「息切れだけなら様子見」はダメ、1分で訴え方が変わるときはすでに心停止リスクがあります。
肺血栓塞栓症の典型症状として、突然の呼吸困難、胸痛、頻呼吸、頻脈が挙げられます。 しかし、現場で多いのは「なんとなく息苦しい」「少し歩くと苦しい」といった軽い訴えから始まり、その後数十分以内にSpO₂低下や血圧低下へ進行するケースです。 この「違和感レベル」の訴えを、心不全や不安、過換気だけと決めつけてしまうと診断が遅れます。 結論は「軽い呼吸苦+頻脈+頻呼吸」が揃った時点で、肺血栓塞栓症を強く疑うことです。 kango-roo(https://www.kango-roo.com/learning/7237/)
典型的な観察ポイントとして、呼吸数22回/分以上、脈拍100回/分以上、SpO₂の突然の3〜5%低下などが重要です。 例えば、安静時呼吸数が16回/分だった患者が20分後に24回/分へ増え、SpO₂が97%から92%に落ちていたら、東京ドーム1周分を早歩きしたくらいの呼吸負荷が急にかかったイメージです。 つまり「安静なのに息が上がっている」状態ですね。 この時点で医師へ「突然」「数値の変化」「訴え方の変化」をセットで報告すると、造影CTや心エコーなどの診断につながりやすくなります。 nurse-happylife(https://www.nurse-happylife.com/19887/)
重症化のサインとしては、血圧低下(収縮期90mmHg未満)、チアノーゼ、冷や汗、意識レベル低下、失神などがあります。 特に「排便・排尿後の急な胸痛・呼吸困難」「安静解除後の最初の歩行時の急変」は、肺血栓塞栓症で頻度が高い発症状況です。 これは、長期臥床で形成された下肢静脈血栓が、体動やいきみをきっかけに一気に肺へ流れてしまうためです。 つまり安静解除直後の歩行は、肺動脈に“血栓のシャワー”が一気に流れ込むリスクがあるタイミングということですね。 primary-care.sysmex.co(https://primary-care.sysmex.co.jp/speed-search/disease/index.cgi?c=disease-2&pk=53)
こうしたリスク場面では、急に「痛い」「苦しい」と訴えた瞬間から、脈拍・呼吸数・SpO₂を同時に確認する習慣づけが重要です。 ここで「酸素投与だけして様子を見る」と評価を後回しにすると、ショックに陥るまでの時間が短くなります。 結論は「訴え方が変わったら、3分以内にバイタルとSpO₂を確認」が原則です。 ameblo(https://ameblo.jp/stroke-rehabilitation-ns/entry-12918299293.html)
肺血栓塞栓症の約9割は、下肢深部静脈や骨盤内静脈の血栓が原因と言われています。 つまり、肺での症状が出る前に、すでに足に「サイン」が出ていることが多いということです。 典型的には、片脚の腫脹、発赤、熱感、痛みで、長さ10cm程度の範囲がむくんで「片脚だけ太く」見えることがあります。 つまり下肢DVTの観察が基本です。 note(https://note.com/takasi1007/n/na1fc24f91022)
ここで医療者がやりがちで危険なのが、「むくみがつらそうだから」と下腿をしっかりマッサージしてしまうことです。 下肢の深部静脈に血栓がある状態で強いマッサージを行うと、血栓が物理的に遊離し、数分〜数十分のうちに肺血栓塞栓症を引き起こすリスクがあります。 結論は「原因不明の片脚の腫れにはマッサージ禁止」です。 primary-care.sysmex.co(https://primary-care.sysmex.co.jp/speed-search/disease/index.cgi?c=disease-2&pk=53)
看護の具体的な観察としては、左右のふくらはぎの周径差(例:左右差2cm以上)、圧痛の有無、皮膚色の変化、表在静脈の怒張などを記録します。 はがきの横幅(約15cm)くらいの範囲で赤みと熱感がある場合は、血栓性静脈炎も疑います。 この時点で、下肢を心臓より高く上げすぎたり、膝裏に枕を当てて静脈流を圧迫したりする体位は避けるべきです。 つまり「楽な体位=静脈うっ滞を悪化させない体位」が条件です。 ameblo(https://ameblo.jp/stroke-rehabilitation-ns/entry-12918299293.html)
