2025年7月24日の薬事審議会にて、9価HPVワクチン「シルガード9」の効能効果に肛門がん予防が追加され、男性への適応拡大が了承されました。 同年8月には厚生労働省が正式に承認し、9歳以上の男性も接種対象となっています。 それまで日本で男性に使用できたHPVワクチンは4価の「ガーダシル」のみであり、9価ワクチンは女性限定でした。 y-naika-clinic(https://y-naika-clinic.com/2025/09/01/hpv%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%80%8C%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%899%E3%80%8D%E3%81%8C%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%82%82%E6%8E%A5%E7%A8%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AB/)
つまり、9価ワクチンの男性接種はまだ歴史が非常に浅いということです。
世界に目を向けると、15歳以上の男性の約3人に1人が性器HPVに感染しているとWHOは報告しており、5人に1人がハイリスク型(発がん性型)を保有しているとされています。 日本国内での「男性でもHPVワクチン接種できる」という認知率は、2025年度調査で全体わずか39.4%にとどまります。 医療従事者が正確な情報を持って患者へ伝えることが、普及の鍵を握っています。 jcancer(https://www.jcancer.jp/release/18405/)
参考:2025年度HPVワクチン男性接種に関する日本がん学会調査報告
https://www.jcancer.jp/release/18405/
今回の男性への適応拡大で追加された効能・効果は、肛門がん(扁平上皮がん)およびその前駆病変(肛門上皮内腫瘍 AIN 1〜3)の予防、ならびに尖圭コンジローマの予防です。 9価ワクチンはHPV 6・11・16・18・31・33・45・52・58型の9種類をカバーするため、4価に比べてより広範な疾患抑制が期待できます。これは重要な点です。 y-naika-clinic(https://y-naika-clinic.com/2025/09/01/hpv%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%80%8C%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%899%E3%80%8D%E3%81%8C%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%82%82%E6%8E%A5%E7%A8%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AB/)
オーストラリアでは男女ともに高い接種率を達成した結果、2028年には子宮頸がんが撲滅されるとの予測が出ており、男性への接種が集団免疫形成に直結することが証明されています。 「女性を守るため」という視点だけでなく、「男性自身を守る」という観点で患者へ説明することが推奨されます。 minpapi(https://minpapi.jp/hpvv-immunization-rate/)
接種スケジュールは年齢によって異なります。 y-naika-clinic(https://y-naika-clinic.com/2025/09/01/hpv%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%80%8C%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%899%E3%80%8D%E3%81%8C%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%82%82%E6%8E%A5%E7%A8%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AB/)
| 年齢区分 | 接種回数 | スケジュール |
|---|---|---|
| 9歳以上15歳未満 | 2回 | 初回+5〜12か月後 |
| 15歳以上 | 3回 | 0・2・6か月 |
15歳未満では2回接種で完了できるため、早期接種が費用面でも有利です。接種スケジュールは女性と同様の設定になっています。 y-naika-clinic(https://y-naika-clinic.com/2025/09/01/hpv%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%80%8C%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%899%E3%80%8D%E3%81%8C%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%82%82%E6%8E%A5%E7%A8%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AB/)
推奨年齢は9歳〜26歳が基本ですが、26歳を超えた成人男性でも医師との相談のうえ接種を検討できます。 性交渉開始前の早期接種が最も効果的であることは言うまでもありませんが、すでに性経験がある成人でも、未感染の型に対する予防効果は期待できます。これが原則です。 ujina-family-clinic(https://ujina-family-clinic.com/column/cancer/%E7%94%B7%E6%80%A7%E3%82%82%E7%9F%A5%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8A%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%84%EF%BC%81hpv9%E4%BE%A1%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%80%8C%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%BC/)
医療機関での説明時は、「接種完了まで約6か月かかる」という点を患者に必ず伝えてください。 特に自治体の助成期間終了が迫っている場合は、早めの接種開始を勧める必要があります。 pref.kanagawa(https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/hpv.html)
現時点で男性への接種は任意接種(全額自己負担)です。 9価ワクチン(シルガード9)の場合、1回あたり約2.75万円、3回完了で合計8〜10万円前後となるケースもあります。 minpapi(https://minpapi.jp/hpvv-men/)
痛いですね。
費用負担を理由に接種をためらう患者には、「今後の定期接種化に向けた動きがある」ことも情報として添えると、接種判断の後押しになります。医師からの一言が背中を押す場合も少なくありません。
参考:神奈川県HPVワクチン男性接種・費用の案内
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/hpv.html
男性患者へのHPVワクチン推奨において、見落とされがちなのが「MSM(男性と性交渉を持つ男性)」への積極的な勧奨です。MSMは肛門がんや尖圭コンジローマのリスクが特に高く、今回の適応拡大の恩恵を最も受けやすい集団の一つです。 診察室での問診でセクシュアリティを把握するのは容易ではありませんが、「すべての男性患者に一律に情報提供する」という姿勢が重要です。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001569950.pdf)
また、HPVワクチン接種済みの女性パートナーがいる男性でも、自分自身の感染リスクはゼロではありません。これは意外ですね。
パートナーが接種済みであっても、男性が9価ワクチンを接種することで、自身の口腔・咽頭・肛門への感染リスクを下げられるというメリットは独立して存在します。 患者説明では「パートナーが打っているから不要」という誤解を積極的に訂正することが、医療従事者の役割です。 cl-sacra(https://www.cl-sacra.com/archives/6707)
さらに、接種率向上のための情報提供に活用できる患者向けリソースとして「みんパピ!」(一般社団法人HPVについて正しく知ってもらうための協議会)が公開する資材は、エビデンスに基づいた内容で患者への説明補助に利用できます。
参考:みんパピ! – HPVワクチンの男性接種に関する情報
https://minpapi.jp/hpvv-men/
参考:厚生労働省 HPVワクチンの男性への接種に関する資料(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001569950.pdf
| 所得区分 | 月の上限(69歳以下) |
| ------------------ | ----------- |
| ア(年収1,160万円〜) | 252,600円+加算 |
| イ(年収770万円〜1,160万円) | 167,400円+加算 |
| ウ(年収370万円〜770万円) | 80,100円+加算 |
| エ(年収370万円未満) | 57,600円 |
| オ(住民税非課税) | 35,400円 |