GLP-1受容体作動薬だけ使っている患者はCGMの保険適応になりません
CGMの保険適応を受けるための基本条件は、インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っていることです。これは診療報酬上の算定要件として定められており、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病のいずれも対象となります。 ubie(https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/5y9i3s7n4i)
ここで注意が必要なのは、同じ注射薬でもGLP-1受容体作動薬だけを使用している患者は保険適応の対象外という点です。つまり、週1回のオゼンピックやマンジャロだけを注射している患者にCGMを処方しても、保険請求はできません。 kobe-kishida-clinic(https://kobe-kishida-clinic.com/about-diabetes-internal-medicine/type1-diabetes/cgm-devices/cgm-insurance-coverage-cost-guide/)
これは実際の診療現場で誤解されやすいポイントです。
内服薬のみで治療中の2型糖尿病患者も、現行の制度では保険適応の対象外となります。ただし、2024年に始まった選定療養制度を利用すれば、保険診療の枠組みの中でCGMを自費購入できる道が開けました。 kobe-kishida-clinic(https://kobe-kishida-clinic.com/about-diabetes-internal-medicine/type1-diabetes/cgm-devices/cgm-insurance-coverage-cost-guide/)
保険適応には患者側の条件だけでなく、医療機関側にも厳格な施設基準が設けられています。糖尿病治療の専門知識と5年以上の経験を持つ常勤医師が在籍していること、そして糖尿病療養指導の経験がある看護師または薬剤師が配置されていることが必要です。 carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/53588)
つまり、どんなクリニックでもCGMを保険適応で処方できるわけではないということですね。
CGMの保険適応で算定できる診療報酬は「持続血糖測定器加算」として設定されています。間歇注入シリンジポンプと連動しない持続血糖測定器(FreeStyleリブレ2など)を使用する場合、センサー2個以下で1,320点、3個または4個で2,640点、5個以上で3,300点が2月に2回に限り算定できます。 jp.provider.dexcom(https://jp.provider.dexcom.com/insurance-claim)
これを患者負担額に換算すると、3割負担の場合、月額約4,000円〜6,000円程度となります。1割負担の方であればさらに抑えられ、月1,500円〜2,000円前後です。 kobe-kishida-clinic(https://kobe-kishida-clinic.com/about-diabetes-internal-medicine/type1-diabetes/cgm-devices/cgm-cost-insurance-self-pay-comparison/)
具体的な内訳を見てみましょう。
FreeStyleリブレ2のセンサーは1個で約14日間使用できるため、1か月で2個必要になります。保険適応であれば、センサー代と関連する診察料、指導料などを合わせて上記の金額に収まるケースが多いです。 freestyle(https://www.freestyle.abbott/ja-jp/products/freestyle-libre.html)
ただし、医療機関によって再診料や指導料の算定方法が異なるため、実際の支払額には多少の幅があります。
CGMの保険請求には血糖自己測定(SMBG)との併用が前提となっているケースもあります。保険診療上、リブレが血糖自己測定の「補助器具」扱いとなっているため、1日4回の血糖測定を求められることもあるのです。 jinnouchi.or(https://www.jinnouchi.or.jp/blog/3432/)
これは患者の負担になりやすいポイントです。
2型糖尿病患者でも、インスリン自己注射を1日1回以上行っていればCGMの保険適応対象となりますが、さらに特殊な条件を満たせばリアルタイムCGMの適応も検討できます。 medtronic(https://www.medtronic.com/jp-ja/about/news/pressrelease/2020-04-17.html)
具体的には、内因性インスリン分泌が著しく低下している方や血糖コントロールが不安定な方が対象です。2020年4月の診療報酬改定では、低血糖発作を繰り返す等の重篤な有害事象が起きている一部の2型糖尿病患者への保険適用が拡大されました。 prtimes(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000033801.html)
内因性インスリン分泌能の評価には、空腹時血清Cペプチド値が用いられます。一般的に、空腹時血清Cペプチドが0.5ng/mL以下であれば、インスリン分泌が高度に低下した状態(インスリン依存状態)と考えられます。 crc-group.co(https://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/127.html)
