後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用体制を評価する診療報酬加算において、一部の後発品が算定対象から「除外品目」として扱われる仕組みが存在します。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000907844.pdf
後発品割合が90%を超えないと、加算1の最高評価を得られません。
診療報酬における後発医薬品の加算対象から除外される品目は、主に薬価改定によって生じます。具体的には、後発品として承認された医薬品であっても、先発医薬品と薬価が同額または高くなった場合、加算等の算定対象とならない後発医薬品として分類されます。
参考)環境負荷削減貢献量評価手法研究会活動報告
この逆転現象は不合理に見えます。
令和4年度薬価改定では、薬価が先発品より高くなった後発品や、先発品と同額になった後発品が「除外品目」として明示されました。これは医療機関や薬局が後発品使用体制加算を算定する際に、実質的に経済的メリットのない後発品を除外するための措置です。
つまり価格差がないなら評価対象外です。
一方、逆のパターンとして「後発医薬品のある先発医薬品」であっても、後発品と同額または薬価が低い場合は、診療報酬における加算等の算定対象とならない「後発医薬品のある先発医薬品」として取り扱われます。
後発医薬品の出荷停止や供給不安が続く中、厚生労働省は臨時的な特例措置を設けています。2025年10月診療・調剤分から2026年3月分まで、「供給不安となっている後発品」を後発医薬品の使用(調剤)割合の算出対象から除外することが認められています。
参考)睡眠覚醒改善のための可搬型光治療器の開発と性能評価
この措置は医療機関の救済策です。
対象となる除外品目は膨大な数に上り、厚生労働省のサイトからエクセルファイルとしてダウンロード可能です。臨時的取扱いを行う場合、別添リストに示す全ての品目について後発品割合の算出対象から除外する必要があり、一部の成分の品目のみ算出対象から除外することは認められません。
参考)後発品使用体制加算・調剤体制加算などの「後発品使用割合」、2…
全品目除外か、通常計算かの二択です。
後発医薬品の出荷停止等を踏まえた診療報酬上の臨時的な取扱いについて
供給不安薬の除外品目リストと臨時特例措置の詳細が掲載されています。
後発品使用体制加算や後発医薬品調剤体制加算では、「後発品数量割合」と「カットオフ値」の両方の基準を満たす必要があります。後発品数量割合は「後発品÷(後発品のある先発品+後発品)」、カットオフ値は「(後発品のある先発品+後発品)÷全医薬品」で計算されます。
注意すべきは両者の計算方法の違いです。
供給不安による臨時的な除外措置は、後発品数量割合の計算にのみ適用され、カットオフ値の算出には適用されません。つまり、臨時的取扱いにより後発品割合を除外して計算した場合でも、カットオフ値については従前通り算出し、加算等の施設基準の実績要件(50%以上)を満たすかどうか確認する必要があります。
参考)後発品使用体制加算・調剤体制加算などの「後発品割合」、202…
カットオフ値は除外なしで計算します。
ただし、2024年4月実績からは当面の間、カットオフ値について一定の医薬品を「後発医薬品のある先発医薬品および後発医薬品」(分子)に含めて計算してよいという別の救済特例措置も存在します。
参考)後発品使用体制加算などのカットオフ値で「分子に一定の医薬品を…
医療機関や薬局が加算を適切に算定するためには、最新の除外品目情報を定期的に確認することが重要です。厚生労働省は薬価基準収載品目リストを公開しており、「診療報酬における加算等の算定対象となる後発医薬品」と除外品目を明示しています。
参考)https://www.mhlw.go.jp/topics/2024/04/tp20240401-01.html
定期更新が欠かせません。
リストでは、後発品として承認されていても先発品と薬価が同額または高いものには「★」印が付され、診療報酬における加算等の算定対象とならない後発医薬品として示されています。同様に、「後発医薬品のある先発医薬品」であっても後発品と同額または薬価が低いものには「☆」印が付されます。
記号で一目瞭然に区別できます。
薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について
令和7年4月以降の最新の薬価情報と除外品目が記号付きで確認できます。
通関業務従事者が医薬品輸入の際に「後発品」という用語を目にする場合、国内流通後の診療報酬制度における除外品目の扱いまで理解しておくと、輸入医薬品の国内価値を正確に把握できるようになります。