あなた、AST20台でも筋トレ直後だと肝障害見逃しますよ
AST(GOT)は肝細胞だけでなく筋肉や心筋にも多く存在する酵素であり、単純な肝機能マーカーではありません。一般的な女性の基準値は10〜30U/L程度とされますが、検査機関によっては8〜32U/Lなど微妙に異なります。ここが落とし穴です。
つまり施設差があります。
例えば同じ患者で25U/Lでも、ある施設では正常、別の施設ではやや高値扱いになることがあります。これは測定法(IFCC法など)や試薬の違いによるものです。見逃しの原因になります。
ASTは絶対値だけでなく推移を見ることが重要です。前回が12で今回が28なら、基準内でも変化としては大きいです。ここを軽視しがちです。
結論は相対評価です。
また女性は男性より筋肉量が少ないため、基準値がやや低めに設定される傾向があります。ここも重要です。閉経後は代謝変化により軽度上昇傾向が見られることもあります。年齢も影響します。
年齢も考慮が基本です。
AST上昇=肝障害と短絡的に判断するのは危険です。ASTは筋肉由来の影響を強く受けます。ここが重要です。
つまり非肝性も多いです。
代表的な原因は以下です。
・筋損傷(筋トレ、外傷、横紋筋融解)
・心筋障害(心筋梗塞)
・溶血(採血手技の影響含む)
・アルコール性肝障害
・ウイルス性肝炎
例えば激しいスクワット後ではASTが40〜80U/L程度まで上がることがあります。これは肝臓ではなく筋肉由来です。見誤りやすいです。
CKを測ると判断しやすいです。
アルコール性肝障害ではAST/ALT比が2以上になることが多く、逆にウイルス性ではALT優位になります。この比率は臨床的に非常に有用です。
AST単独は不十分です。
採血時の溶血でもASTは上昇します。軽度でも影響します。再検査で正常化するケースも多いです。ここを確認しないと不要な精査につながります。
再検査が基本です。
ASTが低い場合は問題ないとされがちですが、極端に低い場合は別の視点が必要です。見落とされがちです。
低値も評価対象です。
ASTが5U/L未満などの場合、ビタミンB6欠乏が関与することがあります。ASTはピリドキサールリン酸依存酵素です。ここがポイントです。
栄養状態が影響します。
また慢性腎不全や透析患者ではASTが低めに出ることがあります。これは酵素活性の変化によるものです。
背景疾患が重要です。
ただし臨床的には「低値のみ」で重大疾患を示唆することは稀です。過度な精査は不要なことが多いです。
結論は経過観察です。
AST単独ではなくALTとの関係が診断精度を大きく左右します。ここが核心です。
比率が重要です。
AST/ALT比の目安は以下です。
・2以上:アルコール性肝障害を強く示唆
・1前後:慢性肝炎や脂肪肝
・0.7未満:急性肝炎(ALT優位)
例えばAST60、ALT25なら比は約2.4でアルコール性が疑われます。一方AST40、ALT80なら急性肝炎を考えます。
数字で考えるのが基本です。
筋肉由来の場合はALTがあまり上がらず、ASTのみ上昇します。このときCKが1000以上になることもあります。かなり特徴的です。
CK併用が有効です。
判断ミスによる不要なCTや紹介は時間とコストの損失になります。ここは避けたいです。
無駄を減らせます。
日常診療での見逃しは「正常値内だから安心」という思い込みから起きます。これが問題です。
正常でも油断禁物です。
特に女性患者では、以下の状況を確認するだけで精度が上がります。
・直近48時間の運動歴
・サプリメント(プロテイン、漢方)
・採血状況(溶血)
・月経周期や体調
例えば「前日ジム+AST28」は見逃しやすい典型です。これに気づかないと肝疾患の初期変化を見逃す可能性があります。
問診が鍵です。
このリスク回避として「運動後採血は避ける」という運用ルールを設けると再検査率が下がります。現場改善につながります。
ルール化が有効です。
日本臨床検査医学会の基準やIFCC法の詳細が参考になります。測定法の違いが理解できます。
https://www.jslm.org/
日本臨床検査医学会:検査基準と測定法の解説