有給休暇付与日計算の基本と通関業務特有の注意点

通関業務従事者が有給休暇の付与日計算で間違えやすいポイントと、出勤率8割の正しい算定方法を解説します。分割付与や一斉付与の違い、パートタイムの比例付与まで網羅。あなたの計算方法は本当に合っていますか?

有給休暇付与日計算

入社半年後に10日一括付与すると違法になります。

📋 有給休暇付与の3つの基本
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付与条件

入社日から6ヶ月継続勤務し、出勤率8割以上で初回10日付与

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計算方法

出勤日÷全労働日×100で出勤率を算出し、勤続年数に応じて増加

⚠️
罰則

年5日取得義務違反で従業員1人につき30万円以下の罰金

有給休暇付与の基本条件と継続勤務の考え方


有給休暇は、入社日から6ヶ月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した従業員に付与される権利です。初回は10日が付与され、その後1年ごとに付与日数が増加します。通関業務のように繁忙期と閑散期の差が大きい職場では、出勤率の計算を誤ると付与漏れにつながります。
参考)有給休暇の計算方法とは?出勤率や付与日数、取得時の賃金をミス…


継続勤務とは、在籍期間を指します。休職期間や病欠期間も継続勤務に含まれるため、通関士が体調不良で1ヶ月休んでも、その期間は勤続年数にカウントされます。定年後の再雇用でも、実質的に労働関係が継続していれば継続勤務として扱われます。
参考)年次有給休暇の出勤率(8割)の算定方法(出勤日数÷全労働日)…

つまり継続勤務は在籍が基本です。
短期の雇用契約を繰り返すパート・アルバイトでも、契約更新が形式的で実質的に継続している場合は継続勤務と判断されます。通関業者が繁忙期のみ雇用する短期契約スタッフでも、毎年同じ時期に契約を更新していれば有給付与義務が発生する可能性があります。​

有給休暇付与日数の計算方法と勤続年数の関係

フルタイム勤務の従業員は、継続勤務年数に応じて付与日数が決まります。入社から6ヶ月で10日、1年6ヶ月で11日、2年6ヶ月で12日と増加し、6年6ヶ月以上で最大20日に達します。たとえば2024年4月1日入社の従業員は、2024年10月1日に10日付与され、2025年10月1日に11日付与されます。
参考)有給休暇の計算方法まとめ!付与日数、半休、時間単位、時給制の…

週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の従業員には、比例付与が適用されます。年間所定労働日数48日~72日で週1日勤務の場合、6ヶ月継続勤務で1日、1年6ヶ月で2日、6年6ヶ月以上で3日が付与されます。通関業務の補助スタッフなど短時間勤務者は、この比例付与表を使って計算します。​
付与日数の上限は20日ですね。
ただし、有給休暇は翌年に繰り越せるため、20日の新規付与と前年の未消化分を合わせると、最大40日まで保有できます。通関業務で繁忙期に休暇を取れなかった従業員が翌年に持ち越す際は、この上限を把握しておく必要があります。
参考)年次有給休暇の付与日数は?計算や最大取得数、年5日取得させる…

有給休暇付与の出勤率8割計算の実務

出勤率は「出勤日÷全労働日×100」で計算し、0.8以上(80%以上)が付与条件です。全労働日とは、従業員が労働契約上出勤すべき日を指し、所定休日は含みません。通関業務で土日祝が休みの場合、年間約250日が全労働日の目安になります。
参考)年次有給休暇の出勤率の算定方法|8割未満の労働者への対応など…


出勤日には、実際に出勤した日に加え、有給休暇取得日、産前産後休業、育児・介護休業、業務上の負傷・疾病による休業、年次有給休暇を取得した日も含まれます。一方、法定休日に労働させた日や会社都合による休業日は、全労働日から除外されます。
参考)【社労士監修】出勤率8割の計算方法|満たない場合の有給休暇は…


どういうことでしょうか?
たとえば年間所定労働日数250日のうち、実出勤200日、有給取得10日、産休60日の場合、出勤日は210日(実出勤200日+有給10日)、全労働日は190日(250日-産休60日)となり、出勤率は210÷190×100=110%で8割を超えます。通関業務で産休・育休を取得する従業員がいる場合、この計算を正確に行う必要があります。​

有給休暇付与日の統一と分割付与の違い

有給休暇の付与日は原則として入社日から6ヶ月後ですが、企業は「斉一的取扱い」により全従業員の付与日を統一できます。たとえば付与日を毎年1月1日に統一する場合、6月15日入社の従業員は11月2日に初回付与を受け、翌年1月1日に2回目の付与を受けます。通関業者が年度初めに一斉管理したい場合に有効です。
参考)有給休暇の基準日を1月1日とする場合、付与時期や日数の決め方…