予防の場面では、弾性ストッキングや間欠的空気圧迫装置(IPC)の使用が有効ですが、「サイズ不適合」「しわ」「折れ曲がり」は逆に局所の血行障害や褥瘡の原因になります。 特に高齢者や糖尿病患者では、弾性ストッキングの締め付け部位に水疱やびらんができ、それが感染源になるリスクもあります。 こうしたリスクを避けるためには、装着前後の皮膚観察、1日数回の除圧と再装着、適切なサイズの再評価などをルーチン化するサービス・ツール(サイズ測定テープやチェックリスト)を病棟単位で導入するのが有効です。 つまり「装着したら終わり」ではなく「装着後の観察」が必須です。 j-depo(https://j-depo.com/news/pulmonary-embolism.html)
肺血栓塞栓症が疑われる場面で、看護師がすぐに確認できる検査・指標として、SpO₂、Dダイマー、動脈血液ガス(ABG)、心電図などがあります。 SpO₂は、普段97〜99%程度だった患者で急に92〜94%へ低下した場合、それだけで“要注意”です。 高層ビルの最上階まで階段で一気に上がった時のような酸素不足が、ベッド上安静でも起きているイメージですね。 つまり小さなSpO₂低下でも、背景次第で意味が変わるということです。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/225628/)
Dダイマーは、血栓形成や線溶系の活性化を反映するマーカーで、多くの施設では1.0μg/mL以上を異常とする基準が用いられています。 ただし、術後、妊娠、炎症性疾患、高齢者などではベースラインが高いことも多く、「前日よりどのくらい上がったか」という経時変化を見ることが重要です。 例えば、前日2.0μg/mLだった患者が翌日6.0μg/mLに上昇していれば、東京ドーム1個分の観客が一斉に出口に向かって流れ出すように、体内の血栓関連イベントが急増しているイメージです。 結論は「絶対値より、急な上昇に着目する」です。 nurse-happylife(https://www.nurse-happylife.com/19887/)
ABGでは、PaO₂低下とPaCO₂低下を伴う「呼吸性アルカローシス」がよく見られ、A-aDO₂開大が特徴的です。 これは、換気は保たれているのに血流が障害されている“換気血流不均衡”の反映です。 例として、PaO₂が60mmHg台、PaCO₂が30mmHg前後、A-aDO₂が30mmHg以上に開大している場合は、肺血栓塞栓症を強く疑うべきパターンです。 つまり「低酸素+低二酸化炭素」は要注意です。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/225628/)
心電図では、洞性頻脈が最も多く、時にSⅠQⅢTⅢパターンや右脚ブロックなど右心負荷の所見がみられます。 しかし、これらは感度・特異度ともに高くなく、「急な頻脈+症状+リスク背景」の組み合わせで評価する必要があります。 看護師としては、心電図モニタの「HR 120以上が10分以上続く」「NIBPが90/60mmHgを下回る」といったアラームのパターンを把握し、肺血栓塞栓症の可能性を意識して報告内容を整理することが重要です。 つまり数値の“並び方”に注目することが大切です。 j-depo(https://j-depo.com/news/pulmonary-embolism.html)
肺血栓塞栓症の病態と検査値の読み方を、術前・術後の症例を通して解説している看護向け記事があります。 検査値の推移と看護のつなげ方を深く学びたい場合は、以下のリンクが参考になります。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/203212/)
術後に肺血栓塞栓症を発症した患者さんの検査値と看護|ナース専科
肺血栓塞栓症の主要なリスク因子として、長期臥床、手術後、ロングフライト、肥満、悪性腫瘍、経口避妊薬の使用、妊娠・産褥などが知られています。 例えば、3日以上のベッド上安静、3時間以上の手術、4時間以上の飛行機移動などは、静脈うっ滞を生みやすい条件です。 東京〜沖縄間のフライトを往復しただけでも、片道約2時間半、トランジットを含めると4時間以上座位が続くことがあり、高齢患者ではそれだけでDVTリスクが上がります。 つまり「日常の移動」がリスクになることもあるということです。 kompas.hosp.keio.ac(https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000622/)
