補助鎮痛薬とは|種類・使い分け・併用原則を解説

補助鎮痛薬は単独で使っても鎮痛効果はありません。本来の薬理作用は鎮痛ではなく、オピオイドや非オピオイドと併用して神経障害性疼痛などに用いる薬剤です。適切に使い分けできていますか?

補助鎮痛薬とは併用で鎮痛効果示す薬剤

「補助鎮痛薬は単独で使っても鎮痛効果は出ません」


この記事の3ポイント要約
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補助鎮痛薬の定義

主な薬理作用は鎮痛ではないが、鎮痛薬と併用することで特定の状況下で鎮痛効果を示す薬剤

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主な対象疾患

神経障害性疼痛、骨転移痛などオピオイドや非ステロイド性抗炎症薬で十分な効果が得られない痛みに使用

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使用時の注意

必ずオピオイドや非オピオイドとの併用が原則。レスキュー薬のように自己調節では使用しない


補助鎮痛薬の定義と基本概念

補助鎮痛薬とは「主たる薬理作用には鎮痛作用を有しないが、鎮痛薬と併用することにより鎮痛効果を高め、特定の状況下で鎮痛効果を示す薬物」と定義されます。つまり、この薬剤単独では痛みを取る効果はほとんど期待できません。 jspm.ne(https://www.jspm.ne.jp/files/guideline/pain_2020/02_06.pdf)


本来は抗うつ薬や抗けいれん薬として開発された薬剤が多く、神経系への作用を通じて鎮痛効果を発揮します。オピオイド鎮痛薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、アセトアミノフェンなどの鎮痛薬と併用することが原則です。 webview.isho(https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.15106/j_naika131_615)


単独使用では意味がないということですね。


補助鎮痛薬の定義には広義と狭義があり、副作用対策や痛み以外の症状緩和目的で使われる薬剤を含める場合もあります。医療用麻薬適正使用ガイダンスでは、鎮痛補助薬は「co-analgesic」として、他の鎮痛薬の効果を補完する役割を担うと説明されています。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001245820.pdf)


補助鎮痛薬が必要となる痛みの種類

骨転移痛も重要な適応の一つです。がん患者において麻薬性鎮痛薬の使用量を増量しても十分に効果が得られない骨転移痛に対し、麻薬性鎮痛薬やNSAIDsと併用して使用します。骨転移痛は体動時に増強する特徴があり、炎症性の要素も含むため、複数の機序からアプローチする必要があります。 pharm-hyogo-p(https://www.pharm-hyogo-p.jp/renewal/siryou/s85.pdf)


これらは通常の鎮痛薬だけでは限界があるんです。


オピオイドや非オピオイドに反応しにくい慢性疼痛や激痛の場合にも、補助鎮痛薬の追加を検討します。痛みの性質や部位によって、使用する補助鎮痛薬の種類を選択することが求められます。 toutsu(https://www.toutsu.jp/Cure/Yakubutsu)


補助鎮痛薬の主な種類と作用機序

抗けいれん薬は、神経障害性疼痛に対する第一選択薬の一つです。ガバペンチン(ガバペン®)、プレガバリンリリカ®)、ミロガバリン(タリージェ®)などが代表的で、神経のCa²⁺チャネルα₂δリガンドに作用し、興奮性神経伝達物質の過剰放出を抑制します。 ito-pain(https://ito-pain.com/blog/post-472/)


具体的には、ガバペンチンは900~3600mg/日、プレガバリンは150~600mg/日の用量で使用され、発作性の刺すような痛みや電撃痛に効果的です。副作用として眠気、めまい、嘔気、浮腫、体重増加などがあり、患者への説明が必要です。 jpps.umin(http://jpps.umin.jp/wp-content/uploads/post/journal/0103_01.pdf)


眠気の副作用は患者さんに事前に伝えましょう。


抗うつ薬も補助鎮痛薬として広く使用されます。三環系抗うつ薬(TCA)のアミトリプチリン(トリプタノール®)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)のデュロキセチンサインバルタ®)が代表的で、下行性疼痛抑制系を賦活化することで鎮痛効果を発揮します。 jpps.umin(https://jpps.umin.jp/old/issue/magazine/pdf/0103_01.pdf)


