骨軟化症原因はビタミンD不足だけじゃない|診断と治療の最新知識

骨軟化症の原因はビタミンD欠乏だけではありません。FGF23過剰や腎疾患、薬剤性など複数の要因が存在し、診断まで10年以上かかることも。誤診を防ぐために医療従事者が知っておくべき鑑別ポイントとは?

骨軟化症原因

診断まで平均10年以上かかっている骨軟化症患者が6割以上います。


この記事の3ポイント
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主要原因はFGF23過剰

ビタミンD欠乏だけでなく、FGF23関連の低リン血症が日本で最多の原因となっています

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誤診リスクが非常に高い

骨粗鬆症や関節リウマチと症状が類似し、初診から確定診断まで10年以上要する症例も多数

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薬剤性骨軟化症に注意

抗てんかん薬やアルミニウム製剤など、医薬品が原因で発症するケースがあります


骨軟化症原因の分類とメカニズム

骨軟化症の原因は主に3つのカテゴリに分類されます。第一に、ビタミンD関連の異常で、食事や日光不足による欠乏、腸管での吸収障害、腎機能低下による代謝障害が含まれます。第二に、リン代謝異常で、FGF23過剰産生や腎尿細管でのリン再吸収障害が該当します。第三に、薬剤性で、抗てんかん薬やアルミニウム製剤などがビタミンDやミネラル代謝に影響を与えるケースです。 nanbyou.or(https://www.nanbyou.or.jp/entry/4559)


これらの原因に共通するのは、骨の石灰化障害です。


正常な骨形成には、カルシウムとリンが骨基質に沈着する石灰化プロセスが不可欠ですが、これらの原因によって石灰化が阻害されると、類骨という柔らかい骨組織の割合が増加します。リンは骨の石灰化に不可欠なミネラルで、血中リン濃度が慢性的に低下すると骨の硬化不全が起こります。 fuelcells(https://fuelcells.org/topics/76112/)


石灰化障害を確定診断するには骨生検が原則ですが、実際には侵襲的検査であるため、臨床的にはX線検査と血液検査のみで診断することがほとんどです。 j-endo(https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=53%3Fn%3Dmamatena&slug=di1215&rut=d9f4742b15ca4b6b3ae4224bacbcd235d5fe9594c56e6735af1cdea933ebdd50)


骨軟化症原因としてのFGF23過剰産生

日本における骨軟化症の原因として最も多いのは、FGF23関連低リン血症くる病・骨軟化症です。FGF23は線維芽細胞増殖因子23というホルモンで、これが過剰に産生されると腎尿細管でのリン再吸収が抑制され、尿中へのリン排泄が増加します。同時に、腸管からのリン吸収も低下するため、血中リン濃度が異常に低くなります。 j-endo(https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=53)


つまり体からリンが失われていくということですね。


FGF23過剰の原因には、遺伝性疾患と腫瘍性疾患の2種類があります。遺伝性ではPHEX遺伝子変異によるX染色体優性低リン血症性くる病・骨軟化症(XLHR)が代表的で、X染色体上の遺伝子異常により発症します。腫瘍性では、良性の間葉系腫瘍がFGF23を過剰分泌し、腫瘍性骨軟化症を引き起こします。腫瘍が原因の場合、完全摘出により症状は改善しますが、腫瘍の発見が困難なケースも多く存在します。 kurukotsu(https://www.kurukotsu.com/about-fgf23/)


FGF23濃度を測定する血液検査が診断に有用で、血中1,25-水酸化ビタミンD濃度の低下も特徴的な所見です。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/001212058.pdf)


骨軟化症原因におけるビタミンD代謝異常

ビタミンD関連の骨軟化症には、欠乏性と抵抗性の2タイプがあります。欠乏性は、食事からのビタミンD摂取不足、日光曝露不足、腸管での吸収障害、腎・肝機能障害によるビタミンD代謝低下が原因です。特に完全母乳栄養の乳児や、日照時間が短い地域の住民、高齢者で発症リスクが高まります。 medicalnote(https://medicalnote.jp/diseases/%E3%81%8F%E3%82%8B%E7%97%85/contents/180329-003-ZF)


欠乏だけが原因ではありません。


ビタミンD依存性骨軟化症は、ビタミンDの代謝または感受性の障害により発症します。1型は腎臓での活性型ビタミンD産生障害、2型はビタミンD受容体の異常により、ビタミンDが十分あっても効果を発揮できない状態です。これらは遺伝性疾患で、通常のビタミンD補充では効果が得られず、大量のビタミンD製剤や活性型ビタミンD製剤の投与が必要になります。 nanbyou.or(https://www.nanbyou.or.jp/entry/4561)


栄養摂取状況や日光曝露歴、家族歴の問診が診断の重要な手がかりとなるため、初診時の詳細な問診が欠かせません。 jcrpharm.co(https://www.jcrpharm.co.jp/medical/pdf/Pitfall/Pitfall_vol-19.pdf)


