あなたのHCO3−正常判定、実は3mEq/Lズレで代謝異常を見逃します
重炭酸イオン(HCO3−)の正常値は一般的に22〜26mEq/Lとされています。血液ガス分析(ABG)では、pH・pCO2と並ぶ重要な指標です。特に代謝性アシドーシスやアルカローシスの評価に直結します。
つまり基本レンジは22〜26です。
ただし、この数値は「静的な基準」ではありません。例えば高齢者では平均で1〜2mEq/Lほど低めに出ることがあり、慢性呼吸不全患者では28mEq/L近くまで上昇しても代償範囲内です。
ここが落とし穴です。
単純に基準範囲内だから正常と判断すると、慢性代謝異常を見逃す可能性があります。臨床では「その人にとっての基準」を意識する必要があります。
結論は個別評価です。
HCO3−が22mEq/L未満になると、代謝性アシドーシスが疑われます。例えば18mEq/Lなら中等度、15mEq/L以下なら重症と判断されることが多いです。これは臨床的にも重要なラインです。
15以下は要注意です。
原因としては、腎不全、糖尿病性ケトアシドーシス、乳酸アシドーシスなどが挙げられます。特に乳酸値が4mmol/L以上であれば、ショックや敗血症の可能性も考慮します。
これは危険サインです。
ここで重要なのが、pHが正常でも安心できない点です。呼吸性代償によってpHが7.35〜7.45に収まるケースもあります。
つまり隠れ異常です。
評価の基本は「HCO3−低下+pCO2低下」です。この組み合わせを見逃さないことが、重症患者の早期発見につながります。
セットで見るが基本です。
HCO3−が26mEq/Lを超えると、代謝性アルカローシスを疑います。30mEq/L以上では臨床的に明らかな異常とされます。
30以上は異常です。
代表的な原因は以下です。
・嘔吐(胃酸喪失)
・利尿薬(特にループ系)
・低カリウム血症
特に利尿薬使用患者では、28〜32mEq/L程度の慢性的上昇が見られることがあります。この場合、症状が軽くても電解質異常が進行している可能性があります。
意外に多いです。
また、アルカローシスは呼吸抑制を引き起こすため、高齢者ではCO2ナルコーシスのリスクもあります。見逃すと入院リスクが上がります。
痛いですね。
評価のコツは「Cl−とK+も一緒に見る」ことです。これだけで原因の絞り込み精度が大きく向上します。
電解質併用が基本です。
HCO3−単独では正確な評価はできません。必ずpHとpCO2をセットで確認します。これは血液ガスの基本原則です。
単独判断は危険です。
例えば以下のようなケースです。
・HCO3− 24(正常)
・pCO2 50(高値)
・pH 7.33(低値)
この場合、呼吸性アシドーシスの代償状態です。一見正常に見えるHCO3−が、実は異常の一部になっています。
見かけに騙されます。
逆に、HCO3−が20でもpCO2が30なら代償として正常範囲内の可能性があります。このように、相互関係で評価することが不可欠です。
つまり相関評価です。
参考:血液ガスの基本的な読み方(日本呼吸器学会)
https://www.jrs.or.jp/
臨床で多いミスの一つが「正常値内だから問題なし」と判断することです。実際には±3mEq/Lの変動でも臨床的に意味があります。
ここが盲点です。
例えば、普段25mEq/Lの患者が22mEq/Lに低下している場合、すでに代謝性アシドーシスの初期かもしれません。数値は正常でも変化量が重要です。
変化を見るべきです。
この見逃しによって、脱水や腎機能低下の初期対応が遅れ、入院や透析につながるケースもあります。時間的損失が大きいです。
厳しいところですね。
このリスクの対策として「前回値との比較」を行うことが有効です。電子カルテで直近3回分を確認するだけで、異常の早期発見率が上がります。
確認するだけでOKです。
また、慢性疾患患者では「その人の基準値メモ」を持つと判断が安定します。特に在宅医療や外来フォローで有効です。
これは使えそうです。