カテゴリー3と判定しても、約2%の確率で悪性が潜んでいます。
BI-RADS(Breast Imaging Reporting and Data System)はACR(米国放射線科専門医会)が策定した乳腺画像診断の標準システムで、マンモグラフィ・超音波・MRIの3モダリティに対応しています。 MRIにおけるカテゴリー分類は、カテゴリー0から6まで設けられており、それぞれに推奨される臨床対応がリンクしています。 kwcs(https://www.kwcs.jp/jbcs-cs21/files/%E8%A8%BA%E6%96%AD%E9%83%A8%E9%96%80%EF%BC%88%E8%A7%A3%E7%AD%94%E7%B7%A8%EF%BC%89.pdf)
下表にカテゴリーごとの定義、悪性確率、推奨マネジメントをまとめます。 rblc(https://rblc.jp/blog/post-295/)
| カテゴリー | 定義 | 悪性の確率 | 推奨マネジメント |
|---|---|---|---|
| 0 | 判定不能 | — | 追加画像検査・過去画像との比較読影 |
| 1 | 所見なし(陰性) | 0% | 定期スクリーニング継続 |
| 2 | 良性所見あり | 0% | 定期スクリーニング継続 |
| 3 | 良性の可能性が高い | 2%以下 | 短期経過観察(6か月〜2〜3年) |
| 4 | 異常疑い(生検推奨) | 4A: 2〜10%/4B: 10〜50%/4C: 50〜95% | 組織診断 |
| 5 | 悪性を強く疑う | 95%以上 | 組織診断 |
| 6 | 悪性の証明あり | — | 適切な治療 |
カテゴリー4はさらに4A・4B・4Cにサブ分類され、それぞれ悪性確率の幅が異なります。これが基本です。
カテゴリーごとの判定根拠を院内で統一しておくことで、レポートの再現性と臨床判断の一貫性が格段に向上します。読影医と臨床医の認識のズレを防ぐためにも、定期的な院内カンファレンスでBI-RADS用語の共有を図ることが有効です。
参考:日本乳癌学会 画像診断ガイドライン(乳房MRIのBI-RADS判定基準が詳述されています)
日本乳癌学会 乳癌診療ガイドライン2022年版 各乳腺画像診断モダリティ
カテゴリー3は「悪性確率2%以下で、経過観察により増大しないと予測される病変」に使用するカテゴリーです。 ここで重要な落とし穴があります。 innervision.co(https://www.innervision.co.jp/ressources/pdf/innervision2014/iv201408_047.pdf)
カテゴリー3は「良性か悪性か判断がつかない(indeterminate)」な病変には使えません。 迷った場合にとりあえずカテゴリー3にしてしまう運用は、BI-RADSの原則に反します。 innervision.co(https://www.innervision.co.jp/ressources/pdf/innervision2014/iv201408_047.pdf)
「良性か悪性かわからない状態で経過観察」は原則として推奨されない、というのがBI-RADSの考え方です。 そのような病変はカテゴリー4(悪性確率2〜95%)として生検を推奨することが正しい対応になります。 innervision.co(https://www.innervision.co.jp/ressources/pdf/innervision2014/iv201408_047.pdf)
現場では「念のため3カ月後に経過観察」という判断が行われることがありますが、BI-RADS上の「カテゴリー3 = 6か月〜2〜3年の短期経過観察」とは意味が異なります。結論は、判定に迷ったらカテゴリー4が原則です。
参考:MRI読影におけるBI-RADSカテゴリー3の意義について詳しく解説されています
INNERVISION 2014年8月号 BI-RADS MRIカテゴリー3の詳細解説(PDF)
乳房MRIでは、病変を大きく3つに分類して評価します。 この分類が正確でないとBI-RADSカテゴリーの判定精度が下がるため、用語の理解は不可欠です。 jbcs.xsrv(https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/k_index/s4/)
webview.isho(https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18885/CI.0000002313)
NMEは乳管内進展を示す病変に多く見られ、過小評価されやすい点に注意が必要です。これは使えそうな知識ですね。
ダイナミック造影MRIでは、造影剤投与後2分以内の早期相での造影が重要で、乳癌はwashout pattern(早期強造影→後期減弱)を示すことが多いとされています。 ただし、washout patternのみでカテゴリー判定を行うのではなく、形態情報と血流情報を組み合わせた総合的な判断が必要です。 jbcs.xsrv(https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/k_index/s4/)
参考:乳癌診療ガイドライン 各画像診断モダリティにおける乳房MRIの評価法が詳述
日本乳癌学会 乳癌診療ガイドライン2022 乳房MRI評価方法
BPE(Background Parenchymal Enhancement:背景乳腺増強効果)は、乳腺実質の正常造影効果のことで、minimal・mild・moderate・markedの4段階に分類されます。 BPEが高い場合、病変の検出感度が低下し、カテゴリー判定の精度にも影響します。 xn--o1qq22cjlllou16giuj(https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/2757)
BPEは個体差だけでなく、月経周期や閉経状態によっても大きく変化します。 そのため、撮像タイミングによってカテゴリー判定が変わるリスクがあります。 xn--o1qq22cjlllou16giuj(https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/2757)
一般的に、月経周期のある女性では月経開始後7〜14日目(卵胞期)に撮像すると、BPEが最も低くなり病変の評価がしやすくなります。閉経後女性ではBPEは通常低値ですが、ホルモン補充療法(HRT)を行っている場合は高値になることがあります。把握しておくべき情報です。
BPEのレポート記載は単なる形式ではなく、次回撮像時の比較読影に直結します。BPEの評価が条件です。
参考:背景乳腺増強効果(BPE)の評価方法とレポート報告形式の解説
乳腺MRI BPEとレポート報告形式の詳細解説
ただし、高感度ゆえに偽陽性率も高くなりやすく、MRIのカテゴリー4以上の病変が生検で良性と判明するケースも一定数あります。厳しいところですね。
モダリティ間でカテゴリーが乖離した場合の原則は以下の通りです。
jbcs.xsrv(https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/k_index/s4/)
モダリティ間の判定乖離に迷う場合は、多職種カンファレンス(MDT)でケースを共有することが、診療の質向上と医療安全の両面で有効です。
参考:乳がん高リスク群へのMRIスクリーニングの根拠と推奨グレードの詳細