空腹時血清Cペプチド0.5ng/mL未満で低血糖を繰り返す場合はリアルタイムCGMの対象になります。 kobe-kishida-clinic(https://kobe-kishida-clinic.com/about-diabetes-internal-medicine/type1-diabetes/cgm-devices/cgm-insurance-coverage-cost-guide/)
リアルタイムCGMの使用には、間歇スキャン式CGMよりもさらに厳格な施設基準が設けられています。インスリンポンプ治療を行っている施設で、糖尿病専門医が常勤していることに加えて、インスリンポンプ治療の経験を2年以上有する常勤の看護師や薬剤師が1名以上配置されている施設に限定されます。 carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/53588)
つまり、大学病院や専門病院でないと導入が難しいということですね。
2024年4月の診療報酬改定により、「選定療養制度」が拡充され、インスリン治療をしていない糖尿病患者でも医療機関でCGMを自費購入できるようになりました。これは糖尿病診療における大きな転換点です。 yakkle(https://yakkle.jp/column/diabetes/electivecare)
選定療養制度とは、保険診療と自費診療を併用することを国が認めた制度で、個室入院の差額ベッド代などもこの制度に含まれます。2024年4月より、間歇スキャン式持続血糖測定器(CGM)の自費購入もこの制度の対象となりました。 yakkle(https://yakkle.jp/column/diabetes/electivecare)
対象となるのは、糖尿病と診断されている方で、インスリン注射をしていない方です。 tenma-clinic(https://www.tenma-clinic.jp/archives/1461)
選定療養制度を利用する場合の費用は、自費でCGMセンサーを購入する形となるため、月額約14,000円〜18,000円程度が相場です。ただし、センサーの販売価格は各医療機関が独自に設定しているため、同じFreeStyleリブレ2のセンサーでも1個あたり6,600円の医療機関もあれば9,000円のところもあり、月2個で最大4,800円もの差が生まれます。 kobe-kishida-clinic(https://kobe-kishida-clinic.com/about-diabetes-internal-medicine/type1-diabetes/cgm-devices/cgm-cost-insurance-self-pay-comparison/)
患者さん自身が申請書類などを準備する必要はなく、選定療養に対応している医療機関を受診し、医師の診察を受け、条件を満たしていればその場で自費購入できます。 yakkle(https://yakkle.jp/column/diabetes/electivecare)
手続きは不要です。
診療報酬上の標準額は、血糖自己測定器加算のC150-7(1250点)相当額とされており、社会的に見て妥当な範囲の額とすることが求められています。医療機関によって価格設定が異なるため、事前に複数の医療機関に問い合わせることで費用を抑えられる可能性があります。 jds.or(https://www.jds.or.jp/uploads/files/document/info/2024-07-01_isCGM.pdf)
日本糖尿病学会による選定療養の運用に関する公式ガイドライン(選定療養の料金設定や対象者の詳細が記載されています)
CGMを保険適応で使用するためには、患者側の条件だけでなく、医療機関側も厳格な施設基準を満たす必要があります。この施設基準は、CGMの適正使用を確保するために設けられており、地方厚生局長等への届出が必要です。 jp.provider.dexcom(https://jp.provider.dexcom.com/insurance-claim)
施設基準の主な内容は以下の通りです。
- 糖尿病の治療に関し、専門の知識及び少なくとも5年以上の経験を有する常勤の医師が1名以上配置されていること jp.provider.dexcom(https://jp.provider.dexcom.com/insurance-claim/how-to)
- 糖尿病療養指導の経験がある看護師または薬剤師(糖尿病療養指導士や糖尿病看護認定看護師など)が1名以上配置されていること carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/53588)
- 皮下連続式グルコース測定に関する施設基準の届出を行っている医療機関であること jp.provider.dexcom(https://jp.provider.dexcom.com/insurance-claim/how-to)
つまり、個人開業医のクリニックでも条件を満たせば保険適応でCGMを処方できますが、専門医と経験のある医療スタッフが揃っていることが前提となります。
患者が医療機関を選択する際には、その施設がCGMの施設基準届出を行っているかを確認することが重要です。
リアルタイムCGMの場合は、さらに厳しい基準があります。インスリンポンプ治療を行っている施設で、糖尿病専門医が常勤していることに加えて、インスリンポンプ治療の経験を2年以上有する常勤の看護師や薬剤師が配置されている施設に限定されます。 carenet(https://www.carenet.com/news/general/carenet/53588)
これは大学病院レベルの施設が対象になります。
施設基準を満たしていない医療機関では、たとえ患者がインスリン自己注射を行っていても、CGMの保険請求ができません。かかりつけ医でCGMの導入を希望する場合は、まず施設基準の有無を確認し、必要に応じて専門医療機関への紹介を受けることになります。
Dexcom CGMの保険請求に関する詳細情報(施設基準の具体的な要件と届出方法が掲載されています)