暗号通貨税金改正で分離課税へ

2026年度税制改正大綱により、暗号通貨の税制が最大55%の総合課税から20.315%の申告分離課税へ変更される見通しです。通関業務従事者が知っておくべき改正のポイントと税制変更の影響について徹底解説。この改正はあなたの資産形成にどう影響するのでしょうか?

暗号通貨税金改正の内容

暗号資産の交換は今も課税対象です。

📊 2026年度税制改正の3つの重要ポイント
💰
税率が大幅に引き下げ

最大55%の総合課税から一律20.315%の申告分離課税へ変更

📅
損失の繰越控除が可能に

翌年以降3年間にわたり損失を繰り越して控除できる制度を導入

⚖️
株式やFXと同等の扱いに

暗号資産を資産形成に資する金融商品として位置づけ

暗号通貨税制改正の背景と経緯


2025年12月26日、政府は2026年度税制改正大綱を閣議決定し、暗号資産(仮想通貨)に関する税制が大きく見直される方向が示されました。この改正は、金融庁が2025年8月26日に自民党財務金融部会で説明した2026年税制改正要望が土台となっています。
参考)最大約55%から一律20.315%へ 2026年度税制改正大…


金融庁の要望では、ビットコインなど暗号資産の課税見直しが焦点とされました。現在最大55%の税率を約20%に引き下げる申告分離課税の導入が求められ、デジタル資産投資の環境整備を目指す狙いがあります。一般社団法人日本ブロックチェーン協会も2025年7月17日に「暗号資産に関する税制改正要望(2026年度)」を政府に提出しており、個人の暗号資産売却益に対する課税を分離課税へ変更し、税率を一律20.315%とすることを要望しています。
参考)暗号資産税制改正2026年実現へ=金融庁が申告分離課税導入を…


この改正要望の実現により、長年の課題だった暗号資産税制の見直しが前進することになりました。業界団体や投資家から強い要望があったことが背景にあります。​
暗号資産に関する規制は世界的に整備が進んでおり、税制面でも各国が独自の対応を進めています。日本でも国際競争力の観点から税制の見直しが求められていました。通関業務に携わる方々の中には、国際貿易の決済手段として暗号通貨の利用可能性を検討している方もいるでしょう。
参考)https://www.customs.go.jp/osaka/news/news_pdf/boekitorihiki_blockchain_20220901.pdf

金融庁による2026年度税制改正要望の詳細
つまり改正の流れは加速中です。

暗号通貨の申告分離課税とは何か

今回の税制改正大綱では、暗号資産取引で得た利益を株式などと同じく「申告分離課税」の対象とすることが盛り込まれました。申告分離課税とは、他の所得と分離して課税する方式で、利益の大小にかかわらず一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税率が適用されることになります。
参考)【2026年度税制改正対応】仮想通貨(暗号資産)の税金をわか…


従来の総合課税では、暗号資産の取引によって生じた所得は取引形態を問わず原則として雑所得とされ、給与所得など他の所得と合算して課税されていました。所得が高ければ高いほど税率も上がる累進課税のため、最大で約55%の税率がかかる可能性がありました。
参考)【No1034】令和8年度税制改正大綱における暗号資産税制の…


申告分離課税への移行により、年収1000万円の方が500万円の暗号資産利益を得た場合、最大148万円の節税効果が見込まれます。これは投資家にとって非常に大きなメリットです。
参考)2026年改正|仮想通貨の税率が55%→20%に!投資家への…

これは画期的な変更です。
通関業務従事者の中には副業として暗号資産投資を行っている方もいるでしょう。給与所得と暗号資産の利益が合算されて高い税率が適用されていた現行制度では、税負担が重く投資意欲を削ぐ要因となっていました。分離課税への移行は、こうした課題を解決する重要な一歩となります。

暗号通貨税制改正の損失繰越控除制度

税制改正により、暗号資産取引に関する損失について3年間の繰越控除が認められることが大綱に記されています。これはFXや株式と同様の扱いで、ある年に損失が出た場合、その年に使い切れなかった損失を翌年以降3年間にわたって、同じ種類の所得から控除できる仕組みです。
参考)仮想通貨の税制改正大綱、押さえておくべき重要ポイントを専門家…


現行の税制では、暗号資産投資で損失が生じた場合、同じ総合課税の雑所得と相殺することは可能ですが、損失に余りが生じても翌年に繰り越せませんでした。雑所得には損失の繰越制度がなく、その年に出た損失は同じ年の雑所得としか相殺できず、翌年以降に持ち越すことはできなかったのです。
参考)仮想通貨の税制改正での変更点とは?いつから変わるのか、202…


繰越控除の導入は、投資戦略の幅を広げる重要な要素となります。例えば、ある年に100万円の損失が出て、翌年に50万円の利益が出た場合、従来は損失を繰り越せなかったため翌年の50万円に課税されていました。しかし繰越控除が認められると、前年の損失100万円のうち50万円を翌年の利益と相殺でき、課税所得をゼロにできます。
大きなメリットですね。
残った損失50万円は、さらに翌々年に繰り越して控除することが可能です。これにより長期的な視点での投資計画が立てやすくなり、一時的な市場の変動による損失も将来の利益で相殺できるようになります。通関業務従事者のように安定した給与所得がある方にとって、副業投資のリスクヘッジ手段として有効です。