骨軟化症原因としての腎尿細管障害とリン喪失

腎尿細管の機能異常によるリン再吸収障害も、骨軟化症の重要な原因です。正常な腎臓では、糸球体で濾過されたリンの約80〜90%が近位尿細管で再吸収されますが、尿細管障害があるとこの再吸収機能が低下し、尿中へのリン喪失が増加します。腎性リン喪失が続くと、血中リン濃度が低下し、骨の石灰化不全が進行します。 fuelcells(https://fuelcells.org/topics/76112/)


腎機能が原因のケースです。


腎尿細管障害の原因には、ファンコニ症候群などの先天性疾患、重金属中毒、薬剤性障害などがあります。ファンコニ症候群では、リンだけでなくアミノ酸やグルコースの再吸収も障害され、多彩な代謝異常を呈します。また、慢性腎臓病では腎機能低下により活性型ビタミンDの産生が減少し、間接的に骨軟化症を引き起こすこともあります。 fuelcells(https://fuelcells.org/topics/76112/)


血液検査での血中リン濃度測定と尿中リン排泄量の評価、腎機能検査が診断に必要で、尿細管リン再吸収率(TRP)や尿細管リン最大再吸収率(TmP/GFR)の計算が鑑別診断に役立ちます。 kurukotsu(https://www.kurukotsu.com/diagnosis/)


骨軟化症原因における薬剤性発症

特定の医薬品が骨軟化症を引き起こすことがあります。代表的なのは抗てんかん薬で、フェニトインカルバマゼピンなどがビタミンDの代謝を促進し、活性型ビタミンDの分解を加速させます。長期服用により体内のビタミンD濃度が低下し、骨の石灰化障害が発生するメカニズムです。 j-endo(https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=53)


薬の副作用が原因なんですね。


アルミニウム含有製剤も骨軟化症の原因となり、特に透析患者で使用されるリン吸着薬に含まれるアルミニウムが骨に沈着し、石灰化を直接阻害します。エチドロネートなどの第一世代ビスホスホネート製剤も、高用量・長期使用により骨石灰化障害を起こす可能性が報告されています。 j-endo(https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=53)


これらの薬剤性骨軟化症を見逃さないためには、詳細な服薬歴の聴取が不可欠です。


抗てんかん薬を長期服用している患者、透析患者、骨粗鬆症治療中の患者などでは、定期的な血中ビタミンD濃度やアルカリホスファターゼ値のモニタリングが推奨されます。原因薬剤の中止や変更、ビタミンD補充により症状改善が期待できるため、早期発見が重要です。 kurukotsu(https://www.kurukotsu.com/diagnosis/)


骨軟化症原因の鑑別診断における落とし穴

骨軟化症は他疾患との鑑別が極めて難しく、初診から確定診断まで10年以上かかるケースが非常に多く見られます。主な症状である骨痛、筋力低下、歩行困難は、骨粗鬆症、関節リウマチ、脊柱管狭窄症、線維筋痛症などと共通しており、成人発症例のほとんどが当初は他疾患と誤診されています。 medicalnote(https://medicalnote.jp/diseases/%E3%81%8F%E3%82%8B%E7%97%85/contents/180329-007-QU)


診断が遅れると大変です。


誤診の主な理由は、医療従事者の認識率の低さと、検査値の解釈ミスです。血中リン濃度が基準値下限付近の場合、検査システムによっては正常範囲として表示され、低リン血症を見逃してしまうことがあります。また、アルカリホスファターゼ(ALP)高値は肝胆道系疾患を疑う所見として認識されやすく、骨由来のALP上昇という視点が欠如しがちです。 jcrpharm.co(https://www.jcrpharm.co.jp/medical/pdf/Pitfall/Pitfall_vol-19.pdf)


骨折が起こりやすい部位の違いも鑑別のポイントで、骨軟化症では肋骨、大腿骨骨幹部、脛骨、足の甲(中足骨)などに特徴的な偽骨折が見られます。 kurukotsu(https://www.kurukotsu.com/similar-diseases/)


これに対し、骨粗鬆症では椎体、大腿骨頸部、橈骨遠位端の骨折が典型的です。X線検査でルーザー帯と呼ばれる骨皮質の透亮像を認めた場合、骨軟化症を強く疑う必要があります。 kurukotsu(https://www.kurukotsu.com/similar-diseases/)


骨痛に対して鎮痛薬のみで経過観察している間に症状が進行し、仕事や育児ができなくなるほど重症化する事例もあるため、原因不明の骨痛・筋力低下では必ず血中リン、カルシウム、ALP、ビタミンDの測定を行うべきです。 medicalnote(https://medicalnote.jp/diseases/%E3%81%8F%E3%82%8B%E7%97%85/contents/180329-007-QU)