病棟では、がん化学療法中の患者、整形外科の大手術後、脳卒中後の長期臥床患者など、複数のリスク因子を併せ持つケースが少なくありません。 このような患者に対して、「入院から退院まで一度もVTEリスク評価スコアを記録していない」という状況は珍しくなく、結果として予防的抗凝固療法の導入が遅れることがあります。 厳しいところですね。 kango-roo(https://www.kango-roo.com/learning/8249/)
看護師ができる実践的な対策としては、入院時・術前・術後・安静度変更時などの節目ごとに、簡易スコアを用いてVTEリスクをチェックし、記録とともに医師に共有することが挙げられます。 例えば「70歳以上+がん+3日以上のベッド上安静」の組み合わせであれば、リスクが高いことは直感的にも分かりますが、スコア化して可視化することで、抗凝固療法や弾性ストッキングの導入が検討されやすくなります。 結論は「リスクの見える化が予防のスタート」です。 kango-roo(https://www.kango-roo.com/learning/8249/)
また、災害時避難所や病院外での長時間座位など、通常とは異なる環境でのVTEリスクにも注意が必要です。 災害関連死の一因として、車中泊や体育館での長時間座位から静脈血栓症・肺塞栓が報告されており、医療従事者自身や家族にも関係する問題です。 こうした場面では、「1時間に1回は足首を上下に動かす」「水分摂取を意識する」といったシンプルな対策を、周囲の人にも伝えることが重要です。 つまり、医療者自身もリスク対象であると意識することが大切です。 j-depo(https://j-depo.com/news/pulmonary-embolism.html)
肺塞栓のリスクと予防を災害現場や在宅を含めて整理した資料があります。 病院外の場面での啓発に役立つ内容なので、院内研修資料の参考にできます。 j-depo(https://j-depo.com/news/pulmonary-embolism.html)
肺塞栓の看護|医療現場や災害現場での発症リスクと予防法
肺血栓塞栓症患者の多くは、ヘパリンやワルファリン、DOACなどの抗凝固療法を受けており、出血リスクとのバランスをとった看護が必要です。 特に高齢者や認知機能低下のある患者では、日常生活のちょっとした転倒や打撲が、頭蓋内出血や消化管出血につながることがあります。 つまり「動いてもらうほど危険が増す」というジレンマがあるわけです。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/203212/)
このジレンマに対しては、「転倒リスクを下げつつ、静脈うっ滞を減らす」という視点でADL支援を設計する必要があります。 例えば、歩行器やポータブルトイレの導入によって移動距離を短くしつつ、こまめに立位・歩行の機会を設ける、ベッド柵・手すり・床材を見直す、といった環境調整が有効です。 つまり環境調整が条件です。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/203212/)
また、抗凝固療法中は、鼻出血、歯肉出血、皮下出血、血尿、黒色便などの出血サインを患者・家族と共有し、「いつ」「どこに」連絡すべきかを具体的に説明することが重要です。 例えば「500円玉サイズ以上の皮下出血が増えてきたら」「トイレットペーパーに血がつき続けるなら」など、日常生活の中でイメージしやすい基準を提示すると、早期受診につながります。 つまり“量と頻度”の両方を目安にしてもらうということですね。 primary-care.sysmex.co(https://primary-care.sysmex.co.jp/speed-search/disease/index.cgi?c=disease-2&pk=53)
看護師側の工夫としては、抗凝固薬服用中の患者のシャンプーや清拭時に、頭皮や四肢の打撲痕、皮下出血の広がりを意識して観察し、写真やスケール(例:名刺大=約9×5cm)を用いてサイズを記録する方法があります。 これにより、医師が出血リスクと抗凝固療法の継続可否を判断しやすくなります。 つまり「見た目を言語化する」工夫が有用です。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/203212/)
出血傾向のある患者さんの日常生活支援と看護のポイントを解説した資料があります。 肺血栓塞栓症の抗凝固療法中のケアをイメージするうえで参考になります。 knowledge.nurse-senka(https://knowledge.nurse-senka.jp/203212/)
出血傾向のある患者さんは日常生活動作にも配慮する|ナース専科