消費税は免税されないのが特定免税店制度です。
特定免税店制度は、2002年の沖縄振興特別措置法改正により創設された沖縄県限定の免税店制度です。この制度は沖縄の観光振興を目的として設けられ、沖縄地区税関長の承認を受けた小売業者が免税販売を行えます。
参考)https://www.customs.go.jp/okinawa/11_tokumen/index.htm
一般的な消費税免税店制度と大きく異なるのが、免除される税金の種類です。通常の免税店では消費税が免除されますが、特定免税店制度では関税のみが免除対象となります。酒税、たばこ税、消費税等は免税になりません。
参考)特定免税店制度 (沖縄) - Wikipedia
この制度を利用できるのは、沖縄から沖縄県以外の本邦の地域へ出域する旅客です。つまり、外国人観光客だけでなく、日本国内からの旅行者も免税対象となる点が特徴的です。通関業務従事者は、この対象者の範囲を正確に把握しておく必要があります。
参考)よくある質問
制度の対象となるのは輸入商品に限られ、高級ブランド品、化粧品、香水などが該当します。購入限度額は1人あたり20万円で、この金額内であれば関税が免除されます。関税免除だけで大きなメリットが得られるということですね。
参考)https://orange-pos.jp/pos-media/inbound/10687.html
税関公式サイトの特定免税店制度の説明(制度の基本的な仕組みと対象商品について詳しく記載)
対象者は「沖縄から本土へ出域する旅客」という明確な定義があります。日本国籍の有無は問われず、国内旅行者でも航空便または船便の日付と便名を提示すれば免税ショッピングカードが発行されます。
購入時には、パスポートと有効な渡航書類をインフォメーションデスクに提示する必要があります。国内旅行者の場合は、お帰りの航空便または船便の情報が確認できる予約確認書などが渡航書類として認められます。提示がなければ制度は利用できません。
購入金額の上限は1人あたり20万円(税抜)です。この限度額は1日あたりではなく、出域時までの累計金額として管理されます。通関業務では、この累計管理が重要なチェックポイントになります。
購入した商品は携帯して沖縄県以外の本邦の地域へ持ち出すことが条件です。別送品として配送する場合や、沖縄県内で消費してしまう場合は免税の対象外となります。持ち出し条件の確認が必須です。
参考)https://www.kixdutyfree.jp/rules_tax_free_japan_info.html
事業用または販売用として購入することが明らかな場合は、免税販売の対象外となります。通常生活の用に供される物品であることが前提条件なので、大量購入や転売目的と判断される場合は注意が必要です。厳しいところですね。
参考)免税店とは|消費税免税店サイト
対象商品は「輸入商品」に限定されており、国内製造品は免税対象外です。香水、バッグなどのブランド品、化粧品、宝飾品など、全て輸入された商品であることが条件となります。
関税が免除されるため、輸入品の価格差が大きい高額商品ほど恩恵が大きくなります。たとえば関税率が10%の商品を20万円分購入した場合、最大2万円分の関税が免除される計算です。つまり2万円得するということですね。
ただし消費税、酒税、たばこ税は免除されないため、これらの税金は通常通り支払う必要があります。通関業務従事者は、購入者に対してこの点を明確に説明する責任があります。
購入限度額の20万円は税抜価格で計算されます。複数の店舗で購入した場合でも、累計金額が20万円を超えないよう管理する必要があります。超過分には通常の関税が課されます。
購入商品は携帯品として持ち出すことが必須条件です。空港での出域手続き時に、購入した商品を実際に所持している必要があります。別送品扱いでは免税が適用されないので、購入者への事前説明が重要です。
沖縄県公式サイトの特定免税店制度ページ(対象商品の詳細と制度の歴史について記載)
一般的な消費税免税店との混同が最も多いミスのパターンです。消費税免税店は外国人旅行者向けで消費税が免除されますが、特定免税店は日本人も利用でき関税のみが免除されます。この違いを明確に理解しておく必要があります。
免税手続きには、購入者の身分証明と出域証明が必要です。パスポート、航空券または船舶の予約確認書などを確認し、確実に沖縄県外へ出域することを証明する書類を揃えます。書類不備は免税適用の拒否理由になります。
購入記録の保存義務も重要なポイントです。一般の消費税免税店では購入記録情報を約7年間保存する義務があります。特定免税店でも同様の記録管理が求められるため、システム的な対応が必要です。
参考)免税店になったら|消費税免税店サイト
限度額超過のチェックも通関業務の重要な役割です。1人あたり20万円という限度額を超えた場合、超過分には通常の関税が課税されます。複数店舗での購入を合算して管理する仕組みが求められます。
虚偽申告や不正利用が発覚した場合、関税法違反として告発される可能性があります。沖縄地区税関では密輸入事件などの摘発事例が多数報告されており、適切な手続きと確認が不可欠です。痛いですね。
参考)https://www.customs.go.jp/kyotsu/hodo/jikenhodo/2025jiken/jiken2025.htm
出域時の税関申告では、特定免税店で購入した商品を携帯品として申告する必要があります。購入金額が20万円以内であれば関税は免除されますが、申告自体は必要です。
免税範囲を超えた商品を持ち出す場合、税関で自己申告が必須となります。携帯品・別送品申告書に購入商品の詳細と金額を記入し、レシートや領収書を準備して提出します。
購入商品を沖縄県内で消費してしまった場合や、別送品として配送した場合は、免税の適用条件を満たさなくなります。この場合、後から関税の追徴が発生する可能性があります。条件違反には注意が必要です。
特定免税店制度は沖縄振興特別措置法に基づく特例措置であり、期限付きの制度です。制度の延長や変更については定期的に確認する必要があります。通関業務従事者は最新の制度情報を常に把握しておくべきです。
通常の免税店制度との併用も可能ですが、それぞれの制度で免除される税金が異なります。消費税免税店で消費税を免除し、特定免税店で関税を免除することで、最大限のメリットを得られる場合もあります。いいことですね。
制度の根拠法令が大きく異なります。一般的な消費税免税店は消費税法に基づく制度で全国展開されていますが、特定免税店制度は沖縄振興特別措置法に基づく沖縄県限定の制度です。法的根拠が異なるため、適用ルールも別々に管理されます。
対象者の範囲も明確に区別されます。消費税免税店は非居住者(主に外国人旅行者)が対象ですが、特定免税店は日本国内旅行者も含めた「沖縄から本土へ出域する旅客」全般が対象です。国籍による制限はありません。
免除される税金の種類が最も重要な違いです。消費税免税店では消費税(10%)が免除されますが、特定免税店では関税のみが免除され、消費税や酒税、たばこ税は免除されません。購入者への説明時に混同しないよう注意が必要です。
購入限度額の設定も異なります。消費税免税店では一般物品5,000円以上、消耗品5,000円以上50万円以下という区分がありますが、特定免税店では一律1人あたり20万円が上限です。金額管理の方法が違います。
参考)|消費税免税店サイト
対象商品の範囲にも差があります。消費税免税店は国内製造品も含め幅広い商品が対象ですが、特定免税店は輸入商品のみに限定されます。この商品区分の違いを正確に理解することが通関業務の基本です。
国土交通省の消費税免税店サイト(一般的な免税店制度の詳細と対象物品について解説)