分割付与は、入社後最初の基準日までの間にのみ認められる特例です。たとえば10月1日入社で基準日が4月1日の場合、入社時に5日を前倒し付与し、翌年4月1日に残り5日と追加分を付与できます。ただし、初回10日を超える部分(11日以上)は分割できません。
参考)【年次有給休暇の分割付与】有休の「前借り」との違いも含め分か…


分割付与は初回のみです。
一方、「前借り」は法律で認められていません。従業員が入社直後に「来月付与される有給を今月使いたい」と要求しても、付与前の休暇取得は認める必要がありません。通関業務の繁忙期に新人が休暇を希望した場合、この違いを理解しておくことが重要です。​

有給休暇付与ミスと出勤率8割未満の対応

出勤率が8割未満の従業員には、有給休暇を付与する法的義務はありません。ただし、その期間も継続勤務期間に算入されるため、翌年に出勤率8割を満たせば「2年目」の付与日数である11日が付与されます。通関業務で長期病欠した従業員が復帰した場合、勤続年数はリセットされません。
参考)有給休暇付与に必要な出勤率8割とは?計算方法をわかりやすく解…


誤って付与した有給休暇は、従業員が取得した後に無効にできません。たとえば出勤率8割未満の従業員に誤って11日付与し、そのうち10日7時間を取得された場合、次回付与時に取得済分を控除して調整します。通関業務の管理担当者が付与ミスに気づいた時点で、労働局や社労士に相談することが推奨されます。
参考)誤って年次有給休暇付与した場合の処理|人事のQ&A『日本の人…

厳しいところですね。
年5日取得義務に違反すると、従業員1人につき30万円以下の罰金が科されます。年間付与日数が10日以上の従業員について、基準日から1年以内に5日取得させなければなりません。通関業者が複数の従業員で違反すれば、罰金が累積します。たとえば10人の従業員で違反した場合、最大300万円の罰金リスクがあります。
参考)有給休暇義務化のペナルティを徹底解説!労働者とのトラブルを回…

厚生労働省の「年次有給休暇管理簿」は、従業員ごとに作成し3年間保存する義務があります。付与日、取得日、残日数を記録し、労働基準監督署の調査に備える必要があります。通関業務で勤怠管理システムを導入していない場合、Excelや紙の台帳で管理することになりますが、記録漏れは違反リスクを高めます。
参考)https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf

厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています」(PDF)
このリンクには、有給休暇の法定付与日数と管理簿の保存義務について詳細な説明があります。

有給休暇付与の通関業務特有の注意点

通関業務は貿易量の変動により繁忙期と閑散期の差が大きく、出勤率の計算が複雑になります。輸出入の集中する年度末や年末年始前後に休暇取得が難しく、閑散期に未消化分をまとめて取得する従業員が多いため、付与日と取得日のずれを正確に管理する必要があります。
参考)東亜産業

通関士資格を持つ従業員は、資格手当や営業手当が給与に含まれることが多く、有給取得時の賃金計算方法を就業規則に明記する必要があります。「通常勤務と同じ賃金」「平均賃金」「標準報酬月額を基準に算定」の3つの方法があり、どれを採用するかで従業員の手取りが変わります。
参考)有給休暇取得日の賃金計算方法と正しく計算するための注意点を解…


これは使えそうです。
通関業者の多くは年間休日120日~125日で完全週休2日制を採用しており、有給休暇の年5日取得義務と合わせて最低125日の休暇を確保する必要があります。繁忙期に連続勤務が続く場合、労働基準法違反のリスクがあるため、計画年休制度を活用して閑散期に強制的に休暇を割り振る企業もあります。
参考)東日本倉庫株式会社の求人情報/通関士資格を活かせる【通関業務…


項目 内容 注意点
出勤率計算 出勤日÷全労働日×100 産休・育休期間は全労働日から除外​
付与タイミング 入社6ヶ月後、以降1年ごと 斉一的取扱いで統一可能​
比例付与 週4日以下かつ週30時間未満 年間所定労働日数で判定​
繰越上限 翌年に1回のみ、最大40日保有 2年で時効消滅​
罰則 年5日未取得で1人30万円以下 複数人で累積​


通関業務従事者が有給休暇の付与日計算を正確に行うには、出勤率8割の判定基準、継続勤務の考え方、分割付与と斉一的取扱いの違いを理解することが不可欠です。付与ミスや取得義務違反は罰金リスクにつながるため、年次有給休暇管理簿の作成と3年間保存を徹底し、勤怠管理システムやExcel台帳で付与日・取得日・残日数を常に把握しておく必要があります。
通関業務特有の繁閑差を考慮し、計画年休制度を活用して閑散期に休暇を集中させることで、従業員の年5日取得義務を確実に履行できます。有給取得時の賃金計算方法を就業規則に明記し、資格手当や営業手当を含む正確な給与額を算定することも、トラブル防止に有効です。




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