日本では渡航外来でデング熱ワクチンを希望する患者が増えても接種できません。 ubie(https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/g7np9b1k_6)
現在、世界で上市されているデング熱ワクチンは2種類あります。サノフィ・パスツール社のDengvaxia®と武田薬品工業のQDENGA®(TAK-003)ですが、いずれも日本国内では接種できません。 ubie(https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/g7np9b1k_6)
QDENGA®は2022年8月にインドネシアで世界初の承認を取得して以来、EU、英国、タイ、アルゼンチン、ブラジル、ベトナムなど40カ国以上で承認されています。武田薬品が日本国外で初めて販売するワクチンであり、4種類すべてのデングウイルス血清型(DEN-1、DEN-2、DEN-3、DEN-4)を予防する4価弱毒生ワクチンです。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/10/a37ed63849944e0b.html)
Dengvaxia®はアメリカで9〜16歳、EUで6〜45歳が接種対象ですが、以前にデングウイルスに罹患したことが検査で確認された人のみが適応となります。この制限があるため、実用性の面でQDENGA®より劣ります。 ubie(https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/g7np9b1k_6)
日本では医師主導治験の計画もありましたが、現時点では進んでいない状況です。 jihs.go(https://www.jihs.go.jp/kensui/010/020/report_2017/27s2101.pdf)
QDENGA®の大きな特徴は、ワクチン接種に際し感染歴や抗デングウイルス抗体有無の確認を問わない点です。これはDengvaxia®との決定的な違いであり、医療現場での実用性を大きく高めています。 id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol45/534/534r04.html)
対象年齢は承認国によって異なります。インドネシアでは当初6〜45歳でしたが、EUでは4歳以上、タイでも4歳以上が対象となっています。接種スケジュールは3か月間隔で2回、0.5mlを皮下接種する形式です。 samitivej-jp(https://samitivej-jp.com/sriracha/news/qdenga.html)
過去のデング熱罹患歴の有無にかかわらず接種できることは、渡航前のワクチン接種計画を立てる上で大きなメリットです。検査のための追加来院や費用負担が不要になります。
つまり接種前検査は不要です。 id-info.jihs.go(https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/iasr/pathogens/vol45/534/534r04.html)
QDENGA®の主要第3相臨床試験であるTIDES試験では、7年間にわたる長期追跡調査が完了しています。この試験は最も長期間にわたり評価されたデング熱ワクチンのデータとなります。 takeda(https://www.takeda.com/jp/newsroom/newsreleases/2025/dengue-vaccine/)
接種後12か月時点での発症予防効果は80.2%、デング熱での入院抑制効果は90.4%でした。さらに注目すべきは、接種後4年半時点でも発症予防効果61.2%、入院抑制効果84.1%を維持していることです。 samitivej-jp(https://samitivej-jp.com/sriracha/news/qdenga.html)
4年半経過しても6割以上の予防効果が残るのは心強いデータです。
日本国内で接種できない現状では、渡航先や近隣国での接種が選択肢となります。タイのバンコク病院やサミティベート病院シラチャー、ベトナムのクリニックなど、東南アジアの医療機関でQDENGA®の接種サービスが開始されています。 jetro.go(https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/10/a37ed63849944e0b.html)
ベトナムでは2024年5月に保健省が承認し、10月から国内初の接種サービスが開始されました。タイでも認可され、日本人が多く利用する医療機関で接種可能です。 dymclinic(https://dymclinic.com/guide/vaccine/qdenga/)
接種を希望する患者には、渡航先での医療機関情報を提供することが医療従事者の役割になります。ただし、費用は自費診療となり、各国・各医療機関で異なるため事前確認が必要です。
WHOは2024年にQDENGA®を事前認証しており、デング熱が大規模流行している地域での子どもへの接種を推奨しています。 japan-who.or(https://japan-who.or.jp/news-releases/2405-33/)
QDENGA®は弱毒生ワクチンであるため、通常の生ワクチンと同様に接種後数日間の発熱が発生する可能性があります。患者への事前説明では、この副反応について伝えることが重要です。 dymclinic(https://dymclinic.com/guide/vaccine/qdenga/)
重篤な副反応については、新しいワクチンであるため現時点で特に死亡事故の報告はありません。ただし、生ワクチン全般に共通する禁忌事項として、明らかな発熱を呈している者、重篤な急性疾患にかかっている者、ワクチン成分によるアナフィラキシー既往のある者は接種を避ける必要があります。 kankyokansen(https://www.kankyokansen.org/wp-content/uploads/vaccine-guideline_05.pdf)
他の生ワクチンとの接種間隔にも注意が必要です。注射による生ワクチンを別の日に接種する場合、中27日以上の間隔をあける必要があります。渡航前に複数のワクチン接種を計画する場合、スケジュール調整が重要になります。 kankyokansen(https://www.kankyokansen.org/wp-content/uploads/vaccine-guideline_05.pdf)
世界初のデング熱ワクチンDengvaxia®(CYD-TDV)は2015年12月にメキシコで認可され、これまでに20を超える国と地域で認可されています。しかし2017年11月、ワクチン接種時の血清抗体保有状態を後ろ向きに判定する追加分析の結果、問題点が指摘されました。 forth.go(https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2022_00001.html)
その問題とは、デング熱の既往がない人に接種すると、長期的に重篤なデング熱に罹患するリスクがあるというものでした。このため、接種前にデング熱罹患歴の確認が必須となり、実用性が大きく制限されました。 jihs.go(https://www.jihs.go.jp/kensui/010/020/report_2017/27s2101.pdf)
武田薬品のQDENGA®はこの問題を解決し、感染歴を問わず接種できる点で画期的です。7年間の長期追跡データが得られた現在も、新たな安全性の懸念は報告されていません。 takeda(https://www.takeda.com/jp/newsroom/newsreleases/2025/dengue-vaccine/)
日本での承認時期は未定ですが、医療従事者は海外での承認状況や有効性データを把握し、渡航者への適切な情報提供ができる体制を整えることが求められます。
医療従事者向けの研修プログラムも、デング熱の病態生理、診断、予防に関する最新知識の習得を目的に開催されています。 vietnam(https://www.vietnam.vn/ja/day-lui-sot-xuat-huyet-bang-giai-phap-tong-luc)