暗号通貨税制改正の施行時期と対象範囲

2026年1月に開会する通常国会に改正法案が提出され、可決・成立する見通しとなっています。本法案の成立により、早ければ2028年には新しい税制が適用される予定です。現時点での導入は、令和10年(2028年)1月1日からと見込まれています。
ただし、この改正は金融商品取引法改正を前提とした条件付き導入である点に注意が必要です。暗号資産が金融商品取引法の下で金融商品として整理され、税法上の位置付けが見直される場合に適用されます。
参考)暗号資産税制が大きく前進、申告分離課税20%を明記 金商法改…


対象となる暗号資産の範囲については、「国民の資産形成に資する暗号資産」に限定される方向性が示されています。つまり、すべての暗号資産が自動的に分離課税の対象となるわけではなく、一定の基準を満たした暗号資産のみが対象となる可能性があります。
参考)暗号資産(仮想通貨)税制改正、ポイントと注意点は? 専門税理…

施行は2028年からです。
具体的な適用範囲や申告実務については、まだ確定していない部分も多く残されています。通関業務従事者として国際的な貿易決済に関わる場合、どの暗号資産が対象となるのか、今後の法整備を注視する必要があります。また、国外転出時課税(出国税)の対象となる可能性も理論上は考えられるため、海外赴任を予定している方は特に注意が必要です。​
国税庁による暗号資産等に関する税務上の取扱いFAQ

暗号通貨税金改正に向けた2027年までの準備

税制改正の施行は2028年からですが、2027年までに準備しておくべきことがあります。まず、現行の総合課税の下で確定申告が必要な場合は必ず申告するようにしましょう。暗号資産の取引はすべてブロックチェーンに記録されており、税務署は取引の追跡が可能です。国内の取引所には、顧客についての「支払調書」を税務署に提出する義務があるため、暗号資産の利益は税務署に把握されています。
参考)暗号資産(仮想通貨)の税金はいくらから?確定申告が必要なケー…

暗号資産で1円でも利益があると税金がかかる点も認識しておく必要があります。保有している暗号資産を売却し日本円に換金したとき、その差益(売却価額-取得価額)が課税対象となります。例えば、2万円で購入した暗号資産を5万円で売却した場合、差益3万円に対して所得税・住民税がかかります。​
暗号資産同士の交換も課税対象です。10万円で購入したビットコインを使って50万円分の他の暗号資産と交換した場合、交換時の時価が購入金額より高ければ課税の対象になります。「暗号通貨取引の交換だから非課税」という考えは所得税の原則からありえません。
参考)暗号資産(仮想通貨)の課税関係~暗号資産は出国税(国外転出時…


申告漏れは厳罰対象です。
2024年には、暗号資産取引に係る雑所得を除外する脱税スキームを用いて所得税を免れたとして、懲役1年2月(執行猶予3年)及び罰金1100万円の有罪判決を受けた事例があります。虚偽の確定申告を行うことは重大な犯罪行為であり、通関業務従事者としての信用にも関わります。2028年の新制度施行までは現行ルールに従い、適切な申告を行うことが重要です。
参考)暗号資産取引に係る雑所得を除外する脱税スキームを用いて所得税…

海外取引所での取引でも日本の税制に従って課税される点にも注意が必要です。日本国内に住んでいる場合は、国内・国外を問わず生じたすべての利益が課税対象になるため、海外取引所での暗号通貨取引においても同様に税金申告が必要です。年間20万円以上の利益がある場合は確定申告が必須となります。
参考)仮想通貨を海外で交換する際に気を付けるべきこと

暗号通貨税金改正で分離課税へ

2026年度税制改正大綱により、暗号資産(仮想通貨)の税制が大きく変わる見通しです。政府・与党は2026年度税制改正大綱を決定し、金融商品取引法改正を前提とした条件付きながら、暗号資産取引への申告分離課税の導入を大綱に盛り込みました。施行されれば税率は株式と同様の一律20%(所得税15%、住民税5%)となり、これまで最大約55%だった税率が一律20.315%に引き下げられます。
参考)【2026年度から】暗号資産(仮想通貨)の税制改正はどうなる…


この改正により、暗号資産は「国民の資産形成に資する金融商品」として位置付けられ、分離課税と繰越控除が認められる方向性が示されました。通関業務従事者として国際貿易に携わる方々にとっても、デジタル資産の活用可能性が広がる重要な転換点となります。​
web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されており、昨年の「検討」から具体化が進んでいます。日本ブロックチェーン協会などの業界団体が継続的に要望してきた成果が実を結びつつあります。
参考)日本ブロックチェーン協会、「暗号資産に関する税制改正要望(2…


改正の実現性は高いです。
ただし、具体的な適用範囲や申告実務については今後の法整備を待つ必要があります。2028年の施行に向けて、関連する金融商品取引法の改正も並行して進められる予定です。通関業務従事者として暗号資産を保有または取引している方は、2027年までは現行の総合課税ルールに従い適切に申告し、新制度の詳細が明らかになり次第、投資戦略を見直すことをお勧めします。




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