため、特定の取引に関するメールだけを削除した場合

過失での削除は直ちに罰則対象にはなりませんが、保存体制の不備として指摘を受け、追徴課税のリスクが高まります。
参考)電子帳保存法を導入しない場合の3つの罰則!対応するまでの3つ…

バックアップ体制を整えておくと、誤削除のリスクを回避できます。クラウドストレージへの自動バックアップ設定も有効な対策です。
輸出入者の電子メール保存義務と罰則の詳細(弁護士法人)
関税法違反時の罰則規定と実際の適用事例について確認できます。

電磁的記録のNACCSへの提出実務

NACCS(輸出入・港湾関連情報処理システム)の申告添付登録(MSX)業務を利用すれば、電磁的記録による通関関係書類の提出が可能です。
参考)https://www.customs.go.jp/news/news/paperless/annex05.pdf


MSX業務の基本ルール:


  • 1ファイルあたり最大3MB、合計最大10MBまで提出可能​

  • 輸出入申告の日の翌日から3日以内に提出が必要​

  • 区分1で提出を要する「1Y」の場合、許可日の翌日から3日以内​

  • PDFやWord、Excelなど電磁的記録での提出が認められます
    参考)https://www.customs.go.jp/news/news/paperless/annex03.pdf

提出された電磁的記録は、税関側で訂正や削除ができない仕組みになっており、真正性が担保されます。これにより、提出後の改ざんリスクが排除されています。​
MSX業務のメリット:
✅ 税関窓口への来署時間が省略され、申告から許可までの時間が短縮される​
✅ 書面提出のための印刷コストや郵送コストが削減できる
✅ 書類の紛失リスクがなくなる
ただし、10MBを超える場合は、全ての書類を書面で提出する必要があります。この場合、登録済みファイルを削除し、申告添付訂正(MSY01)業務で提出区分を「A(窓口提出)」に変更します。​
容量オーバーのリスクを減らすため、カタログ等の参考資料は添付ファイル登録(MSB)業務を別途利用すると効率的です。​
通関関係書類の電磁的記録による提出Q&A(税関)
MSX業務の詳細な操作方法やトラブル対応について確認できます。




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