その他、カルバマゼピンバルプロ酸クロナゼパムなどの抗けいれん薬も使用されます。カルバマゼピンは初回1日量200~400mg、最大600mg分3まで、バルプロ酸は300~600mg分3/日で使用されます。 jpps.umin(https://jpps.umin.jp/old/issue/magazine/pdf/0103_01.pdf)


補助鎮痛薬使用時の併用原則と注意点

補助鎮痛薬は必ずオピオイドや非オピオイド(アセトアミノフェン、NSAIDs)と併用して使用することが原則です。単独での使用では鎮痛効果が期待できないため、基本となる鎮痛薬をまず適切に投与した上で追加します。 webview.isho(https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.15106/j_naika131_615)


定期的な服用が効果を引き出す鍵ですね。


併用禁忌や併用注意の薬剤にも注意が必要です。例えば、抗がん剤のペメトレキセドアリムタ®)投与中または投与予定の患者では、NSAIDsが腎毒性を増強するため禁忌となります。また、他の非ステロイド性抗炎症薬との併用は推奨されず、単独使用での消炎鎮痛効果を超える効果は期待できません。 chukyo-hosp.sakura.ne(https://chukyo-hosp.sakura.ne.jp/kanwa/?p=400)


補助鎮痛薬の適切な導入タイミング

基本的には、通常の鎮痛薬で痛みのコントロールを試みた後、効果が不十分な場合に補助鎮痛薬の追加を検討します。WHOがん疼痛治療ガイドラインでは、痛みの強さに応じて段階的に鎮痛薬を選択し、各段階で必要に応じて補助鎮痛薬を併用する方針が示されています。 saimiya(https://www.saimiya.com/images/stories/sinryou/kanwatebiki_2.pdf)


段階的なアプローチが推奨されています。


患者の痛みの性質(発作性、持続性、体動時増悪など)や随伴症状(感覚障害、運動障害など)を詳細に評価し、最適な補助鎮痛薬を選択することが重要です。効果判定には数日から1週間程度を要するため、患者への説明と理解が不可欠となります。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/500443)


補助鎮痛薬使用における医療従事者の役割

医療従事者は、補助鎮痛薬が単独では鎮痛効果を示さないという基本原則を患者に明確に説明する必要があります。特に「痛み止め」という言葉のイメージから、患者が即効性を期待してしまうケースが多いため注意が必要です。 pharm-hyogo-p(https://www.pharm-hyogo-p.jp/renewal/siryou/s85.pdf)


効果発現までに3~5日かかることや、副作用として眠気やめまいが出現する可能性について、導入前に十分な情報提供を行います。また、定期的な服用が重要であり、自己判断での中止や用量調整をしないよう指導します。 ito-pain(https://ito-pain.com/blog/post-457/)


患者さんの理解が治療成功の鍵です。


薬剤師は、処方された補助鎮痛薬と併用される基本鎮痛薬の組み合わせを確認し、単独処方になっていないかチェックする役割があります。看護師は、患者の痛みの評価や副作用のモニタリングを継続的に行い、医師へのフィードバックを通じて適切な用量調整につなげます。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/500443)


多職種連携により、補助鎮痛薬の適正使用を推進することで、難治性疼痛を持つ患者のQOL向上に貢献できます。医療用麻薬の自己管理マニュアルでは、過度な管理により必要時に鎮痛薬を使用できない事態を避けるよう注意喚起されており、患者中心のケアが求められています。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001245822.pdf)


日本緩和医療学会「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2020年版」第6章 鎮痛補助薬
補助鎮痛薬の定義や分類、各種薬剤の使用方法について詳細に解説されています。


厚生労働省「医療用麻薬適正使用ガイダンス 令和6年版」
医療用麻薬と併用する補助鎮痛薬の適正使用について、厚生労働省の公式見解が示されています。